表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【コミックス第1巻発売中!】 神様なんか信じてないけど、【神の奇跡】はぶん回す ~自分勝手に魔法を増やして、異世界で無双する(予定)~ 【第五回アース・スターノベル大賞入選】  作者: リウト銃士
第5章 魔法学院高等部の”神々の遣わし者”

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

267/313

第266話 長距離通信の始まり




 風の2の月、4の週の火の日。

 魔法学院、グラウンド。

 ミカはレーヴタイン組の皆に包囲されていた。


「どらぁっ!」


 ムールトの振り下ろす鎚矛(メイス)を素早く躱し、ナマクラ様で軽く足首を叩く。

 横からポルナードに小剣(スモールソード)で突かれるが、それも躱す。


「このっ、ちょこまかとっ!」


 足首を叩かれたムールトが背後に回ったミカに悪態をつくが、すでにそこにもミカの姿はない。

 包囲していたレーヴタイン組を一人ずつ片付け、ミカは全員を討ち取った。


「はい、ここまでー。」


 ミカがそう言うと、全員が溜息をつく。


 レーヴタイン組の皆が、ミカに反旗を翻した。

 それを返り討ちに…………という訳ではなく、ただのお遊びである。

 まあ、当たったら死にかねない勢いで鎚矛(メイス)を振る奴もいたけどな!


「ミカ、本当に【身体強化】使ってないの? ……動きがあり得ないんだけど。」


 呆れたようにメサーライトが言う。


「マジ(モン)のあり得ない動きをする人を知ってるけど、こんなもんじゃないよ? 僕は単に無駄な動きを減らしたり、位置関係(ポジショニング)に気をつけてるだけだから。」


 包囲された時、相手が重なるような位置に立てば、奥に立つ人は攻撃ができない。

 複数の相手の間合いに入らないように動き、とにかく逃げ回る。

 そうして逃げながら、確実に手傷を負わせていくのが、基本的な立ち回りだ。

 相手を倒すことは()()()で、自分がダメージを受けないことを最優先に。

 まあ、そんなのは魔力範囲がなければ、ミカにもできない芸当だが。


 ミカはナマクラ様で肩をトントンと叩き、レーヴタイン組の皆に一人ずつアドバイスする。


「メサーライトは距離を取り過ぎ、もう一歩前に出ないと攻撃するべきタイミングで攻撃できないよ。 一歩分のタイミングの遅れで、攻撃が間に合ってない。 ツェシーリアは攻撃しすぎ。 もうちょい守れや、お前は。 どんだけ殴りたいんだよ。」

「煩いわねっ! いつもはもっと考えてるわよっ!」


 ミカの指摘にツェシーリアが膨れた。

 今日はいつも以上に殴りたかったらしい。

 なぜ?


