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 思えばそうだ

 あの女神の約束なんて守る必要なんてなかったんだ

 わざわざ律儀(りちぎ)に約束を守って苦労したところで俺には何の利益もない

 別に守らなかったとしても罰があるわけでもない



(『鍵』なんて探さなくて良いんだ…)



 若干罪悪感を感じるが肩の荷が少し軽くなった気がする

 あの女神には悪いけど俺は他人のために自分の人生とか命をかけられるほど優しくはない


(と言ってもなにしようかな…フェルンは自分より強くなれとか言ってるけど俺はどちらかというとスローライフをおくつっ……


 ドクン!


 突然心臓に激痛が走った

 誰かに心臓を思いっきり鷲掴みにされているような痛み

 思わす前のめりになる


「く……つっ………」


「……?小僧、どうにかしたか?」


 フェルンが心配してくれているがそれに応える余裕はない


 ズキン!

 今度は頭に激痛が走った


「ぐわぁァァァ……!」


「!小僧!おい!だいじ…ぶ………、お…………」








 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「また会いましたね裕樹さん」


 ハッ、


 聞き覚えのある声で目覚める

 目の前には転生する時に世話になった女神がいた


「お前は……

 ガチャン!

「!」

 見ると手足が十字架に鎖で巻き付けてあり身動きが取れないようになっていた



「この映像記録は『鍵』の約束をやぶろうとした時に発動する様にしておいたのですが…、それを今あなたが見ているって事は約束を破ろうとした、ということになりますね。」


「まぁ……そうだな…」

 何も言い返せない


「まあ、今回は初回ですし許しましょう。()()()………次は無いですからね。」


「……はい」


「次破ったらあなたを殺します」


「………え?」


「神との約束を破るとはそういうことです、あなたもその恐ろしさを身を以て体験したでしょう、ここに来る前に」


「…、ああ、そういうことだったのね……」

 さっきの頭痛と心臓発作みたいな痛みは神との約束を破ったから起きたのか…

 まぁ、2度とあんな痛みはくらいたくないね…


「というわけで死なないためにも頑張ってください」


「…はい……」



「後、ここまで罰について述べてきましたが実は飴もありますよ」


「ん?飴?」


「もし『鍵』を私まで届けたら願いをなんでも1つ叶えましょう」


「………………なんでもって……


「では願いためにもご健闘を…」


「え?、は?ちょっ、まだ聞きたい事が色」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 パチッ


「あ、起きた」

 じゃっかん透けてるフェルンの顔が覗き込んでいる


「大丈夫か?小僧」

 どうやらまた気絶していたみたいだ


「ん…?ああ…」

 生半可な返事をしながら体を起こす


(今のは…)

 映像記録って言ってたけど俺の体に仕込んでおいたってことなのか……?だからあんなに強制的に終わった感じになったのか…

 出来れば能力の事とか聞きたかったんだけどな…


「もう今日は休め、体を壊してしまっては元も子もないぞ」


「………ああ…そうだな……」


(『何でも一つ願いを叶える』ねぇ…)

 ぶっちゃけ興味はない


 ただ…

(死ぬのはまだ嫌だな…)

『鍵』探し怠けたせいで死亡とか死んでも嫌だ

 せめて死ぬならもっとまともな理由で死にたい



「はぁぁあ……………!くっそ〜結局強くなるしかねぇのかぁ〜」


「…ん?」


 弱かったらチート能力も使えない俺は恐らく他の転生者に殺されちまう


 かと言って戦うのを避けて『鍵』探しを辞めれば神との約束を破ったことになって死ぬ


「どうせ引けねぇのなら……はあ…まぁいい、やってやるよ………!」


(どうせ引けねぇんなら…もういい……とことんやってやるよ………力も何も無い一番弱い転生者である俺が…全員ぶっ倒して…最後まで生き残ってやる……!)



「フェルン!」


「お…、おお…どうした?」

 驚いたようで肩をビクン!と震わせる


「俺を強くしてくれないか?」


「………」


「…………」


「………ク…」


「…………?」


「…ク………ハッ……ハッハッハッハッ!」

 フェルンが突然笑い出す


「!?……何で笑ってんだよ…!」


「フ〜いやいや、すまんな。まさかわしの言葉にそこまで感化されるとはなぁ…。まぁ心配するな!言われずともお主を最強にしてやるわい!」


「おお!」


「じゃが…やるからには本気でやるぞ?」


「う……ああ!よろしく頼む!」


「よろしい、じゃあやる気もある事だし…元々休ませる予定じゃったが…善は急げと言う!特訓を早速始めるとするかのう!」


「うっす!お願いしゃす!」











 ……一方その頃



 リベルシア王国の首都ニケロにある小さなバー…


 カランカラン


 赤髪の男が扉を開けて中に入る


「おっ、もう来てたのか」

 カウンター席に座っている男に気づくと赤髪の男…国立ルベニア学園の校長シラドは声をかけた


「…遅いですよ、集合時間から何分過ぎてると思ってるんですか…」

 半ば諦めたような声で答える


「いやぁごめんごめん…って、ていうか…毎回思ってんだけど…そういえば何で敬語?」


「なんでって…まあそりゃ年上ですし…色々助けて貰ったので…」


「…相変わらず謙虚だねぇ〜、()()たった2歳差だよ?もう少し傲慢に生きてみたら?()()()()()()()()()()()様。なんだからさぁ〜」















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