それ、尻尾じゃないよ
霧の中の攻防
どれくらい経ったか分からないけど、黒狼のエンドレスな嫌がらせに耐えてた。スライム、まだある程度の食料供給できるけど、僕らが弱ってないって相手にバレなきゃ出てこないよね。
禿尾、必死に我慢してるけど、疲れがもう限界寸前だよ。
近くの洞窟に移動した方がいいかな。でもそれって退路なくなるってことだよね。
プレッシャーで頭鈍くなってきた。
黒狼、また近づいてきた。今度は人影連れてきてるよ。
正体、そろそろ出てくるか。
僕、スライム特製のエネルギーゼリー飲み込んだ。
「降参?」
たった二言なのに、めっちゃ色っぽい声。女の人っぽいね。
「獣人の村どこか教えてくれたら、君たち見逃してあげるよ~。」
霧の中、人影がだんだんハッキリしてきた。
禿尾、ビクッて目覚めて、低く唸って僕の前に立ちはだかろうとした。僕、禿尾を抱き寄せた。
もうちょっと近づいてきたら、そいつの顔がちゃんと見えた。
「イ、イヴ?お前どうして……」
ついに僕を狩りに来たのか!?
そいつ、主任とそっくりだった。ただ肌の色めっちゃ濃くてさ。動きも真面目な主任と違って、柳の枝みたいに柔らかくて骨抜きっぽい。いつでも抱きついてきそうな感じだよ。唯一違うのは、胸が主任の太ってた時よりデカいとこ。
「……なんでそんな胸デカいの。」
やっぱ別人だね。
そいつ、クスクス笑ってさ。耳の裏くすぐられてるみたいだった:「こんな時でもそこ気になるんだ。」
そいつ、得意げに胸ちょっと喬って、乳波が揺れた。
気を取り直して、距離近いよ。こいつ倒せば、相手バラバラになるよね。
「僕の四輪馬車くらえ!」
スライム、人型に変形して、隠れてたとこからジャンプしてさ。黄色い実物の馬車で相手押し潰した。
黒狼の群れ、馬車に突っ込んできて、押し返そうとしてるみたい。
「もう遅いよ!逃げられないから!」
僕、赤龍の鱗に魔力込めた。黒狼の群れ、一瞬でグッタリして、逃げ出す奴まで出てきた。
「潰してやる!」
馬車、相手いた地面にグサッてめり込んで、土煙上がった。
でも予想外だよ。黒狼の群れ、散らなかった。逆にまた集まってきてさ。禿尾、鱗の影響で膝ガクガクして立てなくなっちゃって、スライム、僕の横に戻って警戒してる。
黒狼、嘲笑うみたいに鼻息荒くしてた。土煙落ち着いたら、潰れてるはずのとこで、そいつ無傷でニヤついてた。
「君、もう僕の幻術かかってるよ~。こんなやり方、僕もう飽きてるし。もっと刺激的なのあったら見逃してあげてもいいよ~!」
幻影かよ!
