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判明するご主人様と特殊性癖の一族

前回の鑑賞で分った事がある。なので今度はこちらからご主人様当てゲームを提案した。


「成程。では用紙に予想と答えを……」


俺は決まった人物の名前そう思う理由を書きだす。シキは変わらないのか変えないらしい。スクリーン。部下。パソコン。そして携帯に高速で何かを打つサキタ。


「何を打ったの?ご主人様?」


「嫁にですよ。部屋の監視カメラで確認済みですが何をしてるのか聞きました」


ちなみにカメラは許可済。頻繁に連絡するが確認と言うよりも惚気合いみたいな感じらしい。キョウコさんは回復後にサキタ宅に荷物は運んであるので身一つで引越し。花嫁ならぬメイド修行。サキタは普段の仕事とプライベートも分けずにそれでもどちらも洩らす事無く続けている。


今日はたまに来るデザイナーとメイド服の打ち合わせもしていた。流石グレート・スーパーパワー。


時間がかかったが出揃った結果。サキタがにやりと笑う。そしてイヤホンを押さえた。


「はい。正解者です。はい。それではロボを向かわせます」


話しを終えたサキタがパソコンに何か打ち込んだ。プリントが出ると思ったが出てこない。なのでロボに指示を送ったようだ。


画面分割が俺とシキの予想の二人になる。俺の答えにシキが驚く。つまりこれはロボが来た方が主人だ。部屋の内側にカメラが寄った。両方のドアに少し乱暴なノック。


ロボは……。


「アンさま。お待たせしました」


アンの元に来た。勝ち誇ったシキの顔が可愛い。可愛いので可愛いだけだよと真顔で言えば真っ赤になった。


俺の予想の人物の所に来たのは……。


「話があんだけど……」


ジュリナだ。乱暴なノックは彼女だったらしい。出迎えるのは俺の予想した人物。


「う、うん。とりあえずドアを閉めてもらっていい?」


怯えた声のリヒトだ。閉められたドア。


「録画データをカードに移します。しばらくお待ち下さい」


ロボットの声がした。動く電気機器の起動音に何度も話される。まさに機械のその言葉。


その声はまさかの……ジュリナから出ている。なら、アンはと見れば小さなロボから何かを受け取っていた。


「アハ。ありがとう。ロボくん。おなかを壊してね。しばらくこれを飲んで眠るよ」


「どういたしまして」


薬だった。ラッパのマークの例の市販の薬。シキはドヤ顔から真っ赤な顔に変わる。悔しいのか少しぽこっと叩かれた。


「シキ。可愛いの止めて今、大切なシーンだから!」


「な、はあ!?」


ロボと呼ばれた人物はどう見てもジュリナだ。ジュリナはべろりと舌を出しピアスを抜き取った。それを受け取り主人のリヒトは苦笑いをする。


「母親がモデルのロボはやりにくいな。父様に言って場所も変えてもらおう。母様はマジカッコいいのにと拗ねるが、これはちょっと……」


もう。何が何だかとサキタを見れば拍手をされるメイドや執事も揃って拍手がどんどん大きくなっていく。


「おめでとうございます!ゲーム&ソフトプレゼントです!お帰り後に抽選で当たったとお送りしますね?」


そういえばそうだった。忘れていた。やった。が、まだ実感ない。


「そちらに1号と向かうよ」


リヒトはそう言いぐしゃぐしゃと前髪を見出し後ろに流す。白と黒の髪。くすんで黒いだけと思っていた瞳は少し金の光が見えた。その瞳を壁の小さな穴に向けると扉が開く。


開いた先はスクリーンの下。彼がリヒトが歩いて俺達の前に立っていた。そう。歩いて立っていたのだ。


「まずはおめでとう。答え合わせはまた……」


くすりと笑う姿はまるで王者。立つ姿を見た事ないし勝手に小柄だと思い込んでいたが、勝手にそうフィルターがかかっていただけらしい。彼はそれなりに身長も高い。


彼は……姉さんの好きな花嫁にはなりえない姿だ。


「咲田。このデータを花嫁以外は消して少し肌が化粧で荒れたから風呂とエステ。ついでに珠理奈モデルの変更の電話をしてくる。あと軽く運動も。リヒトは体調を崩して面会謝絶。アナウンス。花嫁の様子を後で見る良いアングルで撮れ」


「はい。お任せを」


テキパキと支持をしてその場に残されたのはジュリナを見る。ロボットなんだよな?ほんとに?


