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賢者タイムに突入するぜ!

「うわぁ~くっさ!いくら便利でもこの臭いじゃ一気に萎えるって!」

失敗のダメージがデカすぎて、今日の仕事テンションがガタ落ちだよ。

「解決策が浮かばねえぇぇ!」って、イライラに飲み込まれてる感じ。

「こんなの賢者でもなきゃ無理だろ!」って、トイレでサボってるついでに賢者タイム突入。

「おおっ……頭がだんだんクリアになってきたぜ!」

記憶の奥からいくつかアイデアがポンと浮かぶ:

①臭いは香りで隠せる。風呂入らずに香水ぶっかけるみたいにさ。

②香料で腥臭さ消せるよな。海瓜子炒める時みたいに。

③何食うかで臭いが決まる。栗子食ったハリネズミの肉が栗子臭くなるみたいに。

④嗅覚なくせばいい。臭いの嗅ぎすぎて感覚マヒする感じで。


で、冷静に考えてみた:

①香水と体臭混ざると独特な臭いになるけど、精液臭とマッチする香水なんてねえだろ……あったとしても俺、買えねえし。

②炒めたら死ぬだろ。でも香草でも食わせてみるのはアリかもな。

③俺、キッチンで働いてるし、フルーツなら余裕で手に入るぜ。

④意味ねえよ!


仕事中、別の事考えながらだと時間がバカみたいに早く過ぎる。下班して、フルーツも結構ゲットできた。

次の悩みは……

このフルーツ、ゴブリンに食わせるか、スライムに食わせるかだな。

ニュース速報:

『タマタマ襲撃事件で、地元自衛隊が犯人に「早めに自首しろよ、刑軽くしてやるから!」って呼びかけ!』

「うわ、このニュース怖えーな。」って口では言うけど、心の中じゃ全然怖くねえよ。だって俺に関係ないしな。

***

結局、フルーツはスライムに食わせることにした。

ゴブリンだとすぐ使い切っちゃうし、スライム自体がいい香りになれば無駄な手間かけなくて済むもんな。

スライムをガッツリ腹ペコにしてみようぜ。極限まで飢えさせればフルーツでも食うだろ!

ちょっと残酷だけど、スライムの為だ。仕方ねえよな!


「うわああ~~~!」って、外から聞き慣れたゴブリンの叫び声が響いてきた。

腹ペコすぎるスライムが池からニュッて伸びてきて、ゴブリンの檻に侵入。

スライムがゴブリンを全身ズルッと包んで、下半身に集中し始めた。

スライムがモゾモゾ動くと、ゴブリンが「うっほぉ~」って気持ちよさそうにうめき出す。

でもスライム、まだ足りねえって感じで、ゴブリンの声が「うぎゃあ!」って苦痛に変わってきた。

ゴブリンのタマタマがみるみる萎んで、叫び声もだんだん小さくなって、死んじまった。

スライムは満足そうに池に戻っていく。


「うん……ちょっと離れとこうかな。」俺、池から少し距離を取った。


ニュース速報:

『地元自衛隊、新種スライムが犯人と推測!拷問官が「こんな処刑、マジで狂ってるレベル」とか言ってるって!』

***

ゴブリンを1匹余計に消費した以外は、スライムの食性を変えるのに成功したぜ!フルーツが副食に追加だ。

腐りすぎたやつじゃなきゃ、ほのかな香りがして、精液臭をガッツリ抑えてくれる。


大★成★功だよ!


ウキウキでスキップしながら仕事行ったら、今日のギルド、なんか人多すぎだろ。まぁ俺には関係ねえけど。

「ほらほら、こっち来て!全員嘘発見受けるよ!」

【誠実の領域】って魔法がかかった場所だと、嘘つくのってあんま意味ねえから、犯人すぐバレるだろ。

「スライム襲撃事件の嘘発見はこっち!早くしろ!」って、衛兵に隊列に押し込まれた。


何!?

どうしよう!?

どうしようどうしようどうしようどうしようどうしよう!

直接関係者じゃないけど、間接的には関わってるよな!

なんで昨日あんなの見ちまったんだよ!

トイレ行きたいって言えばいいか?「うんこ漏れそう!」とか?いや、緊張しすぎると死ぬ病気とか?密閉恐怖症で狭い部屋ムリとか?


無駄だった。俺、【誠実の領域】が張られた小部屋に突っ込まれた。


減刑狙うしかねえか?執行者が【拷問者】って有名人だと知って、どう死ねば楽か頭フル回転。


「ほら、緊張すんなよ。立ってりゃすぐ終わるから。」【拷問者】がニヤニヤしながら言うけど、俺、ガチガチで無理やり笑顔返すしかねえ。

「スライム事件、知ってる?」

「はい。」抵抗失敗。

「関係者?」

「はい。」抵抗失敗。

【拷問者】の顔が一瞬キリッとなって、次に聞く。

「当事者?」

「はい。」抵抗失敗。

【拷問者】が副官にチラッと目配せして、デカいハンマーを手に持つ。

「何か弁解ある?」質問ってより事務的だよ。

「あります!俺、スライムの研究バッチリやってて、最近見つけた『噬精スライム』って種なんですけど、研究用のは俺の実験室に安全に保管してて、絶対逃げたりしねえです!」

【誠実の領域】のおかげで俺の言葉が超説得力あって、【拷問者】が「うーん」って感じで動き止めた。

「嘘ならすぐバレるけど、お前の言葉、マジっぽいな……」【拷問者】が席に戻って考え込む。

「分かった、出ていいよ。」


YES!このバカども!魔法頼りすぎるとこういう隙ができるんだよ!アハハハ!


「ちょっと待て。」副官に呼び止められた。


ごめん俺がバカだった!


「出る前に、これ踏め。」副官がスライムの絵を床に置いて、踏めってジェスチャー。


酷すぎだろ。スライム大好きな俺にスライム踏ませるなんて。

俺、自分の心は裏切らねえよ。

絶対踏まねえ!絶対だ!

せめて最後にもう一度、スライム見せてくれよ。

絶望しながら絵を見る。


欧米リアル系のスライム。


「クソッ……」顔が崩れて、副官がビクッとするくらいヤバい顔になった。

俺、その絵の上で片足72回転、ブレイクダンス、タップダンスぶちかました。

「もういいって!出てけ!」副官が慌てて俺を押し出す。

「だからそのアイデア、クソだって言ったろ。」【拷問者】が副官をバカにする。

「黙れよ。」


危ねえ。

***

家に戻って、スライムにフルーツ投げ入れる。

スライムの池持ってるの、いつかバレるよな。

今回は頭単純で魔法信じすぎな奴らだったから助かったけど。

でも事件解決しなかったら、結局俺にたどり着くよな。その時、言い訳できねえよ。


クソッ。


クソ!クソ!せっかく成功目前だったのに!俺、内臓使って研究しただけだよ!

スライムの池で泳ぎたいんだよ!

魚を容器にしてみたいんだよ!

俺……俺……うう、クソッ……


捨てるしかねえか。命は一つしかないし、スライムはまた買えばいい。

でも、替えの効かないスライムって、また買えるのか……?

明日捨てよう。

冷静になれば悲しくねえだろ。

スライムの池見ながら賢者タイム入る。

一回、二回、三回、四回、五回、六回、七回、意識なくなるまでやって、スライムの池をちょっと白く染めた。

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