序章 大量殺人鬼 切り裂きコトハ
どうも、はじめまして。猫川と言います。
色々語っても仕方がないと思うので、作品の方を楽しんで読んでいただけると嬉しいです。
至らない文章かと思いますが、気合いで読んでいただければ幸いです。
『キリサキ コトハ』よろしくお願いします。
クラスメイト四十名のうちの二十六名を一晩にして残虐な方法で次々と殺害し、その後自らも遺体で発見された少女、霧崎琴葉さん。
以下は彼女の部屋で発見された日記の最後のページである。
道徳の授業中の教室、これほど退屈な空間を私は他に知らない。
この空間で私がすることはほとんどの場合一つしかない。読書だ。
それも途方もなくえげつない本。
その中でも特に誰かが惨殺されてそれが肯定されるような読み物が私の大好物だ。
人を殺してはいけない、なんて一般的に当たり前だとされることを教壇から垂れ流す授業をしている教室で、道徳の教科書に隠しながら、さも私は真剣に道徳を学んでいます、という顔でそんな本を読むのが快感に思えてしまう。
私はそんなことばかりしている女だった。
小学校の頃から、いやもっと前からだったかもしれない。
まともな感性を持っている人間なら私がこんな女だと知ったら絶対に関わらないだろう。
でも実際には時々いる、わざわざ関わり合いになろうとする奴が、つまり変な奴が。
私はそういう奴が好きだ。
でも関わって、離れていく、そういう奴は大嫌いだ、そういうときに私はこの日記帳に名前を書き込むようにしていた。
色々あって今日、その嫌いな奴を一気に殺すことにしました。
彼女は包丁で心臓を抉られた姿で、とても満足そうな笑顔で息絶えていたという。
第一発見者のMさんら、数人が脈拍の停止を確認し、確かに亡くなった状態で発見されたはずの彼女の遺体は大量の血痕だけを残して現場から消えたという。
以下は生前の霧崎さんを知る人のコメント。
霧崎さんの同級生Tさんのコメント
「霧崎さんは普段から殺人事件の批評とかしていて、かなり変わった人で話しかけにくかった。暗くてあまりいい印象はなかった。」
霧崎さんのクラスの担任Eさんのコメント
「あまり他の人とかかわるタイプの生徒ではなかった。いじめられていたりだとかそういう事実はなかった。」
霧崎さんの遺体はいまだに発見はされていない。
報道より抜粋