「チャールとポルナードは、もうちょっと踏み込もうな。 そんなおっかなびっくりじゃなくていいから。」

「う、うん。」

「……はい……。」


 この二人は、防具もつけてない訓練で、思いっきり攻撃をするのを躊躇っているのだろう。

 基本的に優しいからね。

 ツェシーリアは、この二人の爪の垢を煎じて飲むといいよ。


「ムールトは…………もう少しコンパクトに行こうか。 一撃必殺はいいけど、当たらなきゃ意味ないだろ?」

「うっ……うるせえっ……!」


 思いっきりはいいのだが、すべてが必殺の一撃(クリティカル)狙い。

 三振かホームランかという、超強打者(スラッガー)タイプだ。

 野球で打率四割の四番打者でも、裏を返せば六割は打てていないということ。

 そんなのを戦場でやっても、必殺の一撃を当てる前に自分が死ぬ。


 そうして、にこにことミカを見るリムリーシェとクレイリア。

 自分にはどんなアドバイスがあるのか、と期待している目だ。

 ミカは思わず半目になる。


「二人には…………何も言うことはない。」

「ええーーーーーーっ!?」

「ずるいです、ミカッ! どうしてアドバイスしてくれないのですかっ!」


 期待に反して何もアドバイスしないミカに抗議の声が上がる。

 リムリーシェは、オズエンドルワが指導してくれていた。

 たまに見てくれるだけだが、その時々の動きで直すべき点や伸ばすべき点を指導している。

 ミカが横から余計なこと言って、オズエンドルワの指導の邪魔をする訳にはいかない。

 後が怖いし。


 そして、クレイリアもレーヴタイン家の騎士たちが指導している。

 本職が指導しているというのに、ミカが余計なことを言っても妨げになるだけだ。

 何より、後ろに控えるムスタージフがジト目でミカを見ていた。

 余計な口を出すな、と如実に顔に書いてある。


 ミカはナマクラ様を魔法具の袋に仕舞い、学院のローブを引っ張り出す。

 それを見て、クレイリアが少し表情を曇らせた。


「もう、行ってしまうのですか?」

「ごめん。 この後ちょっと用事があって。」


 そうして、授業の途中だけど早退させてもらう。

 基本的には学院に通うが、こうして途中で抜けることはたびたびある。

 学院長の許可が出ているので、講師も何も言わない。

 何より、学院内でもミカ=”神々の遣わし者(アポストル)”というのはバレてしまっている。

 そんなミカに容赦なく鎚矛(メイス)で殴りかかって来る友人たちは、これまでに築き上げてきた絆の証と思うべきか、積年の恨みか。

 判断の難しいところだろう。


(まあ、遠慮がいらないと思えば、有難いか。)


 すでにミカは、グローノワ帝国の第二次侵攻の戦いにおける功績により、二つ目の銀勲章の受勲が内定している。

 帝国の【神の怒り】を封じたことで、全軍が戦える状況を作り出した。

 作戦を立案、遂行したことで、軍務省が戦功の第一位として推してくれているらしい。

 そんなミカに、遠慮しないで接してくれる人は少ない。

 今や学院の講師でさえ、ミカには遠慮してくるほどだ。


 そんな訳で、いちいち説明しなくても「何か重要な任務に就いている」と学院は解釈してくれる。

 …………完全な私用なんですけどね、今日は。







 ミカは第二街区の食堂に入った。

 ちょっとお高いお店である。


「お待たせしました、チレンスタさん。」

「いや、こっちこそ忙しいところ悪いね。」


 食堂の奥に設えた席。

 衝立を置き、周囲の目からは遮られた場所が作られていた。

 人目を避けなければならないほどではないが、周りが気にならない程度に場を整えてもらったのだ。


 今朝、情報屋ギルドのレブランテスから、チレンスタからコンタクトがあったことを伝えられた。

 いつでもいいので、時間を作って欲しい、と。

 なので、レブランテスに言って、早速場所を設けさせた。

 本当にコンシェルジュだね、レブランテスって。


 ミカは奥側の席に着きながら微笑む。


「お久しぶりですね。 いつ以来でしたっけ。」

「そうだな……偽物事件以来だから、もう二年になるか。」

「あぁー……、もうそんなになるのかぁ。」


 月日が経つのは早いものだね。

 おっさんくさいけど。


「それで、何か相談があるとのことでしたが。」

「ああ、実はそうなんだ。 ちょっと私だけではどうにもならなくてね。 ミカ君の知恵を貸してもらいたいんだ……。」


 チレンスタが疲れた表情で溜息をつく。

 どうやら、大分困っているらしい。


 そうしてチレンスタが話し始めたのは、王都襲撃事件のことだった。

 第五騎士団からの応援要請。

 しかし、その応援要請は叶えられなかった。

 ギルド本部は応援を決定したが、その決定が各支部に届くことがなかったために。


 ギルドの指示などなくても、冒険者たちは各自の判断で魔獣に立ち向かった者や、逃げ惑う人たちの避難や救助にあたった者など、対応は様々だ。

 概ね、自分たちのできる範囲で皆があの困難に立ち向かっていた。

 それは、賞賛されるべきこと。

 ()()()()


