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変わる主役と始めるゲーム

桜咲く春。わたしは一浪したけど何とか行きたかった大学に行けた。全ての事を覚えている。優実ちゃんに聞いたけど彼女にはデスゲームの記憶が無いらしい。夢でも見てたんじゃない?と言われてしまった。


長い入院だったと聞いたけど体も健康だ。それに夢じゃないと断言できる。


そっとネックレスを取り出してそれを身に付けた。デスゲームの運営側が出したお薬を飲んだからか二人の愛の証を残せなかったけど、これはまだ私の手元にある。


「おい。サト遅れるぜ?」


「あ、うん!」


同じ大学にあの真斜矢くんも居る。が彼も覚えてしない。彼は直ぐに友達になってくれた。優実ちゃんと彼の彼女の見た目は派手だけど良い子の彼女さんとよく遊んでいる。


わたしは変わった。と思う。メイクも少しはしてるしお友達も増やしている。服も明るい服にしてるしやりたい事も出来た。依存はまだ会えない彼に少しはしてしまうがそこまではしてないと思う。


二人は生きていた。だから彼も生きていると望みをかけたい。


大学の授業が終わる帰り道。門の辺りが騒がしい。もしかして尻にしかれぱなしの真斜矢くんがまた痴話げんか!と慌ててそこに向かう。


が、違うらしい。良かった。有名イケメンが居るので騒いでいるらしい。


「ごめんね?婚約者が来たみたい」


軽く女の子に手を振って真っすぐこちらに来る。違う。年も下の筈だ。彼は身長も高くないし逞しくない。いや、意外に逞しくていや、でも。すごく前の事で鮮明には思い出せない。


こんなキラキラしたイケメンでは……あるけど。立ってるのはおかしい!そんな事をぐるぐる考えていると突然。抱き上げられた。


「どこ行くの?」


思い出と違う。だって瞳も黒だけど金色が入っているけどこんなに金が多くなかった。髪も白と黒だけど前髪長くないし後ろに上げられている。弱い声では無いし健康的肌でもない。ないけど。


「タケタカくん?」


「うん。お待たせ」



あっさりとあっさりと認められた。下ろされてぎゅっと抱きしめられてしまう。


「行こう」


手を引かれて歩く道。小さな子とその奥さんらしき人と歩く幸せそうなサラリーマン。巨大看板になっている「集まれミステリー」の本の宣伝文字とその著者の可愛い女の子の写真。グロテスクな映画を見るか囲碁のテーマの映画にするかを揉めながら歩くカップルと嗜める別の美男美女のカップル。


「待って下さい!アンを貴方のアンをおいていかないで!!」


その大きな声に振り向く。知ってるような。知らないような?どこかで見た誰か。大切な思い出。


「先ずは紗友の家に行ってご両親にご挨拶して入籍だけでもさせてもらおう?」


「え」


だめ?と甘えた顔。その顔に弱い。あの頃もとても無茶をした。まてよ。もしも彼が健康になったのなら、あの倍の事をするの!?


「で、ボクの家族と……会ってもらいたい奴らがいるんだ」


何だか照れくさそうに笑う彼に頷く。


「うん。いつ会える?」


「夜だよ。たこ焼きパーティーだってさ。好き?」


好きだよと答えてまた歩き出す。どこからか珈琲の香りがした気がした。懐かしい。そんな記憶。幼い頃に怪我をした彼を助けてあげた。遠い親戚から安く譲って貰った喫茶店で働く祖母が近くに居たのを思い出して連れて行く。そこは思い出。


祖母が手当てしてミルクたっぷりの珈琲を出してくれた。目を丸くしてふーふーして飲んだ。


「今度はわたしがいれてあげる」


約束は守られなかったけど、これから機会だってある筈だ。


「ご挨拶が済んだらいっぱい……ね?」


「ね???」


笑顔の後の冷たい顔。そうだ。この顔をした時はえっちな事をされるんだった!!


「お、お手柔らかに」


「いや」


断られてしまった。手を繋いでいる。そうだ。車椅子じゃないから繋げるんだ。ぎゅっと握る。


「沢山。言わないといけない事があるんだ。許されないなら一生償う」


時間はあるんだ。いいよね。


「いいよ。沢山、叱ってあげる」


ふいに誰かの言葉が私と重なった気がした。胸に手を押さえる。ドキドキする心臓。誰かの記憶。何だか幸せな気分だ。


その後。まさかの入籍が許可されて彼のお嫁さんになった。


挨拶が終わった後は彼の一人で暮らすには大きなお部屋で……その、まあ色々と寂しかった想いとか埋め合い。をしました。言えない。


それから夜に懐かしのメンバーと再会。彼のお母さんに見覚えがあり聞けばまさかの瓜二つな人物登場。濃すぎるメンバー共に大きなスクリーンで映像を見た。


上手く編集されていてる。昔の自分が恥ずかしい。実は陰で行われていたクイズとは言い難い賭け事の様子もまるでドラマみたいだった。


長編映画を見終わった後みたいな満足感。で、その後は彼も怒られたがってるみたいだから沢山、沢山。彼を叱った。叱ってるのに彼は嬉しそうだ。


デスゲーム。私には縁のない物だった。


「え、あの子が?」


「そう。やりたいってさ」


時は流れ。私には三人の子供がいる。上の子は興味が無く表側の会社で働いている。下の子は大学で普通の女の子を経験させている。この子はわたしに似て怖がりで興味は無い。だが、三男はやりたいと言い出した。


「知り合いを三人ほど呼びたいらしいよ」


渡される資料と名簿。そうと決まれば作戦会議だ。地下の観察ルームに向かう。


「あれ、奥様。どうなさったんです。何ありました?」


別のデスゲームを管理しているサキタと良い相棒になったアンがこちら見る。


「以降のデスゲームはキャンセル。特別なデスゲーム開催よ!」


「わー。久しぶりの紗友ちゃんの本気モードデスゲームだ」


わーとパチパチと武隆が拍手してくれた。周りの執事達も拍手する。それを片手で止めて。スクリーン前にデスクを出した。


私はこちらの会社の全てを任されている。思ったよりも好きだったみたい。


「サキタとアンは今の案件を怒涛の展開のフリをして予定よりも早めに終わらせて。キョウコさんはハイブランドの衣装の準備。シキ。最高にグロイ。ダミー死体の製作は任せたわ。ロボは今度は高飛車お嬢様。セイ。貴女の娘のデビュー戦よ」


興奮しているセイの娘とその父親を押しのけて、血のりをつけたシキがこちらに来る。いつ見てもマットなお医者さんみたいね。


「旦那が来てくれるってさ」


シキの旦那のハル。彼は平凡だが人の心に入り込んで誰でも直ぐにとはいかないが仲良くなる不思議な力がある。だから、メンタルに来た医者にかかる程ではないメイドや執事や黒服の悩み事を聞き出してくれているのだ。


何より暴走しがちな。サキタやアンやタケタカやシキのストッパーも出来る。



「ボクは紗友ちゃん?」


「貴方は暴走しちゃうから基本は表の会社のお仕事です」


やる事は沢山ある。会議もテストもしなくてはいけない。さあ。始めよう。デスゲームで花嫁当てゲームを!

紗友(サト)友一族と言う変わった能力があったらしい一族らしいが。それはもう薄い。とある女性の魂を分けた生まれ変わり。好きなタイプは頼りになる人。


武隆タケタカこのゲームの元凶。色んな性癖があるが運命の人が一番の性癖。好きなタイプは運命の人。

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