90: 北部方面 ソフィア達の戦い
北部にはソフィア、サーニャ、カレンと書きましたが、カレンとサイカを入れ替えました
修正済みです
※書くのを忘れてました
11話と12話の間にハルト過去編を書いてます
それから、1話の冒頭にクローディアとガヴリールの会話を追加しました
これはハルトの転移の理由を早めに出したためです
北部方面に向かったソフィア達は、王国軍と共に邪神の到来に備えていた
「ソフィアさん、こちらに向かってくると思いますか?」
「どうでしょう…サイカはどう思いますか?」
「分かりません」
「そうですよね」
「多分来ない…」
「サーニャ?」
「団長は恐らく公国側に来ると予想をしている…」
「ご主人様ならソフィアさんとカナエさんを、公国にいかせたくないと思ったんじゃないですか?」
「それはありそう…」
「そうですかね?」
ソフィアは照れている
その時、兵士達がざわめき始める
「どうしたんですか?」
「モンスターが現れました」
「数はどの程度ですか?」
「およそ200ほどです」
「ならば問題ないですね」
邪神が到来するまでまだ時間があるので、モンスターが出てきたのは恐らく瘴気の影響であろう
「将軍はこのまま撃退しつつ、異次元の壁を監視する予定です」
「そうですか。では、私たちは待機しておきます」
「了解しました」
まだソフィア達は動く必要はないと判断した
「私は?…」
「サーニャは警戒に戻ってください」
「わかった…」
「私は兵士達と一緒に後方で支援に入ります」
「気をつけてください。サイカ」
「はい、行ってきます」
邪神もしくは眷属とは、ソフィアしか相手にできない
異次元の壁からは一体ずつしか出てこないと予想されているため、ソフィアは迎え撃つ準備をする
「私が頑張らないと…」
ハルトから任されたことで、少し気負っている
「ソフィアさん」
「なんですか?」
「気負いすぎですよ」
「…わかっています」
「ならばよいのですが…」
王国の女兵士から忠告をされるが、ソフィアは問題ないと言った
「ハルトさんから任されたんだから私が倒す」
「ソフィアさん…」
その時、事態が動いた
「来たぞ!」
「空に亀裂が走っている!」
空を見上げる兵士たちから戸惑いの声が上がる
「凄い光景ですね…」
「はい、あなたも後ろに下がってください」
「分かりました。ご武運を」
女兵士を下がらせたソフィアは、亀裂を睨みつける
「来なさい」
ソフィアの言葉に反応したが如く亀裂が大きく裂け、中から大量のモンスターと明らかに存在感の違う眷属と思われる存在が現れた
「あれが眷属ですか…」
体長は人間とそれほど変わらないが、凄まじい威圧感に兵士達が震え上がる
「厄介ですね」
ソフィアもその威圧感を感じ取り、早く排除しなければまずいことになると予感した
「私が前に出ます。皆さんはモンスターを食い止めてください」
「分かりました!」
兵士からの返事を受け取ったソフィアは、眷属へと向けて加速を始める
「ほう、雑魚ばかりかと思ったがなかなかの使い手もいるようだ」
ソフィアの接近を感知し、即座に力量を把握した眷属は迎え打つ体制をとる
「貴様はこの世界の神々から、我らを倒すように頼まれたのか?」
「そうです。あなたは邪神ですか?」
「違う。我は邪神様に仕える者だ」
「やはりそうですか…では、倒します」
「無駄なことを…我らにかなうはずなどないのに」
「やってみなければわかりません」
ソフィアは問答は無用と眷属へと切り掛る
「鋭い斬撃だ」
「簡単に止めますか…」
眷属も手にした剣でソフィアの斬撃を受け止める
「人間が我を傷つけることなどできない」
「そうですか…では行きます」
眷属は余裕を持っているが、ソフィアが神気を解放すると途端に表情を変える
「なんだと?」
「人間を舐めないことです」
神気を発動したソフィアは眷属と対等に斬り結ぶ
「ぐっ、馬鹿な…」
「私は剣神から教えを受けています。簡単には倒されませんよ」
ソフィアの鋭くなる斬撃に、さしもの眷属も推され始めたように見えたが…
