表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

水着とプール回。

朝。すれ違ったシキが「こんなのもうもどれないよ」と弱弱しい声で言っているのを聞いた。ようこそこちら側へ。


「私はこの主人はこの胡散臭い執事かアンだと思うわ」


「ほう、私ですか?」


そうか、その案もあったかとスムージーを飲む。二人とも真剣顔でチェスを打つ。が、シキの恰好はふわふわのもこもこ猫耳パジャマ。爪はピンクで猫のアートが描いてある。この空気に似合わない。ジロジロ見てたのがバレたのかシキがこちらを睨む。


「……なによ」


いや、何て言えばいい。女の子が何て言ってほしいかなんて分かんないぞ。


「ねこ。かわいいね」


思った事を口にすれば彼女の眉間に皺が寄る。そしてぷいとそっぽを向かれた。間違えたかと肩を落とすが、良く見れば耳が真っ赤だ。え、怖い。可愛い。


「私が主人なら全体を見れる場所にいたい。そう考えたら、なら全部を映す画面にいるアンタが怪しい」


チェスは分からないが彼女は自信ありげに駒を進める。なので彼女が優勢なのだろう。


「ご主人様には必要な部分だけ編集した映像を参加者の皆が寝た後で見て頂いてます。目的は花嫁。あの方の他はいらないのです」


サキタが駒を進めた。目を見開くシキを無視して続ける。


「それにわたくしが主人なら回りくどい事はしない。惚れたから俺の女になれと強引にでも口説き落としますよ。それに……」


やだ。カッコいい。そう思ったのは俺だけでシキは盤面を睨んでいる。何だ。


「サキタ様!一名の精神グラフに以上ありです」


「では、この香りの入浴剤を支給しなさい。食事も運よく好物が出るように手配をしなさい」


「サキタ様!監視ロボの映像の花嫁以外の映像の削除確認をお願いします」


次々に頼まれる確認や仕事。それをノールックで支持。何かのデータ確認に大量に映された画面の確認。忙しい。がチェスの相手もしている。


「この通りの忙しさですので無理です」


「じゃあ、アンね。意味深な言葉が多い」


彼女はアンがご主人様だと予想しているらしい。確かにアンは怪しいな。サキタはふいに耳のイヤホンのを押さえる。


「一名の精神グラフ異常です。はい。はい。了解しました。お部屋に化粧班を向かわせます。」


突然暗くなるスクリーン相手はご主人様か?化粧って聞こえたけどもしかして候補から消した女性の可能性もあるのか?サキタは何かを書いてちらりと横を見た。プリンターから何かがプリントされそれをメイドが持って行く。


「プールエリアが解放されたよ☆勿論水着もあるから好きなのを選んでね!」


成程。台本かと驚きながらもその言葉にまた驚く。ぷ、プール回だ。どうして俺はいない!!


「サキタ。アンタ……」


「では、少し準備があるので……」


言い終わる前にサキタは画面の下にある壁にしか見えない扉の向こうに消えていく。


「……ルールわからないのなら言いなさいよ」


その言葉に盤面を見ればドットみたいに白の駒で舌を出してウインクする絵文字が描かれている。出来ない事もあるが凄い奴なのは分かった。が、これは悔しいよな。シキ。


数時間後。プールエリアが画面に映る。眩しい太陽を模した天井や風景に手すり付きジャグジー。ボールにボート。ジュースまである。


最初に現れたのは派手なピンクのハイビスカスが描かれた海パンのマシャヤ。喧嘩をしかけるくらいだ。そこそそ引き締まっている。


その横のリヒトの車椅子を押すのは際どい場所に描かれた薔薇柄のブーメランパンツのアン。やばいくらいにバキバキのダビデ像みたいな体でマシャヤは引いている。


リヒトはだぼだぼの半そでパーカを少しだけ開け、これまたダボダボの長めの短パンを穿いていた。あざとい。ここでリヒト花嫁説がまた浮上。


隣のシキは隠せないくらいに顔が真っ赤で目が泳ぎまくりだ。ちなみに俺たちも気分はプールなので何か派手なドリンクを出されていた。原材料は分かんないけど青くて綺麗で刺さってる花火が綺麗だ。あと美味い。


「広ーい!!見て、ジャグジーだ。すごーい」


「ひぃ。まって、走らないで行かないでユウミちゃん!!」


将来有望な中肉中背な健康そうな肌に身体。思ったよりもあるそこに将来性を感じる。真ん中でくくるタイプの白と赤の水玉のビキニ。


クリーム色のパーカーは全開の元気いっぱいコーデなユウミ。


それとは反対に将来は期待できそうにないがそれもまた味な不健康そうな細すぎな体。お揃いにしたかったのか勇気のない彼女らしくパーカーは色違いの薄いピンクで前を拒絶するみたいに閉てる。


上は分からないが下はちょっと幼稚な紺のスカートタイプ。サト。


「あらー。すごわねぇ。あらあら。お酒まであるのね」


「で、でけえ。ヤバいね。キョウコさん」


何処がとは言わないが同性が見てもやはりデカい。……胸元にもほくろがあってえっちだ。「え」まで声が出て二人に不思議そうな顔で見られた。少し攻めた真っ白ビキニに溢れるわがままボディ。薄い生地の上着を肩にかけている。下は長い白地で青のハイビスカスのパレオ。


麦わら帽子が何だか可愛い。キョウコさん。


ジュリナ。おへそにピアスなんて本当に悪い子だね。綺麗に痕も無いから全裸で日サロかな?けしからん!!おへそのピアスと耳のピアスはお揃い。人を童貞呼ばわりするくらいだ。自信しかないみたいで何も羽織ってない。シンプルな黒で普通のビキニかと思わせて後ろは紐。


両サイドは危ない結びが取れればアウトなこれまた紐。攻めに攻めたジュリナ。


何でここに俺はいないんだ!二度目の叫び。同じ男としてどう見てるのかとサキタを見るが仕事モードなのか真剣な目でスクリーンを見てた。恐らく。精神グラフが不安定な参加者を監視しいるんだろう。


サトのパーカーを下ろそうとするマシャヤとジュリアを止めるユウミとキョウコさん。本命には何だかどきまぎするマシャヤ。からかうジュリア。


ジャグジーに入る為にアンにお姫様抱っこされるリヒト。爆速泳ぎのアン。ほろよい気分の可愛いキョウコさん。楽し気なユウミとサト。残念ながらポロリは無いが延久保存版。その後。喧嘩やトラブルもありながらも俺やシキ無しのプール回は終わった。


そのあと。三人で夜時間にプールに入ったがシキはまさかのスクール水着だった。


ふむ。これはこれで……。


平和なプールと水着回に今夜は良い夢が見れそうだと眠りにつく。が、これはデスゲーム。何があるか分からない。大きなアラームで起こされる。慌てて部屋から出ていけば画面前でシキと会った。


「パターンD!割ったグラスで自死未遂。至急。至急医師を!!」


「直ぐに睡眠ガスを撒いた。まだ未遂だ。怪我はない。それよりも良いベットと精神科医を彼女の……彼女の好きな香りのお香をたけ!母との思い出の香りだ」


ばたばたと走り回るメイドと執事。貴方たちは部屋に帰りなさい。と言われ部屋に帰る途中。担架に乗った彼女を見た。それは予想外の人物。


キョウコさんだった。

シキ。クールぶってるがウブで可愛いものが好き。似合わないと爪に塗った可愛いピンクのネイルを隠していた。クイズ参加動機は親が止めたグロイ内容の映画。高い医学書。別に医者になりたい訳ではない。ただグロ好きなだけ。好きなタイプはまだ分からない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