【特典SS】パッパとブラッド(ショート)
パッパとブラッド。未来の義父と娘婿が男同士の話をしている。
「ときにブラッド君。本当のところ、イローナのどこを気に入っている?」
「えっ。それは、そのー。しっかりしてるのに、たまに見せる弱いところとか」
「ふむ、意外性か。分かる分かる。で、他には?」
「とにかくかわいいですよね。いつもオシャレにしてるし。それに柔らかそうだし」
「自分にないものに惹かれるな。分かる。男は柔らかいところが少ないから」
パッパはふくよかなお腹をたゆんと揺らした。ブラッドはパッパのお腹から目をそらす。
「いつもはツーンとしてるのに、ミリーのことになるとデレるとことか」
「ツンデレは至宝。かわいいは正義。イローナ最強伝説」
パッパは親バカだ。ブラッドも嫁バカになりそうな片鱗を見せている。息が合うかもしれない。
「商売っ気があるところも、頼もしいなって。私は商売についてはからきしなので」
「分かってるねー。そう、イローナは最高の商売人なのだよ。先見の明がある」
パッパはニコニコと笑った。
「君とはよい関係を築けそうだ。イローナをよろしく頼むよ」
「はい、お義父さん」
パッパとブラッドは固く手を握り合った。
「でも、結婚するまでは手を出さないように」
パッパはビシッと言った。そこは譲れない。だって父親だもの。




