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season7-4 病室

 病室にいた美奈の携帯電話がなる。


「どうしたの? デイビット」


『拓也はどうだ?』


「意識はまだ戻らないけど、安定しているし大丈夫よ」


『そうか、俺はこれから日本にいく』


「日本に?」


『ああ、拓也がアブダクションされた事件の現地調査と目撃したとされる部活仲間をあたってみる』


「そう、わかったわ。気をつけてね。ブラッドもFBIで手がかりを探してくれてるみたいだから」


 デイビットは用件だけ言って電話を切った。


「なんて?」


 聞いたのは拓也の寝ているベッドを挟んで向かいに座っているレンだった。


「デイビットが日本に向かうそうよ。たっくんのアブダクション事件の目撃者をあたるらしいわ」


 それを聞いたレンはため息をついた。


「まったく、みんながいろいろ調べてくれてんのに、当のアダムは意識不明状態、いったいいつになったら目が覚めるんだ?」


「仕方ないわよ。一番重傷だったんだし、それに逆に考えれば少し休むのにいいかも知れないしね」


「はぁ〜なんかやさしくなったな。美奈キャラ変わった?」


 その言葉が言い終わると同時にベッドを挟んで向かいの席からパンチがレンの顔面を捉えた。


「いや、やっぱ変わってねぇ」


「ふざけたこと言ってないで、レイラでも見てきてよ。ここは私が見てるから」


 その言葉に、レンは立ち上がり部屋を出て行った。


 いま部屋には拓也と美奈の二人だけがいた。


「たっくん……」


 美奈は拓也の顔を見て怪我をしている拓也の手を静かに握った。だがその行為にも拓也は目が覚めることなく眠っていた。美奈はしばらく手を握っていたが、手を離し突然立ち上がった。


「ちょっとトイレに行ってくるね」


 美奈は部屋を出て行く。拓也は相変わらず何事もないように静かに眠っていた。


 しばらくしてトイレから戻ってきた美奈が、部屋に入ってきた。


 ――そこには、ベッドで寝ているはずの拓也の姿が忽然と消えていた。


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