season3-3 指令
拓也が部屋に戻ると、すでにパソコンを2つ買い終えたレンが部屋に置いてある椅子の上に座って待っていた。レンは部屋に入ってきた拓也のほうを見ると言った。
「買ってきたか?」
「うん・・・、でもレンなにしてるの?」
レンは最初からおいてあったパソコンを解体してなにかを作っているようだった。拓也はその光景を驚きの表情で見ていた。
「コレか?コレは、逆探知機だよ。しかも録音機能付き」
レンはほとんど作り終えたその機械を拓也のにみせ言った。
「でも逆探知できないって・・・・」
拓也は不思議そうにレンに聞く。
「無理かもしれないが、やって見る価値はあるだろ?」
拓也はレンのその言葉に納得して、なにも言わずにレンが機械を作り終わるのをみていた。
「よし、完成」
そういったレンは拓也の買ってきた携帯電話の一つを手に取り、携帯の後ろカバーを開けて配線をいじってパソコンと繋げ始めた。
レンは作業が終わると口を開いた。
「よし、アダムおまえが美奈の携帯にかけろ」
「え?俺が?」
拓也は不思議そうに聞く
「俺はやらなきゃいけないことがあるんだ。おまえがかけてくれ」
レンのその言葉を聞いた拓也はうなずき美奈の携帯に電話をかけ始めた。
『買ってきたか?』
今度はすぐに繋がった。まるで携帯がなるまで待機していたかのような早さだ。
「ああ、買ってきたよ」
拓也が答える。
『ハッカーを出せ』
「いや、レンは出せない。このまま俺が聞く。俺がレンに伝えれば済むことだろ?」
『・・・・、まぁいいだろう』
拓也の声はとてもしっかりしていた。それは冷静に対処しているレンを見習ってのことだろう
『やることはそこのハッカーにとっては朝飯前のはずだ。ある施設にあるICBMの発射コードを盗み出せ』
「ICBM?発射コード?」
拓也は自分の知らない単語に戸惑っていた
『分からなければハッカーに聞け。ある施設とはDoDだ』
「DoD・・・国防総省だね」
拓也はすこし自慢気味に言った
『さすがにDoDは知っているか・・・。コードリストはnw0082だ。手に入れたらまたこの電話に連絡しろ。今度は、持って来る場所を指定する』
それを言い終わると電話は切れた。