83: ゲンズ攻略戦(2)
飛行船を降下させ、ゲンズの王都から移動していた集団に話を聞く
「すまないが、話を聞かせてほしい」
「な、なんだ、お前たちは!」
「空から降りてくるなんて、何者だ!」
「俺たちは黒の傭兵団だ」
「なっ!あんたらが、あの黒の傭兵団なのか?」
「確かに全員黒い鎧をしている…」
「俺達は助かるかもしれない」
「なぁ、頼むよ。助けてくれ!」
「助けるのは構わないが、まずは事情を説明してくれ」
「わかった」
彼らの話を要約するとこうだ
ゲンズの国王が、瘴気の影響でおかしくなったこと
国民の中でも、おかしくなっているものが増えてきたこと
突然、軍が現れて国民を連れて行ったこと
噂でしかないが、連れていかれた国民は、何かの生贄にされているらしいこと
そのため、国民は王都から逃げ出しているらしい
「そうか、君らは逃げ出しているのだな?」
「そ、そうだ」
「生贄にされるのなんて嫌よ」
「助けてくれるのか?」
「心配ない。俺達は原因を解決するために、ここに来たんだからな」
「お願いします!まだ残っている人達がいるんです!」
「体の不自由なやつらは動けないんだ…」
「俺たちも助けようとはしたんだが、馬車なんかは先に逃げた奴が全部持って行ったんだ…」
「分かった、すぐに王都に突入するぞ!」
「了解!」
「クレイ隊は、彼らを飛行船に乗せて防衛に徹しろ。ソフィア隊は王都の捜索だ」
ハルトの号令で一斉に動き出す
王都に突入したハルト達は、住人を捜索しながら進んでいく
「住人には見つかったか?」
「まだ見つかっていません」
「場所は聞いていたんじゃないのか?」
「そうなのですが、聞いていた場所にはいないのです」
「なんだと」
「自力では逃げられないと聞いていますので、連れ去られたとみて間違いありません」
「ちっ!」
「団長!」
「どうした?」
「ゲンズ軍と交戦しました」
「どうなった?」
「兵を捕らえて、現在尋問しております」
「そうか」
「分かり次第こちらに…来たようです」
「団長、分かりました。王宮へ連れていかれたようです」
「すぐに王宮へ向かうぞ!」
「了解!」
王宮へ向かったハルトたちの前に、ゲンズの軍が現れる
「何者だ、貴様ら!」
「怪しいやつらめ!」
「捕らえよ!」
「ふむ、ここは儂らにお任せを」
「団長は先に向かってください」
「わかった。ソフィア、カナエ行くぞ!」
「はい!」
「わかりました!」
クレイとソフィア隊に任せて、先を急ぐ
「くそ、先へ行かせるな!」
「何だこいつら、早いぞ!」
「貴様ら程度が、団長達を止められるわけがなかろう」
「無理無理」
「俺たちだって、目で追うのがやっとだってのに」
「黙れ、貴様ら!」
「我らに逆らうとは!」
あっさりと、抜かれたゲンズ軍は憤っているが、ハルト達を止めることなど不可能だ
「任せたぞ!」
「お任せを!すぐに向かいます」
ゲンズ軍を軽く振り切った、ハルトは王宮に到達する
「待て、ここは王宮だぞ。許可無きものは、入れるわけにはいかない」
「許可など必要ないな」
「貴様ら、黒の傭兵団か?」
「そうだ」
「…頼みがある」
「何だ?」
「城の裏手にある、地下施設に住人が連れ去られている。助け出してもらいたい」
「なぜ、俺たちに教える?」
「俺は怖くて逆らえなかったんだ…」
「そうか…」
「頼む…彼らを助けてやってくれ」
「情報感謝する」
教えられた通り、城の裏手に回ると、地下への入口を発見する
「これが入り口か」
「罠の可能性はないですか?」
「あれで嘘をついているのなら、相当な役者だろう」
「確かに…嘘をついているようには見えませんでしたね」
「さあ、突入するぞ」
「分かりました」
地下へと降りていくと、怪しい扉を発見する
「この先が怪しいな」
「いかにもな扉ですね」
「これほど怪しい扉は見たことがありません」
「開けるぞ」
扉を開けた先には、後ろ手に縛られた人達が、多数横たわっていた
「大丈夫か?」
「あなた達は?」
「俺たちは黒の傭兵団だ」
「あなた達が…」
「逃げてください」
「もうすぐ国王がやってくるはずです」
「逃げろだと?一体何があった」
「国王は邪神に生贄を捧げて力を得る気です」
「やはりか」
「既に数100人も生贄にされて、私達ももうすぐ生贄になるでしょう」
「そんなことはさせない」
「無理なんです。助けてくれようとした騎士達も、勝てませんでした」
「国王は死なないんだ」
「どういうことだ?」
「生贄の数だけ命を得るらしい。そのせいで、いくら殺しても死なないんだ…」
「そんなことが可能なのですか?」
「わからんが、厄介なことには違いない」
「わかったのなら、すぐに逃げてください」
「そういうわけにはいかない」
「なぜ…」
「邪神を倒そうというのに、国王程度倒せなくては無理だろう」
「邪神を?!」
「そんなことができるのか!?」
「そのために鍛えているんでな」
「………」
「ふはは!そのようなことが、できるはずがないわ!」
「貴様が国王か?」
「その通りだ」
「ならば倒させてもらおう」
「かかってくるがいい」
ハルトとゲンズ国王の戦いが始まる




