狂
前話のラスト少し変えました!
(やっぱり……お楽しみっていったらやっぱりそうだよな…その男と女同士…だよな……、男同士…じゃないよな…)
武道場まで移動している間そんなことばっかり考えてしまった
(いや…でも変わり者…らしいから…性癖が変とかそんな感じ……かな…?許容出来る範囲な事を祈るけど…)
(てか性癖以前に美人じゃなけゃやだな…あの…誰だっけ…俺を起こしに来た先生…えと…名前は…ジル先生…だったかな。あの人とかアイシャぐらい美人だったら…)
(まぁあとできれば…胸は……
「着いたよ、ここが武道場」
「え!ん?あ、はい」
ガラガラガラ…
先生が扉を開ける
中に誰かいるのが見える
「さっ、入った入った」
武道場の中に入る
(あれは……
「んじゃっ、頑張ってね~、さよなら~」
ガラガラガラー!
(!?)
そう言うと先生は扉を勢い良く閉めた
「えっなん
「よぉ……お前が新人か…」
「!」
(お………男……し、しかも……オジサン…………終わっ…た…)
「俺との鍛錬について説明する。ひたすら一対一。以上、お終い。何か教える気はない。勝手に見て学べ。アドバイスはする。勝手に反省しろ。」
少し気怠そうに喋ると男は体を構えた
(!…一対一って……戦う方か……そりゃそうか…武道場だもんな……予想が外れて良かった良かった……そんな武道場でエロい事をするわけないんもんな…)
少しほっとした
が、
次の瞬間、
「気を抜きすぎだ……」
「え…?」
気づくと目の前に先生がいた
そして、
ドッ
腹部に思いっきり拳をいれられる
「カッ……………………ゲホッ…………」
痛みで体がよろける
よろけたところにもう一度頭に一撃、拳をいれられる
体がおもっいきり顔面から床にたたき付けられる
「ア……………………カ………………………………………」
………耳鳴りがひどくて何も聞こえない……
……………視界がぼやけて何も見えない………
…………………何も考えられない…………………………
………………………ただだんだんと意識が薄れていていく………のを感じ…………………る…………………………………………………………………
…………………………………………………………………………………………………………
パチッ
目が覚める
(武道場か…ここは……)
夜になって武道場には月明かりだけが差し込んでいた
どうやら気絶されたれたあとそのまま夜までほったらかしにされていたようだ
「……ハァ…………まじでいくら何でもここ数日で気絶されすぎだろ」
そんな独り言が思わず漏れてしまう
「ったく……フェルンの奴だって俺がボコられてるのに力の一つ貸してくれないし…一体
「仕方ないじゃろ、お主があんなに雑魚だと思っていなかったんだから」
フェルンの声が急に聞こえる
「うわっ、いたのか」
「『うわ』とはなんじゃ、『うわ』とは」
「いや急に声聞こえたから驚いて………てかまじで今までお前何してた!先生と話してる時だって無言だったしよ…」
「………フッフッフッ、そう怒ることなかれ」
フェルンは何故か得意げな様子だ
「わしはお主が寝ている間、お主の精神と肉体を徹底的に研究した!」
「え……えぇ……?」
思わず困惑した声を上げてしまったがフェルンは気にせずに続ける
「そしてある重大な発見をした!」
「お……おぉ…」
「それは………」
「お主が魔力を殆ど使えない理由じゃ!」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………」
「……………?」
「いや!割と凄くね!?」
思わず起き上がる
「じゃろ?」
「それでそれで?何が原因だったんだ?」
魔力がちゃんと使えるようになるかも知れないという期待で興奮してしまう
「それはな…………」
俺の食いつきが良かったらしくフェルンもさっきに比べてさらに誇らしげだ
「…お主の内在人格が邪魔をしている!じゃ」
「…………????」