「…………その話は僕も聞きました。 まあ、仕方のない部分もあると思いますけどね。 あの規模の襲撃を予想しろと言われても、中々難しいと思います。」

「確かに、それはそうだと私も思う。 しかし、それを言い訳にはできない。 実際、それぞれの冒険者たちは、状況に見事に対応してくれた。 ……何もできなかったのは、ギルドだけなんだ。」


 決定を伝える連絡員は出した。

 そこで、ギルド本部は安心してしまった。

 そのため、本部からの連絡が各支部に届いていないと知ったのは、魔獣が討伐された遥か後だったのだ。


 チレンスタが難しい顔でミカに紙を差し出す。


「この問題に対応するため、連絡体制を見直すことになった。 本部から王都内の第一第二支部への伝達方法と、王国の各支部への伝達方法だ。」


 ミカは差し出された紙を受け取り、ざっと眺める。

 王都内の、ギルド本部から各支部へのルート候補を描いた物だ。

 最短を調べたものと、大回りにもいくつか候補が記されている。


「非常時ではどのルートが通れるか、(ある)いは通れないのか判断が難しい。 そのため、複数の連絡員を、それぞれ異なるルートを使って支部に向かわせる。」

「力技ですが、悪い方法ではないと思います。 この方法なら、少なくとも前回の例では第一支部には連絡が届いてた可能性が高いと思います。」

「そうだな。 私もそう思う。 ……しかし、これでも第二支部には連絡が届いていたかどうか。」


 単純に、道が人に塞がれてしまったのだ。

 全員が立ち往生という可能性もあり得る。


「屋根の上を走るとかはどうです? 実際、そんな人がいましたよ。」


 ヤロイバロフとか、ヤロイバロフとか、ヤロイバロフとか。

 しかし、チレンスタは首を振る。


「案の一つとしては入れられるが、おそらく実現は不可能だろう。 まず、そんな芸当ができる者の確保が難しい。 そして、そんな者を無駄に待機させ続ける予算が……。」


 極端な話、連絡員として毎日ミカを雇い続けるとしたら幾らになる?という計算が必要になる訳だ。

 この先何年も雇って、一度も使わなかったよ、となる可能性が高い。

 確かに現実的な方法ではないだろう。


「まあ、王都内に関しては連絡員を増やす方法が現実的な案だと思っている。なので、そっちはまだいいんだ。 そっちはな……。」


 そう言ってチレンスタが肩を落とす。


「問題は、王国内の支部に伝達する方法なんだ。 ギルド長からの前提条件として、一日以内に、王国の三カ所で発生した非常事態を、すべての支部に伝達する方法を考えるように、と言われたよ。」

「あはははっ、自分でやってみろって言い返せばいいですよ。」


 ミカは笑い飛ばした。

 そんなミカを見て、チレンスタが苦笑する。


「私もそう言いたいところだったがね。 まあ、考えるだけ考えてみようと思ったのだが……。」


 そう言って、両手を挙げる。

 降参してしまったらしい。


「国が前線のレーヴタイン領での開戦を伝達するのも、早馬網を使って二日を要している。 実質この数倍の速さが必要だ。」


 既存の手法ではまず無理だろう。

 まったく新しい考え方か、まったく新しい技術が必要だ。

 しかし……。


(情報伝達なんて、現代ならいくらでも方法があるんだけどな。 有線でも無線でも。 光通信、電気信号、電波。)


 しかし、残念なお知らせ。

 仕組みがさっぱり分からない。


(電気を利用する方法が分からないからなあ。)


 電気を生み出し、蓄える仕組みだけでは不十分。

 単純なモールス信号を送る発信機も受信機も、作れる気がしない。


 ミカは腕を組み、考える。

 もっと原始的な方法で、速く情報を送る方法はないだろうか。


(狼煙とかは、この世界でもあるにはある。 ていうか、【神の奇跡】で【信号弾】があるからね。)


