season4-1 離陸
「え〜と、E-4は・・・とっ」
拓也とレンはその日のうちにロサンゼルス行きの飛行機の搭乗手続きを済ませて、ロサンゼルスに向かおうとしていた。
ロサンゼルス行きの飛行機はどれも満員で席が空いていなかったのだが、レンは航空会社のパソコンをハッキングしてデーターの書き換えをして、席を予約し、飛行機に乗った。
レンはその作業を約30分ほどでやってのけた。
拓也はレンの実力に驚かされるばかりだった。レンの普段から見せる冷静さ、そして自信は拓也のとってとても安心できるものだった。
もしレンがいなければ、美奈を助けることもできないかも知れないと少し悔しさがでるほどレンはすごい力を持っていると拓也は確信していた。
そして拓也は、それが自身のがんばる力にもなっていることに気が付いていた。
「あ、あったよレン」
席を見つけたのは拓也だった。2人は隣通しで席に座った。離陸まで少し時間があったため、レンと拓也は話を始めた。
「なぁ、レン・・・美奈さん無事だと思う?」
レンは拓也の声に反応したが顔は前を向いたまま答えた。
「いまはまだ大丈夫だと思うぜ。それに万が一殺されていたら取引はできないからな」
「それもそうだけど」
拓也は心配そうな顔で言う。それを見たレンは拓也に言う。
「心配なのは分かるけど、ここで心配しても仕方ないだろ?いまはゆっくりしていざというときちゃんと動けるようにしとかないと駄目だぜ?」
その言葉を聴いて拓也はうなずく。
拓也とレンが会話しているうちに飛行機は、いつのまにか離陸体制に入っていた。ベルト着用サインと共に、飛行機が滑走路を速さを増して加速していく。
そして、飛行機は地面から離れ空へとあがって行く。
拓也とレンに軽い重力付加がかかる。
しばらくして飛行機は高度3万フィート付近で安定水域に入った。
機内は多少ざわめきがあるものの、静かなものだ。拓也は周りを見渡すと、トイレに行くために席を立った。
トイレにいくと使用中だった。
しばらく待っていると大柄の男がトイレから出てきた。それを確認すると拓也はすぐにトイレに入り、用を足した。
トイレが終わり席に戻ろうとしたとき、拓也は1人の女性とすれ違った。若い感じの金髪女性だった。
拓也は一瞬目を奪われたが、そのまま席についた。
その瞬間トイレのほうの客席がざわめいた。
「全員動くな!!」
その声に反応して、拓也とレン、他の乗客も一斉に声のほうに耳を傾けた。
そこには銃を持った先ほどの大柄の男がさきほどの若い金髪女性を人質に取り立っていた。
周りを見渡すと、ほかにも大柄の男が3人それぞれが銃を持って立っていた。全部で4人の大柄の男が均等に別れて、機内の状況を支配していた。
拓也とレンの乗る飛行機はハイジャックされたのだ。
いよいよseason4です。感想など頂けると幸いです。