「彼女は同じくデスゲームで出会った現社長。つまりはご主人様のお父様の奥様の当時の姿をそのままお作りになった物なんですよ」


空気を読んでサキタが話し出す。


「いやぁ、奥様は実はイケメンで金持ちで信じられないお姫様扱いでオタクにも子供にも人にも優しいギャルになりまして……」


「そんな……まだ存在してたのか?」


見せられる社長と奥様のデコりまくり盛りまくりプリントシール。日付は最近の物だ。絶滅したと思われたオタクに優しいギャルは金で作れるらしい。


「で、ギャルロボってエッチじゃない?って作れらたのがあのジュリナ1号。そこからは共有は嫌と言う社長の要望で顔や体形を変えて絶賛販売中です!」


絶滅したと思われたオタクに優しいギャルは金で買えもするらしい。どんだけ飢えてんだギャルに!


「い、意味が分からないわ」


ごめん。俺は少し分かるんだ。あるなら少し少しだけ欲しい。そんな話をしてたらにこりと優しくジュリナに微笑まれた。


「……おいくらですか?」


「ハル!!」


毛を逆立たせて怒るシキに別に怒られる筋合いはないが取り合えず謝る。ちなにみ音声はボイスロイドで作家さんかサキタが打ち込んでいる。表情もだ。ちなみに声優さんは専属の方。サイン下さい。


「リヒトくん。体調悪くなったんだって☆ゲーム以外で死なれたら困るから今、治療中だよ。面会謝絶だから部屋にロックかけるね!」


全ての部屋に流れる放送。皆の顔が映し出される。つまり花嫁はあの二人のどちらかだ。二人とも仲が良いから泣いている。


「可愛いなぁ……」


そんな声にばっと振り返る。タオルで頭を拭きながら現れたリヒトは画面にくぎ付けになっていた。その目は恍惚とした物から冷たい物に変わる。これが俺の確信した事実。犯人の証拠。


一瞬。あの冷たい空気視線はロボボンに向けられたものだと思った。けど、違う。どこか似ている二人の姿。言いたくはないが性癖。二度目のキョウコさんの報告の件でのあの男は抱きしめ合い喜ぶ二人を見て笑い。そして少しあの目をした。


「ごめんね。こんな格好でレディの前で失礼だったかな」


「あ、いえ」


見ればバスローブ姿だった。シキは思わず敬語になり少しだけ顔を赤くしている。ウブだな。あとなんかむかつく。リヒトの肌は白くないしそこそこに鍛えられている健康的な肌だ。つまりはあの姿は特殊メイクで作られた姿。


「直接、生で見たかった」


異常だ。偽物だけど人が死んでも何かリアルに感じられなくて怖さなんてあまり感じなかった。けど、人の怖さに今。震えている。


「じゃ、ボクは運動に戻るよ。あと咲田」


「はい」


こうして見るとよく二人は似ていた。顔は似ていないが瞳や空気。もしも同じなら少しは仲良く。今はまだ怖いけどいずれは仲良くなれるかもしれない。


「結婚おめでとう。祝いに小切手に欲しい額を書いてくれ」


「ありがとうございます」


前言撤回。金持ち怖い。多分一生分かり合えないと思う。がまたまたそれを読んだのかサキタに耳打ちされる。


「実はご主人様。わたしくしに憧れて真似をしていく内にああなったんです。わたくしよりは歪んでますがね?」


「お前が元凶か!!」


その叫びにシキのその内容を聞く。と同じ回答が返ってきた。それから夜時間が来る。と、すっかり化粧をしたリヒトに会った。観察部屋に何となく二人向かう。


「よく分ったね。まさか咲田と同じ癖があったなんて……」


「バレたくないなら気をつけた方がいいですよ」


そう答えるとリヒトは笑う。あと年も近いから敬語は使わなくていいとも言われた。敬語を使わない年上はフランス生まれ日本育ちのアンと執事に敬語は不要と聞かないサキタを含めれば三人目だ。


