season10-4 驚き
「なにか分かったの?」
「ああ、例のホワイトハウスの地下にある軍事基地のパソコンに進入したんだ。なかなか手こずったがうまくいった。昔、拓也と一緒に核の発射コードを盗みだした時と同じ方法でな」
レンと美奈そしてレイラは、パソコンを見ていた。
彼らは生きていた。例のヘリとの戦闘の際、一瞬ではあったがヘリの真下に入り込むという死角を得たためその一瞬を利用して車外へと脱出していたのだ。後はヘリが去るまで息を潜め、気配を出来る限り殺していたのである。
その後、町に戻ったレン達はネットで軍事基地へのハッキングをしていた。もう危険は承知の上のため、バレることも厭わず大胆なハッキングをしていたのだ。
「それで、なにが分かったの?」
「全てさ、彼らがずっと隠してきた真実。その全てを見つけ出した」
「それが、本物の証拠はあるの?」
「ないな、だが情報ランクトリプルSの国家最高機密のトップシークレットで、なおかつ普通なら進入不可能な場所にあるということ。もうこれは信用するしかない」
レンはパソコンの画面を見ながら話している。今まさにその情報をプリントアウトしている最中なのだ。
「それじゃあ見せてよ。私達が追い求めてきた全ての真実を」
美奈は、レンにせがむ。レンはプリントアウトした一枚を美奈に見せる。そこには英語でこと細かにあることの詳細が記されていた。美奈は渡された資料を見て、それを読んでいく。
美奈の持つ手は、だんだん震えてくる。その様子にレンは冷静に、レイラは不思議そうに見ている。
「ちょっと!? なんなのコレ? こんなのが真実だって言うの!?」
「ああ、それを隠すためただそれだけのために、いままで何十年もアメリカは事実を隠してきたんだ。それを一般人が知るということはこの地球の破滅に直結するからな。もし俺がこの事実を知っていてアメリカの最高権力者だったら間違いなく隠すだろう」
「私も、隠すかもしれない。いえ、これは一般人が知ってもいいことじゃない。もし知れば世界中が大パニックになって、世界は終わる」
美奈はレイラにもその紙を渡す。レイラも同じく驚いている。
「でも、それならたっくんは……」
「ああ、拓也の役割は一つしかない。美奈、レイラ、俺達もアメリカに協力しないか? 奴らが受け入れるかどうかは分からないが」
「寝返るってこと?」
「寝返るもなにも、元々真実を追い求めるものと隠すものの関係であっただけで決して敵ではない」
「……それなら、彼らは私達を受け入れたほうがいいかもね。真実を知っているんだから。近くに置いておいたほうが安心だわ」
レンは、プリントアウトした紙を手に持ちパソコンの電源を切った。そして立ち上がると覚悟を決めた顔で美奈とレイラの目を見た。美奈もレイラも頷く。
そして、レン達はホワイトハウスへと向かった。
読んでいただきありがとうございます。season10は4までで終わりです。
そして、次回season11にて遂に真実が明らかになります。
よろしくお願いします。