二回も!お前、俺をハメやがったな!二回もだよ!
会議中-
「ここじゃ普通、宗教、商業、国家って三つの勢力を基準に活動してるけど、うちの村って珍しい自治領で、宗教も自由だし、独立商会もある特別な場所なんだ。だからこの絶対的な中立を守るために、新興の自由商会と取引しようと思うんだ。」
私の命がヤバいことになってる。
「その商会は俺たちに原料を輸出してくれるよ。鉱石とか木材とか、あと加工品の織物とかね。」
訓練場を通った時、こんな会話が聞こえてきた:
「主任、最近弓矢の練習に力入れてるね?」
「うん、ある人の心を狩るつもりだからね!」
うわっ、その条件に一番当てはまるの私じゃん。主任がトロールを焼き払ったの見た後だと、これ、全然冗談に聞こえないよ。
「俺たちはそっちに主に綿花を輸出するよ。差を埋めるために、あっちでゼリーの試販売もできればってね。」
食堂を通った時、こんな話も耳に入った:
「えっ?鶏の心臓?主任、菜食主義じゃなかったっけ?」
「解禁したよ~目標がある時はしっかり食べないと力出ないからね!」
胸を押さえながら見ると、主任がまるでハンターみたいな目で私をガン見してる。お願いだから変なとこ見ないで、会議に集中してくれよ。
「だから誰か現地に調査に行ってもらう必要があるんだけど、」
「俺俺俺俺俺俺俺!」私がメリスの話を遮って、めっちゃ手を挙げた。
「よし、俺も新商品のアイデアについて話したいから、会議終わったらこの募集掲示をギルドに貼ってきてくれ。」
天が助けてくれたよ!
***
「量産するなら、スライムを繁殖させないとね。」
「うん。」
「数が増えたら餌代も上がるし、主食がアレだし。」
「うん。」
「だからスライムを膜にできないかな。娼館に超薄スライムコンドームを出したいんだ。」
「うん、俺、荷物整理したいんだけど。」
「これなら性労働者の体への負担も減るし、コンドームが自分で戻ってくれば餌の心配もないよ!」
「うん、もう行っていい?」
「でも回収所作らないとだし、まずここの人たちにスライムが便利だって思ってもらわないと……急いでる?」
「うんうんうん、ちょっと急いでる。行っていい?」
「書類に書いてあるから、持ってって。」
書類を受け取って、研究室に戻って荷物をまとめた。
よく考えたら、大したものないな。
スライム服着て出発しよう!
書類見ると、今回の調査は一週間くらいで、全部ギルド持ち。商品開発の特別手当もついてる。
みんなの金で遊ぶの、気持ちいいね。
風俗行くの、気持ちいいね。
みんなの金で風俗行くの、超気持ちいいよ!
でも戻るつもりはないよ、ごめんね。
すぐ翌日に出発だ。ギルドが用意してくれた専用馬車がある。豪華じゃないけど、屋根くらいはあるよ。
じゃあね、メリス、おばちゃん、主任。別れを惜しむ人なんて少ないし、去る時の心理的負担、マジでないね。
最後は御者と一週間の短い友情でも築こうかな。
馬車に乗る時、御者の足が長くて白くて、腰が細い。胸は残念だけど、このスタイルなら飯三杯いける。髪の毛一本拝借しようかな。
フードの下、知ってる顔だ。
「しゅ、主、主任?」
「時間だよ、早く乗って。」
「主任、馬車間違えたよ!」
「間違えてないよ。」
「じゃあ俺が間違えた、ごめん、じゃあね。」
「間違えてない。」主任が私の腕をグイッと引っ張って、心まで掴むみたいにギュッと握った。「随行護衛の募集あったよね。」
二回も!お前、俺をハメやがったな!二回もだよ!
「えっと、じゃあ御者が来るまで待とうよ。」目撃者がいればね。
「私、馬車運転できるよ。御者はクビにした。」主任が「ハイッ」って一声かけて、馬車が動き出した。私はよろけて座っちゃった。
「ていうか二人のが便利でしょ。」主任が勝手に喋ってる。
「今回の二人旅で、君を正しい道に戻してあげるからね。」
主任が歯を見せて、ニカッと笑った。