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69: 残された者達

ハルト達が修行をはじめて、現実世界で10ヶ月が過ぎた


王国と帝国は邪神の到来に備えて、人類の戦力を集結させるべく交渉を繰り返していた






「ダンタリオン陛下」

「どうした」

「帝国南部の領土の奪還に成功いたしました」

「そうか!ようやく奪還に成功したか」

「はい、これでようやく邪神に備えることができます」

「そのことだがな、小国の中では存在を認めていない国がいくつもある」

「それはしょうがないでしょうな、主神ゼウス様の存在は我らしかお姿を拝見することができていませんからな」

「邪神がどこに現れるかわからない状況で、人類がまとまることができていないとなれば付け入る隙を与えることになるだろう」

「仕方ありません、ハルト殿が戻り次第、気球船を製造していただきましょう」

「それしか、大陸を素早く移動することはできないだろうな」

「ハルト殿ならば、空を飛んで移動できますが、軍を移動するとなれば気球船が必要です」

「ならば、素材を集めて準備だけはしておこうじゃないか」

「手配しておきます」


この判断が帝国の民を救うとは、まだ分かっていなかった


「それでは、軍備を進めておきましょう」

「うむ、とにかくまずはモンスターを一掃することから始めようじゃないか」

「今のままでは取り返しただけで復興までは掛かれませんからな」

「邪神との戦いでどの程度被害を受けるかは分からないが、復興は進めておくべきだろう」

「魔帝の前例がありますから、モンスターが再度暴走する可能性も含めて早めに討伐するのがよろしいかと存じます」

「傭兵たちはどうした?」

「現在、グランドギルドマスターが傭兵たちをまとめているところでございます」

「小国は協力をしないようだが、傭兵たちをうまく使えば被害はなるべく抑えられるはずだ」




帝国は着々と準備を進めていた





一方、王国では


「国王陛下、まずいですぞ、小国が参加を拒否しております」

「なんだと」

「おそらくわが国と帝国を舐めているのでしょう」

「厄災による被害から国力が落ちていると睨んでおるのだろうな」

「小国を守る必要があるのでしょうか?」

「我らとて余裕はないが神に頼まれたのならば守らねばなるまい」

「しかし、被害が出てからでしか軍を派遣することはできませんぞ」

「そこまでは面倒見切れんよ」

「分かりました。なるべく早く派遣できるように準備はしておきます」

「あと2ヶ月ほどで来るのだろう?」

「予定ではそのように聞いておりますが、早く来ることも考えられます」

「気球船がないのが悔やまれるな」

「開発は進めておりますが、ハルト殿がいないため、肝心な部分が分かりません」

「技術者はなんて言っておるのだ」

「実物がないため、設計図がない状態で開発をするのは難しいとのことです」

「原理は分かっておるのだろう?」

「単純に浮かせるだけならば可能ですが、安全に航行させるのは難しいとのことです」

「そうか」


ハルトが作った気球船は破壊されてしまい、帝国南部に残されてはいるが、肝心なことは分かっていなかった


ハルトはスキルで飛ばしていたので、適当な作りでも飛ばせることができたが、実際の気球船を作ろうとすればかなりの時間がかかる


まして原理もよくわかっていない状態で作ることなど難しいに決まっている


「とにかく浮かせるだけでもいいから安全にできるように作らせろ」

「なぜですか?」

「浮くだけでも空から監視できるなら十分な効果がある」

「なるほど」

「まずは簡単なものから作って、あとは発展させていくしかあるまい」

「手配しておきます」


国王の判断によって王国はモンスターの被害を最小限にとどめることができるようになる


大国の元首が被害を抑えるため、最大限の判断を下している中、いくつかの小国は自らの首を絞めていた





ある小国の話


「ふん、大国などと言われてはいるが、大したことはないな」

「神などを信じて無駄な準備をしているようですな」

「邪神など居るはずがないだろうに無駄な金を使っておるわ」

「まったくですな」

「国民から集めた金はこの私のものだ、余計なことに金を使うことなど許されない」

「私にもお願いいたしますぞ」

「わかっておるわ、宰相」

「今年度も軍事費を抑えておりますので、また贅沢が出来ますぞ」

「ふふふ、ところで、帝国から流れてきたはずの女どもはどうしたのだ」

「帝国は領土を回復しましたからな、戻ったのではないですかな?」

「もったいないことだ、帝国の女は美女が多かったというのに」

「まだ奴隷がいるはずですから、購入されてはどうですか?」

「奴隷など、抵抗できない者をいたぶっても楽しくあるまい」

「陛下の趣味にも困ったもんですな」

「貴様になど言われたくはないわ」


小国の王は愚かであった


確かに邪神などと言われても信じることは難しいだろうが、大国の二国が準備を整えているというのに全く準備をする気配もない


優秀な王であるならば、自国のために情報収集を怠らず、防備を固めるため軍備を整えているはずだ


この決断が吉と出るのか、凶と出るのかはもうすぐ分かることになる

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