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内在人格

『それにしても……久しぶりに人に取り憑いたが…やはり乗っ取るなら人に限るな…低知能の魔物などもう二度とごめんじゃな………小僧、感謝するぞ』


 背筋を伸ばしながらフェルンは言う


「ああ……、はい……、ありがとう……ございます……」


『そして小僧、すまんな』

「!」


『お前の肉体を乗っ取る』


 そう言うといなやフェルンの姿は消え、何かが俺の頭の中に入っていくのが見えた


「!?まずくないかこれ!」


 だが次の瞬間、


 バチィィィッン


 何かが弾かれたような鈍い音がした

「!?」


 バチィィィィッン


 再び鈍い音がする


『…………どういう……ことじゃ…、こんなこと………今まで………』


 フェルンの声が頭の中で響く


『……わしの力が………いやそれは……………そしたら…この小僧の…………いや…試してみないと…………』


 どうやら意識を乗っ取れず混乱しているようだ


(よく分かんねぇけど、この感じだと先生の目論みは当たっ


『眠れ』


 て…………………………ッ………


 ドサッ








 ハッ


 ガバッ


(………ここは…どこだ?)


 目覚めるとそこは何もない真っ白な世界だった

 いや正確には俺の目の前にフェルンが座っていてそれ以外何もない世界だった

 フェルンは銀色の髪を持ち、白い角を頭の片側から生やしていた

 また顔は少し子供っぽいが大人を感じさせるような顔立ちをしていて、いわゆる美人と言われるような雰囲気だった

 そして服は全身黒のドレスのような衣装を着ていた


「やっと起きたか、遅かったのう」

 フェルンがこちらに気づいたようだ


「おい…、ここは…いったいどこなんだ」


「お主の精神世界、じゃな、わしが管理しておるが」


「精神世界?」


「言わば夢の中みたいな物よ」


「ふ~ん、じゃあ聞くけど何で俺をここに呼んだんだ?お前が呼んだから俺は今、精神世界とか言うよく分からん場所にいるんだろ?」


「………一つ……質問がある」


「なんだ?」


「お主……一体何者だ?」


「ん?」


「わしの肉体を乗っ取る能力はその肉体を宿主とする全ての精神に侵入することで発動出来るが……お主の精神でどうしても侵入することが出来ない領域があった…。通常の人間……、つまりお主のような弱い人間ならわしが侵入出きずに負けるなんてことは絶対にない。これは確信を持って言える。だから、聞く。お主は一体何者だ?」


「何者って言われても……」

(転生者であることは…一応黙ってよう)


「ただの記憶喪失した男…としか」


「記憶喪失…………か……………それなら一応有り得るか…」


「どういうことだ?」


「お主の記憶が無くなる前、つまりこの肉体に元々いた人間はわしより強かった…そして其奴の精神の一部が肉体に残っている…ということじゃ」


「へ、へぇ~」

(凄い勘違いを生んじゃったな…)


「しかし…そのような強靱な肉体なここまで弱体化するものか?………」

(!ヤバイ!これ以上質問されたら多分嘘ばれる!)


「あ、あのぉ~そろそろ現実に帰りたいんだけどぉ~」

(頼む頼む頼む!)


「ん?あぁすまなかったな、すぐに目覚めさせてやる」

(ほっ)


「ありがとな」


「あぁそうだ」

(!)


「お主、名前は?」

(ほっ)


「ユーリ・グレイスだ」


「ユーリか…これから世話になる」


「え?世話って……?」




『目覚めよ』



 ハッ


「あ、起きた」

 先生の声がする


「ここは…保健室か」

 どうやら地下室で眠らされて倒れた後、先生に保健室まで運ばれたらしい


「気分は…大丈夫そ?」


「まぁ、眠らされただけだったんで全然大丈夫ですよ」


「眠らされたってフェルンに?」


「はい、夢の中で色々話聞かれました…あ、でも最後に妙なこと言われて…」


「妙なこと?」


「世話になるって」


「ふッ、随分と律儀な神だな」


「???どういう??」


「あれ、君フェルンとの関係どんなの想像してる?」


「お前に力をくれてやる代わりに寿命何年よこせ的な…」


「いやいや、ないない、そんな関係にはならないと思うよ」


「…何でだよ…、相手は邪神とか言われてるやつだぜ」


「まぁ、確かにそういう関係ならない保証はないけど、君とフェルンはすでに運命共同体だからね」


「?」


「フェルンは今、君の肉体に取り憑いている状態にある。つまり君が死ねばフェルンの魂も行き場を失って死ぬ。だからフェルンは君が死なないように手助けしてくれると思うよ、君が死ぬと自分も死んじゃうからね」


「でもそれってフェルンからしたら俺の肉体から出て他の人に取り憑けば解決しませんか」


「いやいや、そこはご心配なく……寝てる間に君に封印、まぁ結界かけといたからフェルンが君の所を勝手に離れることは出来ないと思うよ」


「ふ~ん」

 この人はこう見えて以外としっかりしているのかもしれない


「あ、一言(ひとこと)言うの忘れてた」


(……全然そんなことないのかもしれない…………)


「何があってもフェルンの事は他人に話すな」


「!?」


「この大陸では聖洋教って言うクソ宗教がすごい広く信じられてるんだけど…、その教義?信条?がさ、魔物・魔獣・魔族は絶対的邪悪!クソ!。みたいな感じなんだよね」


「だからそいつらの前で邪神フェルンとかいう邪悪の権化みたいなやつに取り憑かれてますっ!って言ってみ?ぶっ殺されるよ」


(まぁ…、人に言っても狂人だと思われてどうせ誰も信じないだろうから元々喋る予定も無いけどな…)


「あ、ちなみに君のこと教える先生も君が取り憑かれてる事知らないから頑張って誤魔化してね」


「??先生が教えてくれんじゃないですか?」


「いや~元々その予定だったんだけど…ちょっと別で用事入っちゃってさ~。ま、1週間ちょいで戻ってくるし僕もその先生もやる事変わんないからあんま心配しなくていいよ」


「…その先生ってどんな人?」


「う~ん………ちょっと変わり者…いやそれは鍛錬の内容のせいか………なんて言うか…まぁ……見た方っていうか体感した方が早いよ」


(…変わり者…ちょっとやだな………ん?……………鍛錬のせい?体感?なんか妙なワードが聞こえたような………)

「…その………鍛錬って何するんですか?」

(鍛錬……異世界転生の魔力…精力とかの訓練っていったらやっぱり少しエロい物を想像してしま…いや…落ち着け元々先生がやる予定だったんだから違うに決まって………げ……もしかしてBL的なそうゆうやつだった?だとしたら助かった~、先生に予定が入って………って何で俺はエロいことをする前提で話を進めてんだよ!って言ってもちょっと期待しちゃうな…BL以外で頼むけど…)


「ん~、それは現地についてからのお楽しみって事で」

(……!…めっちゃ()らすやん…でも、その、お楽しみって事はそう言う…)


「まぁここで喋ってても始まんないし取りあえず武道場移動しよっか」











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