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第一回。花嫁予想。


「では、今日は花嫁候補を予想しましょう!」


いつもの朝が終わり。暇な時間に動きがないので囲碁をサキタと打ちながら話す。


「花嫁候補はシキ、キョウコさん、ジュリナ、サト、ユウミ……それにリヒトだ」


「おや?リヒト様ですか?」


流れる無言の時間。


「お前のご主人様の生癖が一部の人間に刺さる生癖かもしれないからだ!保険だ!」


「貴方は天才か!?」


人生。人は色々。俺はそれを否定しません。姉の本棚で表紙は男同士の筈の漫画なのにタイトルに『花嫁』と書かれていたからです。


思えば姉は『花嫁』って単語が好きだった。少年漫画の恋人ではない男の仲間同士の相棒の男が花嫁になってるシリーズがあったからだ。


元気ですか?貴女が死んだら、秘密裏に売って欲しいと言ってた。姉さん。俺は今、余計な事をリアルの男同士で想像したせいで何とも言えない気持ちになりました。


噺を戻して、シキだ。彼女は金色のポニーテールに鮮やかな緑瞳の何もかもを悟った様なキツそうな目つき。猫みたいなイメージだ。美少女でクール。頭の回転も早く医者である父の医学書を読んでいて、詳しいらしく。人間が死んだ時に「脈を計らせなさい。適切な処置をさせなさい」と「あんな短期間で死ぬなんて馬鹿げてる」と言ってロボットを困らせていた。率先して謎解きには協力するが群れるのが嫌い。潔癖なのか手袋をして、いつも一人ご飯を食べてる。


謎を率先して解く姿はカッコいい。こんな女子に引っ張られたい。野良猫好きには堪らないタイプ。


皆のお姉さん。キョウコさん。紺色ロング真ん中分けで同じ色のタレ目な瞳。可愛いおでこと口元のセクシーなほくろがチャームポイント。性格はおっとりマイペースで皆の仲裁役だ。一番の特徴はデカイ事。長身で何がとは言わないが一部魅力的にデカイ。


あの「何が」とは言わないがプリンみたいにふよんふよんしてるけどマシュマロみたいに弾力がありそうな「それ」に飛び込んでみたい。そう思う奴は多分いる。


ジュリナ。ギャル。ちょっと焼けた健康的な肌に短いスカートに晒される美脚。派手な化粧で分かりにくいが可愛い。くすんだ金色の髪にピンクのエクステ。カラコン丸分かりの灰色の目。長い爪。相手を煽る。馬鹿にするは良くある事。マシャヤとつるんでいる。


ドーテーくん何て呼ばれてムカつきよりもときめきが勝った。良く分からない感情だ。普段生意気なのに人が死ぬとえんえんと怖がって泣く姿にときめく人はいるんじゃないか?


サト。暗い印象だが良い子。親友のユウミにべったり。紫かかった黒の重めのボブカットに伏し目がちな紫の瞳。そばかす姿の女の子。こっそり花瓶の水を代えたり、いじめを止めないが後で心配してくれる。よくジュリナ達にいじられユウミに守られている。ユウミに依存気味。ユウミが押せない時はリヒトの車椅子を押してる。


この子。大丈夫だと思った人間には近くで話す。こそこそと「ちょっとおなかすいたね」と不器用ながらにはにかみながら話してくれた時にはときめいた。懐くと可愛い子。好きな男は少ないかもだが居そうだ。


ユウミ。ベージュの髪に薄いピンクの瞳。サトが陰なら彼女は陽。少し普通かなと思うが良く見れば普通に可愛い。一番キラキラしている。頭の大きなリボンと少し恰好が子供っぽいが曲がった事の嫌いな正義の子。親友のサトを幼い頃から守ってた。ここでもそれは彼女の役目。過保護な程に彼女の世話をしている。あと世話好きなのかリヒトの世話もよくしている。


皆が絶望に包まれてしまう様な状況でも時に彼女の一言で好転する。女神みたいな存在。正直。この子と生き残る未来を見ていた。もう見れないけどな。


とりあえず分かった事が一つある。この数日で俺の性癖が爆発的に増えた事だ。みんな良くてみんな良い。ただ可愛い子が好きと言っていた頃にはもう戻れない。戻れないんだ。囲碁将棋部の皆。


「備考欄までびっしり。予想は⑤‐①。ユウミ様にシキ様。流石思春期。女性を見る目は男性より細かいですね?」


「やかましいわ!」


コイツは良い奴だがいらんを言うしする。俺が怒鳴ったところでタイミングよく画面から大きな警戒アラームが鳴った。そして調子の外れたチャイムが鳴る。始まった。俺がここにいる状態でのデスゲームだ。


ゲームは仲間はずれを探せ。


画面に映る皆の姿。青い顔でいつまでも慣れないで泣いてるサトにそれを支えながらも泣きそうなユウミに睨んでいるが目は滲むジュリナ。いつもの穏やかな笑顔が消えるキョウコさん。一人涼しい顔で画面を睨むシキ。


いつもの笑顔のアン。画面を睨みながらも青ざめる顔のマシャヤ。目を閉じて胸を抑えるリヒト。


一人ずつ部屋に呼ばれ問題を解かされる。そしてそれが終われば処刑者報告ルームに呼ばれてしまう。デスゲームの裏側は凄い。みんなバタバタしている。が、もう誰が脱落するのかは決まっているのかプランAコースの準備がされていた。


「ローション補充。対象にアレルギー無し。対象の好みの香りの香り注入」


「補充遅いよ。何やってんの!!」


それを全てサキタが捌いている。耳何個ついてんだ。成程。グレート・スーパーパワーだ。


「じゃじゃ!処刑者の子を発表しちゃうよ☆」


ロボボンの中の人を見た。眼鏡のクールなメイドさんだ。ちなみにアナウンスも彼女らしい。売れない声優をしている彼女はこの高額バイトに飛びつき。今では専属の声優。


この一族。他の金持ちに偽デスゲームをさせてやる場合もあるらしい。表の会社は某大手。裏の会社はデスゲーム運営会社らしい。リピート率ナンバーワン。


大本を読む声優さん。


「中間外れは……一人だけ全問正解した。君だよ!!」


理不尽。それがデスゲーム。ガコンと開くその人物の床。効果音担当が何かスイッチを押すと悲鳴を消す何かが潰れる音。呆然とする皆に遅れて女性陣の悲鳴が部屋に響く。


俺の画面には皆の様子と画面半分にウォータースライダーを滑る姿。健気にもスカートを抑えている。ずるにゅるん!と滑り終わり、滑り止めのクッションに包まれる。聞いたことのないバルンって音がした。


「何なのよこれ!!」


そこにはブチギレた候補だった女性。シキがローションまみれで叫んでていた。


「外れましたね」


「……そだな」


こうもローションまみれで興奮しないとは……。


ぎゃーぎゃー叫ぶ彼女は連れて行かれた。予想は外れた。がもう一つ外れた予想がある。


「話は分かったわ。条件も飲んだ。参加してあげる」


このご主人様。花嫁クイズ大会の参加者が増えた事だ。

ハル。このデスゲームで性癖が歪んだ哀れな男。好きなタイプは相変らず可愛い子だがそれももう分からない。

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