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寝癖男と田舎の戦闘

間が開くシリーズです。

「おい、最悪ってどういう……」

 私がそう言いかけた時、私の頬を何かが掠めて行った。髪の毛だ。これは寝癖能力による攻撃だ。どうやら戦闘は避けられないらしい。

 髪の毛の束はサラから私の頬まで一直線に伸びている。ありえない長さだ。十メートルは優に超えているだろう。

「気づいているだろうが、サラの能力は典型的な遠距離タイプ。近距離でしか攻撃できないお前と中距離だが決定打に欠ける俺……このまま戦っていてもジリ貧だ」

 小梅は説明を入れながらサラの攻撃を防いでいる。全く、器用な男だ。私の寝癖能力は頭部から巨大な刃を生成し、それを叩きつける。当たれば高威力だが、射程に差がありすぎる。

 サラの攻撃はますます激しさを増し、何度か髪の毛による打撃をもらってしまう。いや、髪の毛による打撃って何だよ。

 一つ朗報があるとすれば、一発一発の威力はせいぜいジャブを喰らう程度。(なお、私はそんなもの喰らったことはない。平和な人間だと解釈してもらおう)致命傷にならないだけ遥かにマシな部類だろう。

 しかし、このままでは小梅の言うとおりジリ貧だろう。それにサラは完全に正気を失っている。説得も恐らくは無意味。

「オイ……これ勝ち目あるのか!?」

 小梅に向かって叫んでみたものの、彼もサラの攻撃を防ぐのに手一杯。もはや手詰まりであろう。ならば私が次に取るべき行動は……打開のための、一か八か。

「小梅!一瞬でいい。私を守る壁を作れ!!」

 寝癖で囲われた空間の中で、寝癖の刃を更に大きく、硬くする。そして大きく頭を振り、地面に激突させる。

「寝癖男……お前、地形を!?」

 そう。私は寝癖で、地面を抉った。水田から大量の水が流れ出し、サラを含め、窪んだ私達の足場はぬかるみ、急激に悪くなる。しかしこっちには、小梅の能力がある。

「小梅、足場を作れ!」

 小梅の能力は、自身の寝癖を押し込むことで地面から硬い壁のような寝癖を生やす。それを壁ではなく足場として解釈することで、私達は圧倒的な地理的有利を得た。

「お前は足場に徹しろ。ここから先は、私がケリをつける」

 さぁ、第二ラウンドだ。

小説で戦闘ってどうやって描けば…

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