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season13-2 打ち上げ

 ここはNASAの管制塔。


 いつもの職員は全員休暇。今いるのは軍の上層部やアダムの件を知っているもの達。すなわち世界の裏を知るものたち。いつもの職員達や報道陣には極秘の実験のための打ち上げとなっておりシャトル打ち上げ日以外の情報は一切公開されていない。もちろんシャトルに乗り込んでいる拓也達のことも今現在管制塔にいる人達以外は知ることはない。


 全員が自分の役割を果たすために席についていろいろな情報が表示されているパソコンに向かっていた。管制塔の中は異常なまでのざわめきと騒々しさで溢れかえっていた。


 メインとなる中央の画面にはシャトルの全景が映し出されていた。


『アダム達全員はメットを装着してくれ』


 シャトル内にネレセスの声が響き渡る。拓也達は言われた通りメットを装着して準備に取り掛かる。係りの人が拓也達を椅子へと座らせベルトで席に固定する。がっちり固められた拓也達は身動きが出来ない状態へとなった。ここから拓也達が出来ることはない。ただ無事に飛び立てることを祈る以外はないのだ。


 管制塔は相変わらずざわめきが収まらない。これから宇宙へと飛び立つシャトルの最終点検がまもなく終わろうとしている。管制塔内では様々な点呼確認の声が聞こえる。


「メインシステムOK」


「補助動力システムOK」


「通信システムOK」


 全ての点呼確認が終わり、いよいよシャトルが飛び立てる段階へとなった。


「アダム……君達に栄光あれ。……カウントダウン開始!」


「打ち上げ開始31秒前、オービターカウント30……29……」


 担当の職員が順次カウントダウンしていく。ネレセスの言葉と共にシステムなどが起動し、メインエンジンと左右に取り付けられた補助エンジンの二つがうねりをあげ始める。シャトルは多少の振動と共に揺れ始める。


「…20…19…」


 カウントが少しずつ減るに従いシャトルの機械の起動が多くなる。遂に補助エンジンとブースターが起動し、激しい轟音と共に、火を噴き始める。


「10…9…」


 打ち上げ十秒前、メインエンジンが起動しシャトル本体のブースターが点火をし始める。


 シャトル内はその轟音によりほとんどの音が遮られていた。さらに激しい振動が拓也達を襲っていた。訓練とは違うこの緊張感は他と比べ物にはならない。僅か数分後には宇宙へと飛び立っているのだ。


 ブースターの点火が激しくなり始める。


「…2…1…スペースシャトル”フロンティア”打ち上げ開始!」


 カウントが零になると同時に噴射はピークとなり激しい煙と共にシャトルが補助ロケットの力を借りてゆっくりと上昇し始める。しかしすぐにスピードを上げてどんどん上昇していく。激しい轟音と大量の煙を噴き上げてシャトルは加速しさらに上昇していく。


「やったぞ! 打ち上げ成功だ!」


 管制塔内では、歓声が飛び交っている。その一方気が抜けないと意気込む者達もいる。


「フロンティア異常なし……以前異常なし……」


 フロンティアは特別に問題もなく徐々に上昇していく。僅か数十秒で成層圏まで達し宇宙とされる領域まで僅かとなっていた。


 機内にいる拓也達にはとんでもない重力がかかっている。訓練をしているとはいえ、それはとてつもない恐怖を生み出しているはずだが、それ以上に苦しいためそんなことも考えてはいられない。


「補助ロケット、離脱」


 その声と共にボタンが押され遠隔操作で補助ロケットが切り離される。補助ロケットは地球の重力に引き寄せられ地上へと向かって落ちていく。やがて大気圏へと突入すると空気との摩擦で激しい炎と光を放ち始めた。


 一方シャトルは成層圏を抜け、地球の重力磁場をも抜け宇宙へと飛び出した。


 


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