season4-6 作戦
犯人が上を見ると、そこにはレンがフルオートの銃を構えていた。
犯人は、自身が持っていた銃をレンのほうに向けようとするが一瞬早くレンの持つ銃が銃声と共に火を拭いた。
犯人は銃弾を足に多数浴び、手に持っていた銃を落としその場に倒れこんだ。
それを確認したレンはそのまま、床へと降りてきた。
だが次の瞬間、飛行機の後方にいた犯人がレンに銃を向ける。レンはそれを見て、とっさに後ろに倒れこみながら犯人に向け銃を撃つ。
激しい銃声と硝煙が辺りを包み、薬莢が床に落ちていく。
銃弾の一発が犯人の遥か後ろの飛行機の壁に当たった。そして、犯人も腕と足を撃たれ倒れていった。
レンはそれを見て、ゆっくりと立ち上がった。
「ふう、危なかった」
レンは無傷だが額には汗をかき、賭けにも近い緊迫した状況だったのが見てとれる。
「レン、うまくいったね」
拓也が自分の席で立ち上がりレンに向かっていう。
「ああ、作戦通りだ」
レンは倒れた犯人たちをロープで縛りながら言い始めた。
「まず俺がトイレに行くといって立ち上がる。その前に拓也に飴を渡しておいた。機内サービスでもらったやつだ。そして俺は犯人と共にトイレに入る。
ここで俺は銃を犯人から奪おうとしていたがトイレの近くに犯人がもう1人いたんじゃできない。だから拓也に飴を落としてもらい、犯人の注意をそっちに向けた。そして犯人は作戦通り拓也のほうへと行った。
その瞬間、俺は犯人から銃を奪い、足を撃ちトイレから上へと上がった。仲間に駆け寄ってきた犯人を上から狙うためだ。見事にうまくいったな。
この作戦が成功した理由の1つはコックピットにいる犯人が出てくることがないと言うこと。それはさっきおっさんが撃たれたときに出てこなかったことから予想できた。もう1つは犯人が人質の女性を運よく離してくれたことだ。おかげで俺は犯人だけを狙うことが出来た」
レンは作戦の内容を機内の全員に分かるように説明した。
「そう・・・、よかったわね。作戦が成功して」
レンの説明が終わると同時にその言葉がレンの後方より発せられて、レンの
後頭部に銃が突きつけられる。
銃を突きつけたのは、人質になっていた女性だった。
「あんた・・・」
レンが言葉を言いながら立ち上がろうとしたとき
「動かないで!!そのままジッとしてなさい」
女性がレンの動きを封じ言った。
「・・・まさかとは思ったけど、ほんとにそうだったなんてな・・・」
レンが前を向いたまま言った。
その瞬間、女性の頭に銃が押し付けれた。
「銃を離して」
その言葉を言ったのは拓也だった。
「・・・なぜ?」
女性が銃を突きつけていたレンの頭から銃を離しながら言った。
「レンが最初、作戦を実行する前に言ったんだ。万が一、人質の人も犯人の1人だった場合のことを・・・、俺達は最初からそういうことも想定して動いていた」
それを聞いた女性は悔しそうな表情を浮かべた。