 しかし、これでは単純な合図以上の意味を持たせるのは難しい。

 それ以上の情報を送るには……。


「手旗信号や旗信号なんてどうでしょう?」


 ギルド本部の屋上など、高い場所で旗信号を掲げたり、手旗信号を送る。

 それを王都の支部の近くで、やはり高い建物の屋上で確認する。

 ミカの案を聞き、チレンスタが驚いた顔になった。

 だが、その後難しい顔になり、考え込む。


「……しかし、そんな距離の旗を、どうやって見るんだい? とてもじゃないが、どんな旗が揚がったかなんて判別できないだろう。」


 ギルド本部から第一支部までは二キロメートルらしい。

 この距離でも厳しいが、第二支部に至っては五キロメートルを超えるそうだ。

 しかも、間に王城を挟んで、だ。


「中継地点を設けるのが一つ。 もう一つが、望遠鏡です。」


 ミカは、チレンスタの疑問の解決策を提示する。

 二キロメートルを視認できないなら、途中の中間地点に信号の内容を中継させればいい。

 それでも見えないなら、もっと中継地点を増やせばいい。

 ギルド職員に、信号を見張ったり中継する、『信号番』とでも呼ぶような当番を作れば解決する。

 特殊な技術者として養成してもいいが、できればギルド職員なら誰でもできるような状況を作ることが望ましいだろう。


「望遠鏡というのは、こんな感じのレンズを組み合わせて遠くの物が見やすくなるようにするための道具ですね。」


 そう言ってミカは小さな”水球(ウォーターボール)”を作り、凸レンズのように引き延ばす。

 ミカは伸ばしたり縮めたりして、拡大の仕方を目の前で変化させる。

 チレンスタは、ぽかんと口を半開きにして、即席のレンズを凝視した。


「光の屈折率…………と言っても難しいかもしれませんが、ガラスをこうして丸みのある形にすると、遠くの物が拡大されて見えます。」


 この国には、まだ望遠鏡がない。

 なので、ギルドの豊富な資金力を使って、膨大な数の試作品を作ってみたらいいんじゃないかな。


 ミカは旗信号で使う旗の、必要な種類や、気をつけるべき点などを伝えた。

 一つの文字にそれぞれ対応する旗を用意し、見て紛らわしい形状や配色は避ける。


「特定の組み合わせで意味を持たせたりすると、かなりの情報を伝えることもできますよ。」


 そうして、ミカからの話を聞き取るチレンスタが、頭痛を起こすくらいに必要な知識を詰め込む。

 あまりいろいろやれるようにすると、決めなくてはならないルールが膨大になってしまう。

 シンプルに、本当に必要なものと不要なものを分けなくてはならない。

 きっと、たたき台になる草案ですら、チレンスタがしばらく寝不足になるくらいは大変だろう。


「これは、長距離通信の革命になりますよ。 いえ、新たな概念の誕生と言うべき偉業です。 頑張ってくださいね。」


 そう、ミカはにっこりと笑いかける。

 チレンスタは、引き攣った笑顔を返してきた。







■■■■■■







【グローノワ帝国 地方都市 大聖堂】


「祈りが足りませんねー。 もっと真剣に祈りなさいー。」


 ”(イーグニス)”は司教服を身に纏い、礼拝堂で聖職者たちに説教をくれていた。


「先の戦いの敗北がー、何よりの証拠ですー。 悔い改めよー。」


 威厳も何もない”火”の言葉だが、跪いた聖職者たちは俯き涙を浮かべる。

 ”(フムス)”の【操りの糸】のおかげで、”神の子(フィリウス・デイ)”の言葉は神の言葉に等しい。

 彼らにとっては。


「うう……、私の祈りが足りないばかりに……。」

「私は悔しい……。 なぜもっと、真剣に祈りを捧げなかったのかと……。」


 口々に後悔を吐露する聖職者たちに、”火”は内心大爆笑だった。


「ぷっくく…………ふ、冬にはー、教皇帝陛下が帝国中を巡りー、すべての敬虔な信者たちを慰撫されますー。」


