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なんとか互角になった

楽園再建と謎の観客

楽園、再建中だよ。ボランティアで手伝う人いっぱい増えてて、進捗めっちゃ順調だね。


ここの人たち、スライムへの受け入れ度また上がったっぽいな。


でもさ、その中に一人、めっちゃ場違いな奴いたよ。手伝わず眺めてるだけ。マスクで顔隠してるけど、存在感バリバリ。

観光客かな、たぶん。


「主任、この書類お願い。」

「ブッ。」

主任、慌てて言い直した:「ゴホン、はい。」


怖っ。

***

獣の賢者との会談

獣の賢者、僕とメリスに会いに来た。

「評議会の使者来たよ。この人、スライムの処分にめっちゃ反対してる。君たちの書類、実力伯仲だから、近日中に討論会やるよ。」

獣の賢者、マスク男紹介してきた。


「君か、邪道野郎。」

マスク男、マスク外してさ:「僕の町をメチャクチャにするなんて絶対許さねえ!」

「父ちゃん?」

メリス、ポカンって固まった。

「黙れ!魔物持ち込んで、民をたぶらかすなんて、お前なんか僕の息子じゃねえ!」

「町復興したの、彼の功績だよ。」

他人の家事に口出すの微妙だけどさ。

「僕を騙せねえよ。お前が裏で糸引いてるの知ってるんだ。誰か騙せても、僕には通用しねえ。」

僕になんの関係が?

「絶対お前がスライムに息子の体乗っ取らせたんだ。女神の奇跡なんてねえよ!」

僕、メリスチラ見した。確かにトロルの頭にスライム入ってたの見たけど、メリスの行動、普通の人と変わんねえよ。


メリス、僕の視線気づいて、無力に苦笑いした。


「父ちゃん、町を命がけで守れって教えたの、お前だろ。今、僕、町を引っ張ってくよ。何が邪魔しても、父ちゃんでも関係ねえ。使者様。」

メリス、リーダーっぽい風格出してきて、親への慕情、跡形もなくなった。


「無駄口叩くな。討論終わったら、お前らこの世から消してやる。」

マスク男、出てった。


獣の賢者、話引き継いだ:「会場、とりあえずここで……」

獣の賢者、映像地図召喚して、僕の旧家近くに丸つけた。

「魔法で会場作るから、五日くらいで完成するよ。しっかり準備してね~」


「その間、外から見物客結構来るよ。この機会に特産品ガッツリ売り込もう。」

メリス、僕にウィンクしてきた。お前、まだそんな気分かよ。


「審判とかいるの?」

勝ち負けって真実関係ねえし、審判の好み次第だろ。

「僕、君の味方だよ~。」

獣の賢者、僕にウィンクしてきた。

僕、獣の賢者ガン見した。


「観客席あるよ。来る奴ら、魔法ちょっとかじってる連中ばっか。興味ある奴は水晶球でも見れる。てか討論って勝敗発表しないよ。」

獣の賢者、続けた。

なんか公平っぽいね。


「でもさ、あいつ強いよ!ちゃんと子孫残した?」

「僕、赤豆スープの火見に戻るわ。先行く。」

こんな場でそれ言うのセクハラだぞ。話題飛びすぎだろ。

***

討論会前準備

もうすぐ始まるよ。この五日間、僕、メリスからもらった資料ガチで詰め込んだ。メリスも本気でさ、影響とか感想とか全部惜しみなく教えてくれた。どれもめっちゃ説得力あるよ。


五日間禁欲した。主任が光魔法でどんなエロいポーズとっても、僕、動じなかったよ。


討論の流れって、多分主張、質問、反論だろ。反論パート、僕、まだ自信ねえよ。僕の信条はこれだ:「一生の幸せ欲しいなら、正直でいろ」って。


戦争で最初に死ぬのはいつも真実だ。討論も戦争みたいなもんだし。

***

討論会場

会場、外見あんま広そうじゃないけど、中入ったらバカでかいよ。魔法で作った空間だろ。座席、魔法使いの凝ったマークで飾られてて、自分の実力アピールっぽいね。

幻音術で作った音楽流れててさ。高貴なメロディで、まるで宮殿にいるみたい。吟遊詩人の生歌には負けるけど、みんなの耳、十分満足してるよ。

観客席、そんなデカくねえ。メリス雇った女の子たち、スライムゼリー配ってて、スライムの好感度ちょっと稼いでる。


会場、ちょっと高い二つの台あってさ。観客席、防御魔法いくつか使われてて、台同士、数メートル離れてる。討論でなんでこんなスペースいるんだ?


負けてキレて殴り合いになんじゃねえかな。


獣の賢者、今回の司会だよ。僕とマスク男紹介し始めた:

「赤コーナーは、スライム賢者、ドラゴンライダー、エルフに愛されし者、獣の群れの指導者!青コーナーは、鋼の肉体、崇高なるリーダー、先見者、ゴブリンスレイヤー、剣の賢者!」

称号、一個負けてる。


「戦闘開始を宣言する!マスク男、先攻だ!」

僕、緊張でゴクリって唾飲み込んだ。


「先生、音楽鳴らしちまえ!」

はぁ?


リズム感バッチリの音楽流れてきたら、マスク男、体揺らして、声増幅する魔法道具、口に当ててきた:

「お前マジムカつく、絶対許さねえ、

 スライムは魔物、飼うのは間違い、

 お前魔物の毒にやられた、吐き気するぜ、

 魔物追い出すの、みんなの義務だ、

 お前どれだけ騙せても、僕には関係ねえ、

 みんなの幸せ、僕が守るぜ!」


会場、拍手喝采だよ。


……何!?この討論!


獣の賢者、ちょっと気まずそうに僕見て、頭コツンって叩いた。ルール説明忘れたこと、後悔してるっぽいね。


僕、まだビックリしてる間に、観客、待ちきれなくなってブーイングしてきた。

しゃあねえ、頭硬くして行くか:

「僕こそ本物だ、お前泣かすぜ、

 手足バラバラ、顔も歪んでる、

 さっさと引退してジジイになれ、

 ギャーギャー騒ぐの、笑いものだぜ!」


拍手喝采、なんとか互角になった。


討論より、ケンカのが楽かもな。

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