season11-2 真実2
彼ら、異性人が姿を隠す本当の理由、一体それはなんなのか拓也の興味はそこに集中していた。
「さきほども言ったようにこの地球には実に多くの異性人が訪れている。だが、その全てが友好的とは限らない。たった一種類だが、この地球の資源を食い尽くそうと動いているもの達がいる。彼らは他の星でも資源を食いつくし、そしてこの地球にたどり着いた。だが、当然ほとんどの異性人はそれを許さなかった。そして、対立したのだ」
「そんなことが……」
「困ったのは、その資源を食いつくそうとしている異性人は他の異性人よりもさらに進化したテクノロジーを所持しているのだ。つまり、むやみに太刀打ちできない。そこである作戦が考え出された」
「ある作戦?」
拓也の集中はさらに強くなった。
「それは――アダムだ」
その言葉に拓也は驚きながらも耳をさらに集中させる。
「彼らはアダムに望みをかけ、遥か昔『種』を植えた。いつかアダムとして覚醒しこの地球を救える可能性を秘めた者として。それが君だ。アダム」
「俺が、地球を救う?」
「だが、もう一つ問題が生じた。それは地球人だった。地球人の好奇心は果てしない。異性人がいることが知れればさらなら深追いをし、我々が隠し続けているもう一つの秘密もしられてしまう。それを知られることは、直接この星の破滅に繋がる。だから、我々は情報操作をしたのだ。この地球を守るために」
「情報操作……」
「それが、君達がグレイと呼んでいるチルドレン達だ。彼らチルドレンは我々アメリカが作りだした新生物だが、異性人の存在を隠すために彼らを異性人にしたてたのだ。そうすることで二重の秘密になる。まずUFOの存在を否定する。しかし、それでもUFOを信じて追ってくるものも多い。ならば、偽者の異性人を本物と偽り、公開する。それで99%はまず満足する。そのために我々はいろいろな情報操作を繰り返してきた。UFOの本物の写真があるのなら、我々は偽者を作り、紛れ込ませる」
拓也は彼の言葉にしっかりと耳を傾けている。一期一句逃さないように。
「人間というのは実に信じやすい生物でな。本物の中に偽者を紛れ込ませ、偽者が偽者だとばれたとき、本物も偽者となる。木の葉を隠すのは森の中とはよく言ったものだ。真実を隠すのは我々ではない。UFOの存在を信じて追う者達だ。彼らがいて初めて成り立つ作戦だ。そして、それもある程度うまく行っている。しかしその間も彼らの侵略は続いている。そしてそれに対抗する手段としてアダムともう一つまったく別の最終手段である作戦を始動させた」
「ある作戦?」
「我々がずっと隠し続けてきたもの。そしてこの星を守るための、だが下手をうてばこの星を滅ぼす力を持った脅威の究極兵器――それが、水素爆弾だ」
その言葉に彼の顔はさらに引き締まる。拓也は疑問符を浮かべているもののさらに驚いた表情をしている。