竜って睡眠にも免疫あるのかな
やっぱり俺は外に出るのに向いてないな!
強くなったからって調子に乗れると思ったけど、毎回予想外のことばっかりだ。
やっぱり誰とも接触しないのが一番安全だ。
車内で変身を解いて、すぐに駅に着いた。店員は竜が出没することに慣れてるみたいで、俺が大騒ぎしてるのを不思議がってる。やっぱり俺があんまり外に出ないせいかな?
駅で余分に一日滞在して、主任が目を覚ますのを待った。
店員がうっかりスライムボックスを厨芥バケツと間違えて、そこでできた焼肉ゼリーが意外と好評だった。
「ここは……」主任が丁寧な看病で目を覚ました。「俺たちまだ生きてるのか?」
「うん、竜にも弱点があって、攻撃したら気を散らせたから、その隙に逃げたんだ。」
主任が驚きと賞賛の目で俺をじっと見て、自慢げに小さく笑った。
「さすが賢者だな!」
賢者タイムってやつだろ。
少し遅れちゃったけど、制御しなくていい馬車に乗って帰路についた。本来主任は向かいに座ると思ったのに、隣に座ってきて、馬車の揺れで肩がぶつかったりして、慣れない感じだ。
村の近くまで来ると、労働者がせっせと建築してるのが見えた。メリスが遠くから俺たちを見つけて、小走りで挨拶に来て、この間の努力の成果を自慢げに見せてくれた。
「見てくれ!スライムテーマパークだ!」
何だこれ!?
「史上初のスライムがテーマの楽園だぞ!」
俺はもう一度何だこれって見た。
「男のニーズだけじゃなくて、女向けのサービスも導入したんだ!」メリスが俺たちを車から降ろして、案内してくれた。
!?
「この小屋のスライムは角質を食べてくれるんだ!」
主任の目がキラキラした。
「こっちの小屋は便秘を治してくれる!」
主任の目がまたキラキラした。
「この小屋はもう完成してて、マッサージとドリンクを提供するよ!」
男を模したスライムがいるけど、いつの間にこんな種類ができたんだ?
「ドリンクの出る場所は自由に選べて、視覚と体の両方で楽しめる饗宴だよ!」
前にやった酒と同じ原理だろ。
「こっちは治療薬水を混ぜてて、密着洗浴しながら体の傷を深く治療できる。清潔と治療が一体化で衛生的で安全!しかも気持ちいいんだ。」
実は俺も試したことあるけど、ちょっと疲れるのが欠点だな。
「そういえば、お前がいない間に外からの客が来てたよ。とりあえずお前の家に置いてあるけど、食費が結構かかるから、お前の給料から引いとくね。」そう言って走り去った。
主任が小さい鏡を出して服を整えて、まるでその外からの客に会う準備をしてるみたいだ。
自慢じゃないけど、俺に親戚や友達なんていないんだから、まず身元確認してくれよ。じゃないと、どこの誰だか分からない奴が俺の家で飯食いまくるじゃん。
主任、お前も眉毛整えるのやめなよ。その外からの客、俺絶対知らないし、知ってても親しくないから。
村を抜けて家に帰る途中、道行く人の視線が俺をじっと見てる。
賢者になってからこういう視線は日常茶飯事だ。
ただ、尊敬以外に、ちょっと嘲るような目つきがあって、最初にゴブリン3匹を押してた頃を思い出す。
「ロリコンだな……」
「見ないで、妊娠しちゃうよ。」
「さすが人間だね!」
何だか分からない、一体何が起きてるんだ?
こんな好奇の視線の中、家に着いた。家の前には夕陽を背にした赤い影が立ってて、シルエットが赤く輝いてる。
「遅すぎ!」赤い影が俺に向かって叫んだ。
「すまん、お前誰?」
「誰って?俺たち交尾した仲だろ!」赤い影は小さくて、俺の腰くらいの高さしかない。
「そんな適当なこと言うなよ!この間ずっと真面目にやってたんだ、証人もいるぞ!」主任が不信そうに俺を睨んだ。
「1、2日前のことだよ!思い出させてやろうか!」影がはっきり見えてきて、赤いセミロングの髪のロリだった。
ロリが両手を胸の前で組んで、不機嫌そうに口を少し開けてる。すぐにでも火を噴きそうで、尖った牙がチラッと光ってる。赤い髪が夕陽に照らされてさらに輝いて、小さい体に似合わない腹がぽっこり膨らんでる。
「光栄に思えよ!お前を私の伴侶に選んだんだから!」ロリが俺を指さして、主任が悔しそうにその様子を見てた。
「竜って睡眠にも免疫あるのかな。」俺が小声で主任に聞いた。
主任が頷いた。
やっぱりな。