第118話 閑話 謎の少女を追え
【シェスバーノ視点】
王都の酒場。
歓楽街から少し離れた場末感漂う店で、シェスバーノは一人で火酒を飲んでいた。
火が点くほどに強い酒をロクに割もしないで飲むシェスバーノは、木の実の盛り合わせを齧りながら昔馴染みの男を待っていた。
テーブルの上のグラスには、残りが少なくなった火酒。
シェスバーノはぐいっと飲み干すと、お代わりをマスターに注文する。
「相変わらず火酒飲んでるのか。 早死にするぞ?」
そこに、冒険者風のガタイのいい男がやってくる。
男は防具こそ身につけていないが、腰には剣を佩いていた。
ベテランの風格を持つその冒険者風の男は、シェスバーノと拳をゴツンと合わせる。
そして、向かいに座るとエール酒を注文した。
「中々沁みて来ねえんだよ。 お前こそよくそんなしょんべんみたいなもん飲めるな。」
「おいおい、よせよ。」
男が苦笑いする。
男はテーブルに置かれた木の実の盛り合わせを、ひょいと摘まむと口に放り込み、シェスバーノに尋ねる。
「お前が呼び出すなんて珍しいじゃないか。 いつ振りだ?」
「あー、いつだったかな。 もう四~五年くらいになるか。」
届いた酒を受け取ると、男は燻製肉を注文する。
シェスバーノと男は軽くグラスを合わせて酒を飲むと、ぷはぁーっと息を吐く。
「それで、何か用事があるんだろ? …………あ、ようやく騎士を辞める気になったか!」
立ちんぼ、は娼婦を表す言葉だが、街の警備で立っている兵士や騎士を揶揄する言葉としても使われていた。
「馬鹿言うな。 ちょっと聞きたいことがあるんだよ。」
「聞きたいことぉ?」
「ああ。」
シェスバーノは呟き、ぐいっと火酒を呷った。
■■■■■■
第五騎士団詰所、団長室。
シェスバーノは合成魔獣との闘いの後、モデッセの森の捜索を中断し、団長であるオズエンドルワに報告していた。
突然現れた二体の合成魔獣。
その合成魔獣のうちの一体を、たった一人で倒してみせた少女。
そして、騎士を殺そうとした青年。
単なる行方不明の魔法士捜索だけでは済まない事態となり、今後の対応を相談したのだ。
現在、遺跡周辺は一般人の立ち入りを禁止し、遺跡の監視をしている。
モデッセの森の全域も定期的に巡回を行っている。
だが、一向に何の動きも、手掛かりもないまま。
そんな状態で三カ月が経過し、オズエンドルワに呼び出された。
「それらしいのはいないそうだ。」
「いない!? そんな馬鹿な!?」
シェスバーノの大声が部屋に響く。
(散々待たせて、それか!?)