「だが甘い」
「なっ」
眷属も神気を発動すると、ソフィアは弾き飛ばされる
「きゃ!」
「気をつけてソフィア…」
「サーニャ」
吹き飛ばされたソフィアを、サーニャが素早く受け止める
「ありがとうございます」
「気をつけて…相手は強い…」
「様子見している場合ではありませんね」
眷属を相手に様子見をしている場合ではないと思ったソフィアが、さらに神気を解放する
「ほう…まさか人間がそれほどの神気を操るとは」
ソフィアの神気を感じ取った眷属は余裕の表情を消した
「剣神流…迅雷剣!」
「速い…」
眷属は少しは驚いたようだが、余裕で捌いている
「この程度ではまだ足りんぞ」
ソフィアの隙を突いて攻撃をしてくる
「邪眼発動」
眷属が使った邪眼は相手の力量によって効果が違うが、ソフィアは動きを阻害されはじめた
「こんなもの…」
「無駄だ。我の邪眼は見ているものに影響を与える」
「隙あり…」
隙をついてサーニャ攻撃を仕掛けるが、まるで相手にされていない
「ふん、貴様では我に届かんよ」
「がっ…」
眷属が軽く手を振るっただけでサーニャは吹き飛ばされる
「サーニャ!」
「大丈夫…」
サーニャもハルトの眷属化を行ない肉体能力を上げているため、致命傷にはならなかった
「私が治療します」
「お願い…」
サイカが治療をしている間もソフィアは眷属と斬り結んでいた
「邪眼を受けてもここまでやるとはな。面白い、名を聞こう」
「…ソフィアです」
「そうか、我は邪神様の眷属。キルギスだ」
「覚えておきます」
「覚えておく必要はないぞ?すぐにあの世へ送ってやろう」
邪眼の圧力が上がったことで、ソフィアは膝をつく
「ぐっ、まだ上がりますか」
「ふっ」
「ですが…」
ハルトとの契約で万象を操る力を一部使えるようになったソフィアは、キルギスの顔を覆うように簡単な結界を張る
「これで!」
「な!」
簡単とはいえ結界に邪眼を遮られたことで、油断していたキルギスに高速で近づいたソフィアの斬撃が迫る
「ぐうっ!なぜそんなに動ける」
「結界ですよ」
「結界だと?」
「あなたの邪眼は直接見ないと発動しないのでしょう?」
「なぜそれを…」
「試しに顔の周りに結界を張ったら、圧力が消えましたからね」
邪神の影響を消したことで自由に動けるようになったソフィアが奥義を放つ
「剣神流奥義…神速剣・極」
「ちぃ!」
わずかにかわし損ねたキルギスの右腕が切れ飛ばされる
「おのれ!」
「まだです!」
ソフィアとギルキスの技がぶつかり合う
「剣神流最終奥義…次元斬!」
「受けろ!破壊の邪眼!」
ソフィアの張った簡易結界を突き破り、キルギスの邪眼がソフィアの技と空中でぶつかり合う
「はぁぁぁぁ!」
「ぐぅ!」
ソフィアの次元斬は完全ではないため、押し切ることができず空中で拮抗する
その時、動く影があった
「援護…残影剣」
「ご主人様から受け取ったこれを今使う時です!」
サーニャの攻撃でキルギスの注意を引いたところで、ハルトの作ったコショウ爆弾が炸裂する
「ぐあっ!なんだこれは!」
思わず目を閉じてしまったキルギスにソフィアの次元斬が迫る
「しまっ…」
ソフィアの次元斬は本当に次元を切り裂くほどでは無いが、キルギスを消し飛ばすには十分だった
「はあはあ。まさか…我が破れるとは…」
「あなたは強かったですよ…」
「見事だ…」
「私だけの力ではありません」
「かまわぬ。人間の力、見せて…もら…」
半身を消し飛ばされたキルギスは力尽きる
「サーニャ、サイカ」
「倒した…」
「うまく決まりましたね」
「あれは何ですか。サイカ?」
「ご主人様がお試しで作ったものを預かっていたのです」
ハルトが冗談で作ったものをサイカはずっと持っていた
それがたまたま今回のキルギスに有効であったのだ
「そうですか、あの人はたまに変なものを作りますからね」
「料理も…」
「ふふ、そうですね」
「ソフィアさん、あとはモンスターだけです」
「倒してしまいましょう」
ソフィア達は王国軍と共に残るモンスターを全て倒した




