第一回。ご主人様予想。
朝。電話で男女選べるモーニングコールかこちらも選べる直接起こしに来るコースでメイドさんに起こされる。
その後。体調や精神に異常は無いかチェック。
一人だけの豪華ビュッフェを味わい。休憩後に朝の運動。ジャグジーの朝風呂に風呂上がりに好きなジュースが出てくる。
「もう、戻れないかもしれない」
流石に相手は用意出来ないので、と自分の性癖にあったグッズに完全個室の大きなスクリーンで見る。所謂。その、エッチな奴は凄かった。うん。凄い。
朝、グッズをメイドに見つかって「きゃ!」と言われてしまうオプションは流石に戻れないので止めた。
「おはようございます」
「……おはよう」
至れり尽くせりだったが、ちょっと警戒はしている。が、とりあえず執事が引いた椅子に座った。
「ちなみに……昨夜。すけべセットを一部お使いになった思春期の貴方が興奮がしないように女性部屋は映しておりません。確認出来るのはご主人様だけです」
「あ、う」
何も言えねぇ!言えねぇよな!言わすなよ。
「まずは残りのメンバーを見て見ましょう。二人減って残りは9人。今日は第一回。ご主人様予想をしましょう」
渡された写真付き用紙。まずはこのイカれたゲームのご主人様探しだ。花嫁イコール女性だと仮定しよう。花嫁が実は男性だって答えもあるが、考え出したらキリがない。
ご主人様候補はマシャヤ、リヒト、アン。
マシャヤは名前がコンプレックスらしいヤンキーだ。オレンジ髪のロン毛のオールバックで髪の先が緑。瞳は黄色。眉や耳や舌にピアスがある。顔はモテであろうイケメンだ。見ると怒るのであまり見れていない。
名前をこのゲームを仕切るロボットのロボボンにつつかれてボコボコにした。男相手に直ぐに喧嘩をしたり煽る。女は誰でも下品に口説く。執拗に元カノに似てる参加者のサトに絡む。いじる。本命っぽいギャルとつるんでる。
こいつはアホそうなのに残ってるのが不思議だ。一人ずつ答える問題にズル無しで答えてて怪しい。俺は……人の事言えないけどな。
リヒトは一人だけ車椅子での参加の男だ。肌は真っ白で身体が弱いのか心臓辺りを押さえて俯く姿が多い。長めの黒い前髪に白の後ろ髪。目は光の宿ってない様に見える黒。身体が弱そう以外は見た目も普通。あと優しせいかマシャヤにいじめらている。
確かに怪しい。何故か一人だけ車椅子なのか?ブラフか?
怪しいと言えばダントツがいた。
アンだ。見た目は金髪碧眼長い髪を束ねている。カッコいいより美形。意味深に何かを言って去ったと思えばイキナリ背後に現れる。一度、マシャヤがリヒトの車椅子を蹴った事があったが、マシャヤの背後に突然現れて床に倒した。琉球空手と古武術をやってるらしい。
怪しい。確かに俺に「このゲームきっと黒幕がいるね」と話して来た。デスゲームを開催するんだ。厨二病に違いない。
「成る程。ハル様は①ー③が怪しいと……」
「競馬みたいに言うな」
記入した用紙を執事に見せるとふむふむとモニター前の椅子に座った。
「とりあえず、第1回予想はバカなのに参加のマシャヤ様」
するとモニターの画面が各部屋や場所を小さな画面でいくつも映し出す。指でリモコンをいじりマシャヤを映した。
「っ!?」
「……おや?」
震え。画面を見る俺を見透かした様に執事が笑う。グラスに注がれたワイン。不敵に笑う男。
「……やります?」
「ぐ、あ、やりだいでず!」
俺は負けた。モニター前の社長みたいな椅子に座り、中身は葡萄ジュースのグラスを持って不敵に笑う。
「さあ!ゲームの始まりだ!」
「良いですね!ハル様。次は我が屋敷の猫様を膝に乗せますか?」
コイツ。分かってやがる。乗せるのも上げるのも上手いコイツに何だかんだ楽しい時間が終わった。
「ところでアンタの名前は?」
「咲田グレート・スーパーパワーJr.三世。時持です」
首を痛いくらいに傾げてしまう。何て?
「うちは歴代襲名でして、一部が先々代のご主人様が幼少期に名付けた名前になっております」
なるほど。ロボットが名前をいじったのは同族嫌悪か……。
観察1日目。終了。
ハル。普通。髪も目も焦げ茶。特徴のないショートカット。囲碁より将棋好き。好のタイプはわかんないけど可愛い子。