シェスバーノは行方を眩ませた二人の人物、合成魔獣を倒した少女と、騎士を殺そうとした青年を探していた。
青年の方には何の手掛かりもない。
そもそも、騎士団が追うには罪状が弱い。
騎士を殺そうとしたことは確かに重い罪だが、騎士団を動かして虱潰しに捜索するような事件ではない。
危険人物として似顔絵を作成し、騎士団内、そして他の騎士団に手配書を回す。
それで済んでしまう程度のことなのだ。
何人も騎士が殺されたのなら話は別だが、この程度では第五騎士団すら動かせない。
精々、「こういう奴には特に注意してくれ。」と警告して終わり。
青年が、どこにでもいそうな風貌をしていたのも地味に痛かった。
なので、シェスバーノはもう一人の人物、合成魔獣を倒した少女に的を絞った。
こちらにはいくつかの手掛かりがある。
まず【神の奇跡】を使う。
これだけで相当に対象を絞れるが、王都だけでもまだ千人単位で残っている。
そして、年齢だ。
身につけていたローブは、正式な王国軍魔法士の物だった。
ただ、年齢はどう見ても軍や宮廷魔法院に所属する、正式な魔法士には見えない。
肩章などの階級を表す物もなかった。
となれば、思い当たるのは魔法学院。
少女はいくつもの【神の奇跡】を使いこなしていた。
動きを見る限り、【身体強化】は確定。
何より、この【神の奇跡】は最初に習うものらしい。
ならば、あれだけ【神の奇跡】を使いこなしていて、持っていない訳はないだろう。
そして、【癒し】。
全身に火傷を負いながら、一瞬で治した。
更には胴体が引き裂かれた騎士をも治してみせた。
火系と水系の【神の奇跡】も使っていた。
正直、この二つの【神の奇跡】については見たことも聞いたこともない代物だったが、使っていたのは間違いない。
そして、更にもう一つ。
合成魔獣と戦っているところを見ていてもよく分からなかったが、少女が何かを飛ばして合成魔獣に傷を負わせていたのは確実。
いくつも残された石の礫のような物から、おそらく土系の【神の奇跡】だと思われる。
これだけでも五つの【神の奇跡】を使っている。
何より驚くのは、魔法士がたった一人であの合成魔獣を倒して見せたことだ。
シェスバーノですら、ホグアジルと二人がかりでやっとだった。
それを、あんな年端もいかない少女が倒したのだ。
魔法士の戦い方は離れた場所から【神の奇跡】をぶっ放す。
ただそれだけ。
集団での戦闘でこそ、その真価を発揮する。
何十人を一度に倒せる威力の【神の奇跡】を、一人に向けて撃ってもしょうがない。
何より、いちいち呪文を唱えなくてはならない魔法士は、一対一の戦闘に向かないはずだった。
あの少女は、魔法士という存在の常識で言えばあり得ない。
だが、そのあり得ないことが起きた。
魔法士を毛嫌いするシェスバーノではあるが、その強さに強い興味を抱くのも無理ないことだった。
オズエンドルワが、ぎしっと背もたれに寄りかかる。
「魔法学院は軍務省直轄の機関だ。 宮廷魔法院も運営に関わっている。 騎士団が簡単に触れられる所じゃないんだ。」
シェスバーノは思わず舌打ちをする。
シェスバーノの大っ嫌いな、政治の関わる話だ。
第五騎士団は王国軍の指揮下にあり、王国軍は軍務省に属する。
そして、魔法学院も同じ軍務省に属するが、その運営は軍務省、王国軍、双方の協議で決定する。
ただ、ここでややこしい事情が割り込んでくる。
宮廷魔法院である。
宮廷魔法院は王宮直轄の機関で、軍務省とはまったく別の命令系統にある。
軍務省も宮廷魔法院も、どちらも国王陛下が最高意思決定者だ。
だが、陛下がすべてに対していちいち手を下す訳ではないので、当然代理を置いている。
軍務省なら軍務大臣。
宮廷魔法院なら魔法長官。
そして、両者の権勢争いの火種の一つが魔法学院なのだ。
宮廷魔法院は、優秀な魔法士を軍が独占しないように魔法学院の運営に首を突っ込んで来た。
勿論、陛下の了承を得た上…………というより陛下の命令です、という形にしてだ。
このため、第五騎士団のオズエンドルワが魔法学院の学院生のことを調べたいと思った場合、まず王国軍にお伺いを立てる。
王国軍は軍務省に確認を行う。
そして、それだけでは済まず、軍務省から宮廷魔法院にも問い合わせをしなければならないのだ。
以前はそこまで面倒はなかったらしい。
だが、現在は所属こそ軍務省になっているが、その運営には宮廷魔法院が大きく関わっている。
どうやら宮廷魔法院は、魔法学院を今の軍務省所属から、宮廷魔法院所属に変更させようとしているらしく、かなりナーバスになっているのだとか。