「…まぁ分かりやすく説明しよう。以前、お主に精神の中で侵入出来ない場所が有ることを話したじゃろ?」
「あぁ、たしか記憶を失う前の俺の人格である可能性が高いんだっけ?」
(まぁ、嘘なんだけど…)
「そうじゃ、まぁ一旦それを内在人格と呼ぶことにしよう。わしは今回それを出来る限り詳しく調べた。」
「するとなんと調査していくうちにその内在人格がお主の魔力に制限をかけている事が分かった!」
「!?は?なんで?」
(ごめん、元々魔力がないだけです……)
「それは分からん、だがお主の味方で無いことは確かじゃな、魔力出力と違って魔力保持量を制限する利点などないからな。」
「ふーん」
(なんか嘘で凄い話まで進んじゃったな…)
「まぁ、恐ろしい話では有るな。自分の体の中に敵対している奴がいるなど。」
「まぁ、そりゃ…」
(………本当にいたらね…)
「じゃが、逆に言えば其奴の制限が弱まれば使用出来る魔力が増える。と言うことにならんか?」
「ん?」
「まぁ、体感した方が早いの」
そう言うとフェルンは急に黙った
「…………」
「…………」
「………………………よく分からんけど………大丈夫?」
「…………」
どうやら集中しているようだ
(フェルンには申し訳ないけど……俺の魔力が増えるわけ無いんだよなぁ……制限どうこうの前に記憶喪失でもなんでも無いから……)
(まぁ、少ししたら諦めて出てく………………)
……………何だこの感覚は……………
なにかで無双した時のような…
みんな出来なかった事が自分だけ出来るようになった時のような…
涼しい追い風の中を走った時のような…
やる気に満ちていた時のような…
感覚に似ているがそのどれとも少し違っているような全能感が込み上げてくる
「これが魔力……」
炎を纏っているような水を纏っているような感覚
試しに少し手に集中力を集めてみる
すると手の周りの透明な燃えている水のような物の量が増え炎の激しさを増した
「これが俺の魔力…」
初めて見た自分の魔力
全能感からなのかとても強力な物のように思える
これで何でも出来そうだった
「おいフェルン、魔力ってどうやったら…
「ハッ………ハッ…………ハッ…………………………ハァ……」
「フェルン?」
「ハァ……ハァ……ハァ……なん………じゃ?…………スハァ……ハァ」
めちゃくちゃ息が上がっている
「フェルン大丈夫か?」
「ス……ハァ……なん………ハァとか………ハァな……ス……ハァハァハァ」
(ヤバいかもな………これ以上やらせたら………)
「フェルン、一旦辞めよう…これ以上は危ない」
「ハァ……ハァ……す……まん……な………ハァ」
スススススス………………
魔力が一気に凪いでいくのをかんじる
「大丈夫か?」
「ハァ……ハァ……………ハァ………………………ハァ……ギリ………」
かなり疲れているようで声に覇気が無い
「ハァ………ハァ……これで分かったじゃろ?…ハァ…」
「でもこの戦法はお前が………」
「今回みたいに……ハァ……数十から数分間なら問題無い…ハァ……」
「でも……」
自分のために誰かが犠牲になるのは………
「申し訳ない……じゃろ?」
「!?」
「申し訳ない……ハァ……と思うのならお主が誰よりも強くなれ……」
「!?」
「お主が誰よりも強くなればこんな事をせずとも敵を倒せるようになる……ハァ…」
「じゃからお主がまずわしより強くなるまで二度とわしの心配などするでない……お主はまず人の心配よりも自分の心配をしろ……雑魚の心配などただの耳障りでしかない」
「……」
何も言い返せなかった
「ま、お主にとってちょうど良いのではないか?生きる目的が見つかって」
「ん?」
「お主、多分じゃが何かになりたいとか何を成し遂げたいとか特にないじゃろ?」
「俺は……」
別に無いわけじゃない
『鍵』を女神のところまで届けなけゃいけない
届けなかったら俺は……………………………
別にどうにもならなくね?