 一大イベントが控えている。

 しっかりと準備しなくてはならない。


「すべての信者を集めー、陛下をお迎えするのですー。」

「勿論でございます。」

「特使の仰せのままに。」


 聖職者たちの反応を眺め、”火”は満足そうに頷く。

 そうして、礼拝堂を出て馬車に向かう。

 そんな”火”に、涙を拭って司教が慌てて付き従う。


「ご苦労様でした、特使。」

「これくらいー、大したことじゃないよー。」


 帝国中を巡るなど、”火”にとっては大したことではない。

 それも、”土”と担当する教区を分けているのだ。

 ”火”にとって、この帝国巡りで苦労することなど、食事だけである。

 サボってアム・タスト通商連合に食べに行こうかと、何度思ったことか。


 ”火”は馬車に乗り込み、座席に腰掛けた。


「じゃー、あとよろしくねー。」

「はい。 …………あの、特使。」


 司教は馬車のドアを閉める手を躊躇い、”火”に尋ねる。


「んー、なにー?」


 ”火”が聞き返すが、司教は言い淀んでいた。

 だが、意を決したのか、真っ直ぐに”火”を見る。


「あの噂は……本当でございますか。」


 そう問いかけられた”火”は、口の端を上げる。


「司教、一つ確認したいのだが……。 それは、本当に聞かなくてはならないことか? よく考えよ。」


 それまでの軽い口調から一転、底冷えする声で”火”が答える。

 それを聞き、司教は震えあがった。


「も、申し訳ありませんでしたっ。」


 その場に跪き、謝罪する司教。

 だが、”火”は冷ややかな目で司教を見つめる。


「…………貴方は、あまり()()()()()()()()()?」

「そ、そんなことは、決してっ……。」


 ”火”の問いに、司教は震えながら答えた。

 その様子に、”火”は僅かに考える。


「貴方は、これから毎日赤酒を倍の量飲みなさい。 赤酒は、とても重要ですよ。」

「は、はいっ。」

「よろしい。 閉めよ。」


 ”火”が命じると、司教は急いで立ち上がり、馬車のドアを閉めた。

 そうして、すぐに馬車は出発した。


「効きが悪いのかなー。」


 ガタガタと揺れる馬車の中で、”火”がそんなことを呟く。


 どうしても、【操りの糸】の効きやすい人効きにくい人など、個人差が出てしまう。

 下っ端ならそれでも同調圧力で流されてくれるが、教区のトップが効いていないというのはあまり良い状況ではない。

 とりあえず倍量で飲ませ、これでもだめなら交代させる必要がある。


「要チェックだねー。」


 まあ、ここまで計画が進めば、これも大した問題にはならない。

 ”(ルーメン)”の訪問の時に最終確認を行い、その時にいまいち効いていなければ交代させればいいだけだ。


 ”火”は足を組み、馬車の外を眺めた。

 次は領主の館に向かい、領主にもよく言い聞かせなくてはならない。


 計画の最終段階が近い。

 ”神の子(フィリウス・デイ)”の、長きに渡る願いの成就。


「もうすぐだねー。 楽しみー。」


 そう”火”は呟き、遠くに見えてきた領主の館を、冷たい目で見つめるのだった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 望遠鏡的な物がないのはびっくりした。 【異世界】の文明的な設定なんだけど、魔法袋のんて便利なものがあるので、なんかそのくらいならあると思ってた。
[気になる点] え、拡大鏡すら無いような文明レベルだったのか……マジ?
[一言] 旗信号より鏡灯を利用した回光通信の方が効果的ではないでしょうか? 鏡を作ったり銀をきれいに磨いて反射鏡を作れば、鏡面積1インチ(2.54cm)当たり約10マイル(16km)の通信距離が確保で…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