そのため、ちょっと所属している学院生のことを調べようとしても、軍務省、王国軍、宮廷魔法院で協議しないとだめらしい。
オズエンドルワが大きく息を吐き出す。
「お前の見た特徴、最低でも五つの【神の奇跡】を使いこなしていること、戦いにも慣れていることなどを考慮して、高等部にそんなのがいないか調べてもらったがNGらしい。」
「もう少し範囲を広げられなかったんですか? 見た目は幼年部や初等部みたいだった。 せめて中等部くらいまでは調べて――――。」
「魔法学院に手を突っ込むのは、今は本当にきついらしい。 軍務省の知り合いが嘆いていたよ。」
宮廷魔法院の権限が年々強くなり、いつ軍務省から切り離されるかと戦々恐々としているのだという。
軍務省は軍務省で、必死に抵抗しているらしいが。
「とにかく、年々魔法士が減っていることで、王宮も宮廷魔法院も魔法学院の学院生確保に必死だ。 そんな中で、こんな些末なことで煩わせるな、ってとこだな。 『貴重な魔法士の卵に何かしてみろ、ただじゃおかんぞ』と、面と向かって言われたそうだぞ。」
オズエンドルワが苦笑する。
魔法士の数が減少しているというのは聞いたことはあるが、そこまで確保に必死になっていることは知らなかった。
(だから、つけ上がるんじゃねえのか?)
シェスバーノとしては、そう思わずにはいられない。
普段大して役に立たない癖に、気位ばかり高く、鼻につく連中。
「その少女については、俺も少し興味がある。 第五騎士団に魔法士は置けないが、使える奴は知っておいて損はないからな。」
オズエンドルワが腕を組み、少し考える。
シェスバーノは、オズエンドルワの考えを邪魔しないようにじっと待つ。
すぐにオズエンドルワは身体を起こすと机に両肘をつき、やや前のめりになる。
「とにかく、正規のルートで調べたんじゃ埒が明かん。 自力で調べるしかないだろう。」
「はぁああ!?」
自力?
それこそ無理だ。
王都だけでも人口は一千数百万人。
しかも、近隣の村なども可能性としてはありえるのだ。
自力で何とかなるなら、わざわざオズエンドルワに時間のかかる方法で調べてもらっていない。
「お前、任務以外で魔獣に遭ったらどうする?」
「斬りますが?」
「…………。」
突然のオズエンドルワの質問に、シェスバーノが何気なく答える。
オズエンドルワは額に手を当て、力なく首を振った。
「……聞き方が悪かった。 普通の奴は、魔獣に遭ったらどうすると思う?」
普通の奴?
その言い直しは、少々失礼ではないか?
それではまるで、シェスバーノが普通ではないようではないか。
「あー……、逃げるんですかね?」
「そう、逃げるんだ。」
我が意を得たりと言わんばかりに、オズエンドルワが大袈裟に肯定する。
「だが、その少女はどうだ? そんな巨大な魔獣に向かっていった。 なぜだ?」
「…………なぜ?」
考えもしなかった。
あの少女は、なぜあんな危険な魔獣に向かっていったのか。
「心当たりがあるだろう? そういう、物好きな連中に。」
「心当たり……?」
魔獣に向かって行く、物好き?
そんなの。
「…………冒険者?」
「そうだ。」
オズエンドルワがバンと机を叩き、シェスバーノを指さす。
「連中の中でも、特に物好きな部類だろう。 冒険者は報酬がなきゃ動かんからな。」
「そりゃあ、そうでしょう。」
「だが、一部の物好きは、喜々として魔獣に向かって行く。 動機はいろいろなんだろうが、とにかく報酬など関係なく戦う奴がいるのは確かだ。」
何だろう。
これは、俺も物好きと言われているのと一緒なのではないだろうか。
「その線で調べて行けば、何か糸口が見つかると思わないか? その少女が冒険者でないにしても、何か噂を耳にしていることもあり得る。」
オズエンドルワは再び背もたれに寄りかかる。
確かに、闇雲に探すよりは遥かに可能性はありそうだが。
「組織同士で話をつけようとするから、しがらみが出てくる。 だが、お前個人がたまたまばったり出くわしたって、誰に文句を言われるようなことじゃない。 そうは思わないか?」
「まあ、それはそうでしょうけど……。」
出くわせば、ではあるが。
「俺は冒険者の知り合いはいないが、シェスバーノはどうだ?」
「いなくはない、ってとこですかね。」
「なら、今度そいつと飲みにでも行って、話を聞いて来い。 内容次第では、飲み代はこっちで持ってやるぞ?」
「まじっすか。」
シェスバーノの目の色が変わった。
団長持ちで、タダ酒が飲める?