「こんなスライム初めて見たよ。あいついる限り、君、降参しないよね?いいよ、君を苦しめるナイスな方法思いついた……」
スライムの透明な体、沸騰し始めて、すげえ蒸気出してきた。
「血沸術だよ。ほぼ液体みたいな生き物にはキツいよね?」
スライム、体小さくなって、放つ飢餓の気配がさ。昔スライムが捕食してた時思い出した。黒狼の群れ、遠くに引いた。
スライムの栄養源、今僕しかいないよ。今あいつ満足させたら、僕死ぬよね。
でも極限状態なら、スライム、肉食うかも。僕、目でガクガクしてる禿尾チラ見した。
禿尾、膝まだ震えてるけど、無謀にも僕の前守ろうとしてる。
みんな、君の犠牲に感謝するよ。
スライム、禿尾無視して僕の方来た。禿尾、ヌルヌルのスライムつかめなくて、地面に倒れた。
そりゃそうだよ。メインディッシュあるのに、わざわざ他食う必要ないもんね。
スライム、ゆっくり近づいてきた。でも僕、なんかあいつの飢え感じなくて、ただ抱っこ求めてるみたい。
スライム、僕とキスして、栄養口に流し込んできた。体もどんどん小さくなった。
僕、元気湧いてきて、頭も冴えてきた。スライム、僕の指輪に入るくらい小さくなって、僕、禿尾つかんで洞窟にダッシュした。
まだ奥の手あるよ。
***
洞窟での作戦
今、頭めっちゃクリアだよ。さっきの状況、ちゃんと分析しないと。
一、僕ら、相手の魔法射程内にいる。相手、透明かも。
二、スライム戦力なし、禿尾戦力なし、僕戦力なし。
三、相手、Dの記憶にある変異エルフっぽい。
四、相手、新しい遊び方にめっちゃ興味あるみたい。
僕、大胆なアイデア浮かんだ。
禿尾連れて洞窟入った。この洞窟、結構浅くてさ。中の方が入り口よりちょっと高いけど、明かり悪いよ。
禿尾、まだ鱗の影響受けてるみたい。でもなんとか立てるようになってた。尻尾、ギュッと挟んだまま。
変異エルフ、とりあえず黒主任って呼ぶか。搾り取る感じだしね。
相手が僕らに興味持てば、少なくとも命は守れるよね?
「君を大人にできるものあるよ。大人の仕事、君に任せるね。」
僕、服脱いで、後ろから禿尾の肩に手置いた。
「は、はい!?」
禿尾、声震えてた。
「怖がらないで。僕が責任取るよ。」
キスしながら、禿尾の服も脱がしていった。
禿尾、息荒くなってきた。
来た!小屋で嗅いだあの匂いが広がり始めた!
洞口に来た黒狼、発情し始めてさ。交尾するかケンカするかで騒ぎ出した。
これなら相手、自分で確かめに来るよね。釣り作戦だよ!
でもほんと一馬平川だね。牛人みたいに四つあったら選ぶの困るよ。
禿尾、我慢してるけど、可愛い声漏れちゃってる。
ほんと保護欲そそるな。
微光で聴覚鋭くなって、喘ぎ声の中、軽い足音近づいてくるの聞こえた。
魚、食いついたね。
もっと近づけよう。僕、禿尾の股間に手伸ばした。
「安心して、安心して。」
僕、尻尾押さえた。
「それ、尻尾じゃないよ……あ♥」
手、熱くて濡れてた。
え、禿尾、男だったんだ。僕、手止めた。
釣った魚、逃げちゃうよ。
「僕、まだ見たいよ。続けてよ。」
魚、自分から飛び込んできた!なんか新しい扉開いたっぽいね。
ちょっと抵抗あったけど、禿尾操って声の方向に噴射させた。
命中!黒主任、現れた!
チャンス!
僕、黒主任つかんで:「真言術:ピュアリティ!」
「え?僕に何したの?」
黒主任、驚き叫んで、濃い肌が少しずつ光出し始めた。
黒主任、肌白くなってるの気づいて、慌てて露出してた部分隠した。
「僕見ないでよ!」
白くなった!成功?元に戻ったエルフになったの?
「やっと黒くしたのに~」
何?日焼けしただけ?恥ずかしいの白い肌なの?
「これ、ちゃんと罰しないとね。」
なんで美白効果!?今この状態って性癖覚醒しただけで、善悪関係ないの?
「でも次にしよっか。誰か邪魔しに来たし。また会いに来るよ~。」
黒主任、転送で消えた。
危機脱した。緊張解けて、僕、地面にへたり込んだ。
黒主任、去り際に誰か邪魔しに来たって言ってた。Dかな。
「みんな帰れるよ。」
なんか忘れてる気がする。
しばらくして、Dと大狼が発情した黒狼追い払って、洞窟入ってきた。
「君たちの匂い嗅ぎつけたよ。まだ――」
D、全裸の僕と気絶してる禿尾見た。
「いい感じ?」
D、意味深に僕ら見てきた。
あ。