「バレてもいいさ。多種多様な性的思考や趣味を抱えている。勿論。破滅趣味も嗜んでいるんだ。じゃなきゃデスゲームの黒幕と主催なんて参加者側で出来ないだろう?」


確かに過ぎる。そこからデスゲームについてや経営者の父の話やデスゲーム制作スタッフになれるのとかやりがいとか聞いた。性癖こそ歪んでいるがデスゲームを語る姿はキラキラしている。


やっぱデスゲームっていいな。そんな事をしみじみ思う。


「君には最大ヒントだ。もう我慢ならないからそろそろしかける」


リヒトはそんな言葉を残しゲームに帰って行く。シキを見ればジュリナ越しに作家さんと会話をしていた。楽しそうで何よりです。


あの言葉通りにリヒトは動く。弱弱しい笑顔を浮かべながらある一人の部屋に向かった。


「はい」


「ボクだよ。リヒト」


慌てて開けられた扉の向こうにはユウミの姿。彼女は泣きながら彼に抱きついた。


「大丈夫なの?」


「いつもの発作だよ。もう治るものでも無いのに治すなんて馬鹿みたいなデスゲームだね」


寂しそうに笑う彼に言葉が出ないのかユウミも無理して笑う。


「あのね。これおばあちゃんの形見なんだ」


キラキラ光る宝石のネックレスを差し出すリヒトに目を丸くするユウミ。


「預かって欲しい。そしてボクが死んだらそれを届に来て」


理解できないのか黙る彼女は徐々に分かったのか嫌だ嫌だと首を振った。がそっとそのネックレスをつけてやるリヒト。


「ふふ。もしも生き残れたら返してね」


「うん」


ネックレスをつける時には気付かないが近くなっている二人の距離。唇が触れるかと思ったが、はっとした二人は慌てて離れた。照れくさそうに頭をかいて慌てて出ていくリヒト。真っ赤になってベットでごろごろしてるユウミ。


「ちなみにあちらは偽物で小型カメラ機能があります」


まるで当然の様に語るサキタにシキは大きく息を吸った。そして……。


「もうコレが答えじゃない!!」


と大きな声でツッコんだ。確かにしかけたな。リヒトお前は欲望に忠実だ。デスゲームはどんどん進む。我慢できないリヒトのせいだ。翌日。不正行為でジュリナが処刑された。


罪状はわざと違う答えを書けとリヒトを脅し殴ったとの事。いつ取ったのか殴られるシーンが処刑者発表部屋のスクリーンに映される。違う違うと叫ぶ。こんなの嘘だ。でまかせだ。と叫ぶジュリナが皆から目を反らされていく。


一人。リヒトだけが彼女を庇いこんなの気にしない。皆、焦ってたんだ仕方ないと叫ぶ。だが、叫んだせいで胸を押さえる。そんな言葉空しく。彼女は皆の前で弾丸で撃たれ殺された。


震えるサトが吐いてしまった。それを汚れるのも無視して支えに行くユウミ。支えていたが耐えきれず自身も吐いてしまう。おい。皆がそちらを見てないからってその興奮したヤバい目を止めろ。変態リヒト。


マシャヤは呆然と立ち尽くしぶつぶつと「まだ。告白もまだなのに」「好きだったのに」と壁に持たれて放心している。ボクのせいだと奴は今更ながら涙を流す。そんな展開を打破するのはアンだった。


サトを抱きかかえ部屋に送り今度はユウミも同じように運ぶ。優しくリヒトを撫でハグをして落ち着かせて、まさかのマシャヤも抱きかかえて部屋に運んでベットに寝かせ愚痴や悲しみを何時間も聞いてやっていた。


こいつもグレート・スーパーパワーかとサキタを見れば首を振られる。だったら何だ?怖いんだが?


そんなアンがのちに早大にやらかすのだがこの頃の俺達はまだ知らない。

咲田グレート・スーパーパワーJr.三世。時持。仕事も恋も完璧にこなす完璧執事。好のタイプは頼ってくれる甘えてくれる人。と表では言ってるが。本当はドMで隠れすけべな女が好き。この度。運命の方と出会え結婚した。式は今年の夏頃。

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