「大当たりを引ければ、それくらい出してやってもいい。 それくらいには、俺もそいつには興味があるんでな。」
二人はにやりと笑い合う。
そうして、オズエンドルワが扉を指さすと、シェスバーノは敬礼をして部屋を出るのだった。
■■■■■■
「子供の冒険者に心当たりはないか?」
シェスバーノから予想もしなかった質問が飛び出し、冒険者風の男は目をしばたたかせる。
「七~八歳くらいの女の子だ。 【神の奇跡】を使う。」
何を馬鹿なことを、と笑い飛ばされるような話だ。
実際、聞かれた方の男は変な顔をしていた。
だが――――。
「…………似たようなのなら、いなくもないな。」
「いるのかっ!?」
ガタンとシェスバーノがテーブルに身を乗り出す。
そのあまりの勢いに、男はエール酒と燻製肉の皿を手に持って、思わず身を引いた。
「どこにいる!? 王都にいるのか!」
「まあ落ち着けよ。 ……もしかしたら、ってだけだ。」
男は皿をテーブルに戻すと、ちびりとエール酒を飲み、燻製肉を齧る。
「すまん。 知ってることだけでいい。 教えてくれないか。」
真剣なシェスバーノの様子に、男もどう答えたものかと頭を掻く。
「まず、お前の言う条件からはかけ離れてる。 ……けど、似てる。」
「は?」
かけ離れてる?
でも似てる?
意味が分からない。
「まず、そいつは女の子じゃねえ。 年も、少なくとも十歳にはなってるはずだ。」
「……ぜんぜん違うじゃねーか。」
どこが似てるというのか。
「だが、見た目はお前の言う通りだ。 七~八歳くらいにしか見えねえし、どう見ても女の子にしか見えねえ。 今はマシになったが、前の混雑したギルド内をちっこいのがうろちょろするもんだから、俺も危うく蹴っ飛ばすとこだったぜ。」
見た目……?
考えて見れば、シェスバーノもその子供を見た目で判断しただけだった。
七~八歳くらいに見えた。
女の子に見えた。
それだけだ。
「……そいつのこと、詳しく教えてくれ。」
真剣な顔で、シェスバーノが身を乗り出す。
「あー……、まあ、俺もそこまで詳しい訳じゃねえんだけどよ。 そんな外見してるもんだから、支部ん中じゃちょっとした有名人ってだけさ。 噂とか、ちょっと見かけたとか、そのくらいのことだが。」
「ああ、知ってることだけでいい。」
シェスバーノがそう言うと、男は燻製肉を噛みしめつつ、天井を見上げる。
「そいつは、去年くらいからギルドに出入りするようになった。」
「王都のギルドか?」
「ああ。」
「お前が使ってるギルドっていうと……。」
「第二支部だな。 南東の大通りの。」
あそこか。
頭の中に、南東の大通りの簡単な地図を思い浮かべる。
「ケーリャとトリュスって冒険者は知ってるか? どっちも女の、そこそこの腕だ。」
「ケーリャなら知ってる。 時々酒場で暴れて、警備隊の世話になってる、あいつじゃないか。 戦士の。」
「そう、そいつだ。」
男はエール酒を飲み干すと、お代わりを注文する。
ケーリャという女の酒癖の悪さは、王都の警備に関わる騎士や兵士には有名だった。
シェスバーノも取り押さえるのに、何度か殴られたことがある。
勿論、殴り返すが。
とにかく頑丈な奴で、牢屋に放り込むのも一苦労だった。
「その二人が、そいつをえらく気に入ってるみたいでな。 よくちょっかいかけてる。 確か名前は…………ミカって呼ばれてたか。」
「ミカ……。」
シェスバーノが繰り返す。
「【神の奇跡】についてはよく分からんが、魔法学院に通ってるってのは噂で聞いたことがあるな。 あそこに通ってんなら、まったく使えんってことはないだろう。」
「魔法学院なら調べた。 高等部にはいなかった。」
「去年から通ってるなら初等部じゃないか?」
男は届いたエール酒を受け取ると、空のジョッキを店員に押し付ける。
「…………あれで、初等部?」
シェスバーノが、唖然とした顔で呟く。
五つの【神の奇跡】を操り、たった一人で合成魔獣を倒してみせたあの子供が、初等部だと?
