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season10-1 ロズウェル

「ここがロズウェル地区か、思っていたよりもなにもないところね」


 ブラッドとレイマーはロズウェルまで来ていた。謎の金属片に関する手がかりと新たな情報を手に入れるためだ。そこは、人気もなにもない場所だった。その場所のほとんどは農夫の牧場で、誰も家を建てないからである。


 しかし、その一角にある八メートルもの高低差でえぐれた部分の先にある小高い丘の上には石碑と石で積まれた謎の物体がある。石碑にはこう記されている。


『2002年9月、SciFiチャンネルとニューメキシコ大学の科学者と協同して同地域の調査を行った。ここには1947年、地球外のものとされる物体が墜落したといわれている』


 そう、この場所こそがかつてUFOが墜落したとされる場所である。UFOの歴史はまさにここから始まったと言っても過言ではない場所だった。


「来る途中通ったロズウェル市内はUFOグッズなんかもあったけど、墜落したとされるこの場所自体は石碑と石積み以外なにもないのね」


「そうだな」


「……? どうしたの? いつもの元気がないみたいだけど?」


「え? いや、そんなことはないぜ!」


「まぁ、いいけど。それで、どうするの?」


 レイマーは辺りを見渡す。相変わらずなにもない。すると、荒野の地平線のほうから黒い一台のジープが向かってくる。レイマーはそれに気が付くとブラッドに知らせた。


「なんだあれは?」


 ジープはブラッド達の近くまで接近してきている。しかしそのスピードを落とすことはない。それに感づいたブラッドが叫ぶ。


「避けろ!!」


 その声にレイマーは即座に反応し、二人は互いに別の方向へと飛びジープの追突を逃れた。しかし、ジープは再び反転する。すると、ジープの窓から腕が出てきた。その手には機関銃らしきものが握られている。ジープは移動しながら、手に持った機関銃を発砲してくる。突然の襲撃にブラッド達は驚いていたが、ジッとしていれば殺されると直感したのか、二人は懐から銃を取り出すと、機関銃の弾が当たらないようにジープの死角になるように移動し、レイマーが転がりながらジープのタイヤに弾を撃ち込んだ。


 その衝撃でジープは停止した。それを見たブラッドが、銃を構えながらゆっくり近づく。


「車から降りろ! 何者だ!?」


 ブラッドの問いかけにも関わらずなんの反応もなく。沈黙だけが流れた。


 しばらくすると、ジープのドアが開き、中から人が出てくる。


 中から出てきたのは軍事服を着て、手に機関銃を持っている黒人の男だった。


「何者だ!?」

 

 ブラッドは黒人の男に銃を向けながら叫ぶ。


「……、もうお前達は用積みだ。内情を知っているお前達は死ぬしかない」


「用積み? やはり、美奈の言っていたことは当たっていたか」


「ブラッド=クルー、元海軍のパイロットで第二次大戦にて活躍した」


「え?」


 黒人の男の言ったその言葉にレイマーは驚いた。


「しかし、ある事件をきっかけに軍を辞めその後数十年は行方知らずだったが今度はFBIに姿を現した」


「ちょっと、待って? どういうこと? だってブラッドはまだ二十代でしょ? 人を間違えてるんじゃ?」


「間違ってなんかいないさ。レイマー。そして奴の言う事件こそ、このロズウェル事件なんだよ」


「え?」


 レイマーは目を大きく見開き、なにを言っているのか分からない顔をしている。


「俺の全てはここから始まった。あの日、あの事件は俺の全てを変えたんだ」


 そして、ブラッドはあの日の出来事を語りだした。


読んでいただきありがとうございます。


season10が始まります。season10は四話だけです。それではよろしくお願いします。

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