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80: カナエ過去編

メンテに気付かず、危うく書いていた文章が全部消えてしまう所でした(汗)


宣言どうり、カナエの過去編です


アクセス数が3万でミルクの過去編にしましょうかね?



私の名前はカナエです


セロの街で傭兵ギルドの受付嬢として働いています


「あの…聞いてますか?」

「え?」

「用がないのでしたら、退いてもらえるとありがたいのですが」

「す、すみません」


受付に並んでいた、なんだか頼りない男の人がボーとしていたので注意をした


「どうしたのかしら?」

「カナエさん、この書類をお願いします」

「分かりました」


書類仕事をしていると、ヴェルナーさんがさっきの男の人に色々と教えているようだ


「あの、すいません。登録をしたいのですけど…」

「はい、ではスキルを調べさせてもらえますね」

「スキルですか?」

「先程、ヴェルナーさんと話をしていた時にスキルのことを知らないようだったので」

「あっ、はい、分かりましたお願いします」


やっぱり、なんだか頼りないわね


この時の出会いが、私の人生を変えることになるとは知る由もなかった


それからヴェルナーさんについて頑張っていたようだが、やっぱり頼りない


でも、物腰は柔らかだし、笑顔は素敵なので、私はちょっと気に入っていた


ソフィアさんやミルクさん達を、奴隷として買って連れてきた時には、胸がもやもやとしたものだ



「カナエ!」

「どうしたんですか、ギルドマスター」

「厄災が発生した可能性がある」

「えっ?厄災ですか?」

「そうだ」

「大変じゃないですか?!」

「すぐに領主に連絡してくれ」

「手配します」


この時はもうダメかと思った


傭兵ギルドは、厄災が発生したら逃げ出すことは許されない


街が滅ぼされてしまえば、私たちも一緒に滅ぶことになるだろう


まさか、ハルトさんが兵器を開発してオークを退けるなんて…


まして、オークロードの単独討伐をするなんて夢にも思わなかった


「助かったわね…」

「本当にそうよね」

「ハルトさんは凄いわ」

「最初は頼りなかったのに、随分と変わったもんね」

「私、狙ってみようかしら?」

「ずるい、私が先に目をつけていたのよ」

「うそばっかり、あなた、ヴェルナーさんが好きだったじゃない」

「それは前の話でしょ!」

「ハルトさんは、たぶん知ってるわよ」

「ええ!?」


「そう言えば、国王陛下から呼ばれたんでしょ?」

「今回の活躍で、貴族様になるかもしれないって噂があるわよね」

「やっぱり、アタックしてみようかな」

「あなたじゃ無理よ」

「なんでよ!」



受付嬢達からすごく人気が出ているのを、ハルトさんは知らないだろう


他の子たちの会話をぼんやりと聞いていると、ハルトさんがやってきた


「カナエさん」

「おかえりなさい、ハルトさん」

「開拓地を任されることになったので、この街から離れることになりました」

「え?」

「お世話になりました」

「は、はい」

「たまには遊びに来ますので、顔を出すかもしれません。その時はよろしくお願いします」

「が、頑張ってください」

「それでは、失礼します」


ハルトさんが街から居なくなる…


そう聞いた私は胸が張り裂けそうになった




「おうカナエ、久しぶりだな」

「ヴェルナーさん、お久しぶりです」

「聞いたか?坊主のやつ、活躍しまくって英雄だか死神だかって、呼ばれてるんだろう?」

「そうですね、傭兵ギルドにも情報が入ってきますが、すごく活躍しているようです」

「俺も開拓地に行ってみるかな」

「お仕事はいいんですか?」

「帝国に行こうかと思ってたんだが、解決しそうだから今から行っても、稼げねーだろうからな」

「そうですか…」

「なんだ?坊主が居なくなって寂しいのか?」

「なっ!?そんなわけ…」


ハルトさんの活躍を聞くたび、嬉しくもあったが、寂しさを感じていたわね


「まあ、坊主はいずれ、有名になるとは思ってたがな」

「そうなんですか?」

「ああ、他の奴とは考え方というか、見てる視点が違ったからな。ああいうやつは伸びるんだよ」

「へぇ〜」

「寂しいんだったら、追いかけていったらどうだ?」

「できませんよ、そんなこと…」

「なんでだ?」

「私が行ったって役に立ちませんから」

「そうか?坊主は喜ぶと思うがな…」

「え?」

「英雄だなんだと持ち上げられてはいるが、坊主からしたら気を抜くことができないだろう。カナエなら支えてやることができると思うがな」

「私なら…」

「もし坊主が頼ってきたら、力を貸してやってくれ」

「…分かりました」



私の田舎は小さい村で、お金なんて全然なかった


突然のモンスターの侵攻で、村は壊滅、両親と弟はモンスターに殺されてしまった…


たまたま近くで狩りをしていた傭兵が駆けつけてくれて、私と数人の村人は助かることができた


それから私は、モンスターの被害に苦しむ人を助けるために傭兵を目指したが、私には才能がなかった


幸い容姿は人より多少優れていたので、受付嬢として傭兵を支える立場につくことができた


色んな傭兵を見てきたが、ハルトさんは明らかに異質であった


あの、頼りなかった男の人が、今や英雄と呼ばれ、国を救うほどの活躍をしている


私のなんかの力が本当に必要なのだろうか?


この時の私はそう思っていた



「お久しぶりですね、カナエさん」

「お久しぶりです。ソフィアさん」

「お時間よろしいですか?」

「何かご用ですか?」

「実は…」


旦那様が転移者であること、私がその影響で、聖女としての力を得ていたことを聞かされた


「私が聖女…」

「はい」

「ハルトは私の力が必要なんですね?」

「そうなります」


その時、ヴェルナーさんに言われた言葉を思い出していた


「坊主が頼ってきたら、力を貸してやってくれ」


私なんかが、英雄と呼ばれるハルトさんの力になれる、そう思ったらすごく嬉しかった


その後の言葉を聞くまでは…


「私は団長と結婚しました」

「は?」


頭が真っ白になる


ハルトさんとソフィアさんが結婚?


「そ、それはどういうことですか、聖女と関係が?」

「その…」


ハルトさんのスキルを解放するために、間違って関係を持ってしまったこと


その後、責任を取ると言って、結婚をしてくれたことを聞いた


「そ、そう、そうなんですか…」

「随分と動揺していますね?」

「そそそ!そんな事はありません!」

「まさかカナエさんも?」

「何がですか?!」

「もし、団長を好いているというのであれば、一緒に支えてほしいのです」

「一緒に?」

「はい、他の人だったら私はなんとしてでも、邪魔をしたでしょうが、カナエさんだからお願いしたいのです」

「…分かりました。私で役に立てるのなら」

「では、お願いします」


こうして私は旦那様に結婚を迫り、無事受け入れてもらうことができた



まさか人類の命運をかけた戦いに身を投じていくとは、その時はまだ思っていなかった




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