男はシェスバーノが固まっているのを放っておいて、燻製肉を食べる。
そして、皿が空になったので、串肉とチーズを注文した。
「……その子供、実力はどうなんだ?」
しばらくして、半ば放心していたシェスバーノが我に返る。
「いや、知らねーな。 ときたまギルドで見かけるってだけで、戦ってるところなんざ見たことねえ。 でも、確かDランクだぞ、たぶん。 そんな風に聞いた憶えがある。」
「Dランクってのはどのくらいの強さなんだ。」
冒険者のランクについて、普通の人はあまり詳しくは知らない。
そもそも冒険者と関わりになることの方が稀で、依頼を出す時も依頼内容からギルド側がランクを振り分けるので、依頼者が冒険者のランクを気にすることはあまりない。
よほど慣れた依頼者でもない限り、ランクの詳しい内訳を知っている人の方が珍しいだろう。
一般には、AランクやBランクはすごい、くらいの認識しかない。
シェスバーノは一般人よりは詳しいが、それでもすべてのランクについて知っているわけではない。
Cランクがもっとも多く、実力の幅がもっとも広いという程度の知識しかない。
「ランクだけで言えば、Dってのは半人前だ。 駆け出しのヒヨッコ、FやEをようやく卒業したってとこだな。 まあ、半人前のまま十年もいる奴も中にはいるけどよ。」
男は届いた串肉にかぶりつき、エール酒を呷る。
その子供が、「ヒヨッコだ半人前だ」と言われれば、確かにその通りだろう。
年齢が年齢だ。
ベテランどころか、一人前ですらないのは当たり前かもしれない。
「まあ、FやEってのは誰でも最初に通るランクだしな。 もしお前が騎士を辞めて、これから冒険者やるってなれば、まずはFからだ。」
「実力は関係ないのか?」
「ああ、関係ないな。 実力を計る試験なんかもない。 まずはFから。 で、いくつか簡単な依頼を受ければEだ。」
シェスバーノが火酒をぐいっと呷り、ふぅー……と熱い息を吐く。
ようやく、少し回ってきたか?
「そいつは確か、去年Dになったはずだ。 そん時にちょっとした騒ぎになったんでな。 支部ん中じゃ有名な話だぜ?」
順番にランクが上がって行く仕組みなら、今現在の実力を必ずしも反映しているとは言い難いだろう。
合成魔獣を倒したことを考えれば、少なくとも一人前以上の実力はあると見るべきだ。
シェスバーノは火酒を飲み干し、お代わりを注文する。
「いい話が聞けた。 ここの払いは持ってやる。」
「おいおい、どういう風の吹き回しだ? お前がそんなこと言うなんてよ。」
「まあ、たまにはな。」
どうせ団長の奢りだ。
それに、もし団長がこの程度の情報じゃ出せんと言っても、まあいいだろう。
このくらいは俺が出してもいい。
その程度には、男からもたらされた情報に満足していた。
シェスバーノは、酔った頭で次の算段を巡らせるのであった。




