『原作愛』という言葉がわからない
原作のある作品が映画化されたりアニメ化されたりする時に、よく耳にする言葉があります。
『原作愛がない』
あるいは──
『原作愛が感じられてとてもよかった』
私にはこれがよくわかりません。
原作に忠実に作ったほうが良いという意味なのでしょうか?
それなら原作だけ読んでおけばいいと思う……。
中には原作どうのこうのに関わらず、CGのクォリティーがひどいとか、役者さんの演技が下手すぎるというものもあって、そういうのはダメだなと私も思いますが──
原作に忠実に作られてるからといって、それが良いとは必ずしも思いません。
中には原作に忠実ながら原作を超えてる! と思わせられるものもあって、そういうのは確かに素晴らしいと思いますが──
原作とまったく同じぐらい忠実だったら原作を読めばいいじゃんと、やっぱり思います。
自分の好きなバンドの曲を誰かがカバーしたとして、めっちゃ忠実に物真似してくれる必要はないと思うように。だってそれならオリジナルのほうを聴く。
新しい解釈でやってくれてもいいんです。っていうか、そのほうが面白い。
とはいえ私も好きな漫画作品がアニメ化されたらよく観ていました。
そして違和感を覚えることも──
『このキャラ、こんな声じゃない!』
自分の中のそのキャラに、自分で好きな声をあてていたのに、おおきく違っていたのです。
でもその違和感は、制作陣に原作愛がなかったからでは、もちろんありません。
私の愛が勝手すぎただけです。
そもそも果たして映画化やアニメ化するにおいて、原作愛って必要なものなのでしょうか?
原作は原作、派生作品は派生作品で、それぞれの作者 (制作陣)の作品なのだから、別物でいいのではないでしょうか?
世界観だけ流用して新キャラばっかり出してもいいし──
原作の主人公を悪のラスボスにしたっていいし──
昭和の漫画を現代風にカッコよくしたっていい!
少なくとも私はそう思います。
あっ、ただ……
原作が超長い連載だけど読む気にならず、でも流行ってるから内容を知っておきたいとか、
原作の小説読んだことあるけどわからなかったのでアニメで簡単に理解したいとか、
そういう場合には忠実でないと困ります。
別物だったら困ります。
でもやっぱり、その場合でも、原作愛があるかどうかはどーでもいいです。
面白かったらそれでいいじゃない?
とりあえず原作愛がなぜ必要なのか、無知な私に教えてください。
ちなみに今まで観た原作あり作品で、原作を先に読んでいて、印象に残ってるものといえば──
『寄生獣(実写映画)』原作に結構忠実だったので、原作さえ読んでたらいいよなと思った。
『カムイ外伝(実写映画)』原作に忠実だし原作のほうが好きだと思った。CGのサメがショボすぎた。
『優駿(実写映画)』宮本輝さんの原作小説が好きで観たらひどかった。原作の筋には忠実だけど、美味しいところをすべて端折った、ただのアイドル映画だった。原作愛以前の問題。
『ルパン三世シリーズ(アニメ)』原作のほうを後から読んだけど、この原作をよくあんな面白いアニメにできたなと感服した。
『銀魂(実写映画)』原作超えてました。
あとは忘れた……。