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season13-1 シャトルへ

 静かに吹く風――。


 そこから見える小高い丘。その先にあるのは海――。


 その遥か前方に見えるのは、空をも突き刺すように天にまっすぐ伸びた人類の最高技術の粋を結集した漆黒の宇宙そらへと飛び立つスペースシャトルや補助ロケット達。


 ――彼らは、静かにその時が来るのを待っていた。


「説明は以上だ……。何か質問はあるか?」


 拓也達はNASAにあるミューティングルームでネレセスにより宇宙へ飛び立つ際の説明などを受けていた。


 ネレセスの説明によると、拓也達を乗せたスペースシャトルは発射後、月へと向かって真っ直ぐ飛んでいく。その後、月の周回軌道に乗り月の裏側へと降り立つ。そこでは彼らが待っているので詳しい事情はそこで説明されるという。月での用事が終われば拓也達は彼らの技術により火星へと飛び立つことになる。そこでなにが待っているかはまだネレセスにも分からないようだ。


 拓也達は説明が終わるとシャトルの待つ広場へと向かい始めた。


 今回の計画のために名づけられたプロジェクト名は”ノア計画”。スペースシャトルに乗り込む人員は六名。


 拓也、美奈、レン、そこにシャトルの操縦士二人と技術部のエンジニアが一名。彼らも当然、異性人の存在なども知っていて尚且つ訓練も受けた精鋭中の精鋭である。


 拓也達は、宇宙服に身を包みシャトルへの一歩を踏み出す。目の前にはシャトルへと乗り込むためのエレベーターがあった。拓也は静かにそのボタンを押す。


 扉は拓也の気持ちを表すように静かに開き拓也達を招き入れる。


 拓也達はこれから乗り込むシャトルの横をエレベーターで上がっていく。このシャトルを見てるとどこまでも高い位置まで上がっていけそうな気がする。拓也はそんなことを考えながら白い表面をなぞる様に見ていた。


 シャトルの名前は新開拓、最先端の結集などの意味で”フロンティア”と名づけられた。


 エレベーターは、遂に目的の位置までたどり着き、拓也達を降ろす。そこは金網越しに創られた鉄製の足場で下を見ると地面までがかなり遠くその高さが身に染みて分かる。でも拓也はそんなことで怯えることはなかった。


 拓也は目の前にある扉しか見えていない。扉の前にはNASAの職員が手を後ろで組み立っている。


 拓也はその職員の横を通る時に職員と目が合った。職員は無表情だったが目が合った瞬間笑顔で返してきた。拓也はなんとなくそれだけで緊張の糸が少し軽くなったような気がした。


 しっかりと訓練は積んだ。だが、シャトルで実際に宇宙へと飛び立つのは初めてなので、その自身とは裏腹に不安も抱えていた。拓也だけではない、美奈もレンも他のクルー達もみな不安や緊張を抱えている。


 拓也は扉の手前で停止した。ここから一歩踏み出せばシャトルの中へ足を踏み入れることになる。


 拓也の肩に手が乗る。


「いこう」


 それはレンの手だった。拓也は美奈とレンの顔を見る。


「ああ、いこう。これが俺達の第一歩だ」


 拓也は静かにしかししっかりとした足取りで、シャトルの中へと足を踏み入れた。この一歩は拓也達にとって最も大きな一歩になる。 


少し間が開いてしまいました。すいません。


今回より舞台は宇宙へと行きます。それではseason13よろしくお願いします

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