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71: 気球船量産

大陸各地に兵士を送り込む為に気球船を作ることにしたハルト


「こちらの区画に素材を集めております」

「一体どれだけ集めたんだ…」


まるで付近一帯の森をすべて伐採したかのような数の木が集まっていた


「帝国中から集めております」

「さすがは陛下だな、状況をよく理解して準備をしてある」

「気球船の作り方をわかるやつはいるか?」

「あなたしかわかりませんよ」

「なら、最初に説明しながら作るから覚えてくれ」

「「わかりました」」


一つ一つ細かく説明しながら作り上げていく


「重量は気にしなくていいから、とにかく丈夫に作り上げてくれ」

「わかりました」

「作ります〜」

「面白そう…」

「物作りは得意です!」



女性陣は全員物質操作を扱えるので一斉に帝都の外に気球船を作り上げていく


「儂らは素材を集めに行きます」

「木材は少し多めに集めてくれ」

「そんなに必要なのですか?」

「万が一を考えて、大型の船を作る」

「船を?」

「ああ、戦いが激しくなれば、海から海水が流れてくる可能性があるので、各地に大型船を置いて万が一水が流れてきても船に避難できるようにしておく」

「なるほど」


日本では地震で津波が発生することがあったので、作っておくのは間違いではないはずだ


帝国の住人は先の戦いで人数が減っているのである程度の大型船の数があれば十分避難できるはずだ


「こちらでも木材を下さい」

「こちらの気球船は完成したので、他の町に移動させてください」


作った気球船は帝国各地へと送られていく


数千人が乗れるサイズなので置いておくと邪魔になるし、操縦の練習としても移動させておいた方がいい


「ある程度の数が作れたな」

「そうですね」

「では、半数は王国に向かってくれ。カナエ、王国で気球船作成の指揮をとってくれ」

「わかりました」


王国にカナエ達を送って気球船を作って貰う事にする


「ハルト様、公国には使者を送っていますがどうなさいますか?」

「俺は公国には行ったことがないし、どのような思想をしているかわからないので、気球船を渡すのは危険かもしれないな」

「独自に防衛体制は整えているようですので、問題はないかと思われます」


気球船は軍事転用すれば他国を侵略することも容易なので、公国の事情が分からない状態では渡すのは怖い


過去の大氾濫の時に王国に攻め込んだ過去があるので、信用するのは難しい


今の時代の人間に責任を負わせるのは違うだろうがな




ハルトが防衛の準備を整えている間、神々は天界で邪神の侵入を防ぐため、力を尽くしていた


「邪神達はかなりの力を持っているようじゃな」

「ゼウスのじいさん、あんまり持たないぜ」

「遥斗くんが体制を整えるまでなんとか持たせるのよ」

「人間たちは何とか準備を整えているようじゃが、時間が足りていない」

「遥斗が向こうに行ってから準備をしてたんじゃないのか?」

「1年じゃ無理よ、帝国なんて国土の奪還もしなきゃいけなかったんだから」

「俺たちのことを信じてない国も多いみたいだしな」

「無理もあるまい、我々は人間たちに干渉してこなかったのじゃからな」

「人間達の自立を促すのも必要なことではありますが、神々が人間を導くのも悪いことではありませんよ」

「善神ではないか」

「ご無沙汰しております」

「うむ10万年ぶりだったかな?」


善神は邪神達がいた世界の神の1人である


「ご迷惑をおかけして申し訳ございません」

「勘弁してほしいぜ」

「別の次元へと封印するつもりではありましたが、逃げられてしまったのです」

「そんなに厄介なやつらなの?」

「はい人間が生み出した神ではありますが、厄介な力を持っております」

「厄介な力?」

「はい、人間が神に対する恨みで生み出したものなので、神に対しては絶対的な力を発揮するのです」

「神に対する恨みじゃと?」

「我らの世界で大規模な災害が発生したことで、多くの人間が亡くなりました。救ってくれなかった神に対して人間たちが恨んだのです」

「そちらの世界では、神の存在が人間たちに知られているのだったな」

「我々は人間たちに救いの手を差し伸べる準備をしておりましたが、人間の手で困難を乗り越えるべきだと言う意見が多数を占めたため、放置してしまいました」

「それで犠牲者が多かったから、人間に恨まれたというわけか」

「その通りです。神を殺す者として作り出されたのが、邪神達です」


神がいるのに助けてくれなかったことで、人間たちは恨みに思った


普段から何か困ったことがあれば神から神託を受けて解決をしていた


神に頼りきっていたため、自らの手で解決するという発想に至ることができなかったのだ


「やっぱり干渉しすぎるのは良くないな」

「そうよね」

「こちらの人間達は、自分達の手で守ろうとしておるからな」

「外の世界のことですので、私が言うことではありませんね」

「それで何でこちらに来たんだ?」

「私の力で邪神達が侵入してくる時間を少しだけ伸ばすことができますので、お手伝いに参りました」

「そうか、では頼む」

「かしこまりました」


善神は悪しき力を防ぐことができるので、邪神に対しても有効な力を持っている


だが1人では勝つことができないので、結局は逃げられてしまったのだ


「遥斗よ」

「ん?じいさんか?」


ハルトはミルクを泣かせたゼウスを敬うのをやめた


「別の世界から善神が来て、次元の壁を破られるまであと3ヶ月ほど伸ばすことができた」

「そりゃありがたい」

「準備を進めてくれ」

「わかった礼を言っておいてくれ」


この3ヶ月間でアルト達は大いに救われることになる

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