49:帝都へ
「ハルト殿」
「ダンタリオン陛下」
「よろしく頼む」
「本当に行くんですね」
「勿論だとも」
「ではこちらを」
「これは…クズ石を使ってるのか?」
「よく分かりましたね。鎧はクズ石を鉄でコーティングして作ってますから見た目は鉄製ですが硬度は折り紙付きです。剣はクズ石のコーティングにしてます」
「おお!これはいいな」
「これなら少しは安全でしょう」
「感謝する!」
気球船に乗り込み帝国に向かうが3日掛かる
「これはいい眺めだな」
「気球船じゃないと見れない光景ですね」
「そうだな…この闘いが終わればこの土地を復興しなければならないな」
「そうですね…」
「そろそろ船内に戻るか」
「ええ」
一体どれだけの時間が掛かるのだろう
船内の艦長室でソフィアと今後について話していた
「団長、帝都はモンスターに占拠されていると思いますか?」
「ダンジョンのモンスターは食事をしないと聞いた事があるが分からないな。人間を殺す事だけが目的なら帝都に居る意味は無いからな」
「そうですね。食事も睡眠も必要ないなら移動しているかもしれません」
「だが帝都の再建は難しいかもしれない」
「何故ですか?」
「ダンジョンが見つかればコアを破壊してもいずれ復活するらしいから、まずは都市を作るだろうな」
およそ3年ほどでコアが復活すると言われているが、ダンジョン攻略は冒険者が独占しているので分からない事が多い
内部のモンスターはコアが作り出すので地上のように繁殖はしない事は知られている
そもそも大陸にはダンジョンが4箇所しかなかったので管理が出来ており資源獲得のためにコアを破壊する事は無い
「帝都は後回しにせざるを得ない訳ですか」
「ああ、人員も資材も足りないからな。王国だって自国が優先だから支援は最低限になる」
「団長は……いえ何でもありません」
「俺が手伝っては帝国は立ち直れないだろう。自分達の手で復興したという思いが無いといけない」
「確かにそうですね」
少しは手伝うがな
『モンスターの群れを発見』
『オークの残党のようです。数およそ1500』
『ハルト殿指示をお願いします』
「オークか試すには丁度いいな戦闘準備」
『了解。総員戦闘準備』
氾濫が続いた事で魔石が大量に手に入ったので魔道具の生産に革命が起こった
幾らでも試せるため王国、帝国、傭兵からの要請で通信の魔道具がつい先日開発された
試作品のため距離は500mほどだが気球船であれば非常に有効なため最優先で生産されて搭載されている
双眼鏡もハルトのスキルで作り出したのでバリスタやボーガンでの先制攻撃も可能だ
『ボーガン隊配置に着きました』
『バリスタ隊配置に着きました』
艦長室から指示を出しての戦闘を試してみる
『目標まで2300』
「バリスタ隊攻撃始め」
『撃ち方始め!』
新型のバリスタは飛距離が伸びているが上空300mからの射撃で更に伸びる
『オークに命中。混乱しています』
「射撃を続けろ」
『了解』
『距離1500』
『距離800』
「ボーガン隊攻撃始め」
『撃ち方始め!』
上空から放たれるボーガンによってオーク達は阿鼻叫喚となった
『残敵200』
『逃走を始めました』
「殲滅しろ」
『了解。高度を下げて追撃します』
戦闘開始僅か23分でオーク1500の群れは殲滅された
『戦闘終了。通常航行に移行します』
「ご苦労」
「素晴らしい戦果ですね」
「ああ、これならダンジョンまで行けるだろう」
その後も複数のモンスターの集団を発見して殲滅していった
『帝都までおよそ1時間です』
「分かった各自警戒を怠るな」
『了解』
1時間後
『なんだあれは?!』
『黒い霧?』
『帝都が覆われている!』
「どうした?」
『帝都が黒い霧のようなもので隠されています』
「黒い霧だと?甲板に行くから帝都から距離を取れ」
『了解。距離を取ります』
「だ、団長あれはなんですか!?」
「ハルト団長!帝都が!」
皆が甲板で帝都を見ているが誰もが唖然としている
「なんて事だ…」
「帝都が…」
黒い霧は半透明で薄らと帝都が見えるがモンスターやスケルトンなどがひしめき合っていた
「団長!あれを!」
「あれは?……ダンジョンコアか!」
「大きい!」
「何故ダンジョンコアが帝都に?!」
「南部にダンジョンがあったのではないのか?!」
城の上に直径50mはあるダンジョンコアが鎮座している
「ハルト殿!」
「ダンタリオン陛下!」
「これは一体どういう事なんだ!」
「分かりません…まさか帝都がダンジョン化しているなんて想像出来ませんでした」
「モンスターがダンジョンコアを動かしたのか?」
「聞いた事はありますか?」
「ある訳ないだろ!」
「陛下落ち着いて下さい!団長だって予想外です」
「あ、ああ。そうだな。済まなかった」
「構いません。こんな光景を見せられたら混乱するのは当たり前です」
「飛行型が来たぞーー!」
「ハーピーだ!」
「クソ!戦闘準備!」
「り、了解!」
「とにかくモンスターを倒します」
「分かった!」
『『ギャアギャア!』』
「放て!」
『ギャア!』
バリスタとボーガンで次々とハーピーは墜落していくが次から次へと帝都から向かってくる
「数が多い!」
「ハルト殿!このままでは不味いぞ!」
「ハルト団長!撤退しましょう!」
「クレイ!帝都を前に撤退だと!」
「陛下。状況が変わりました。体制を整えねばなりません」
「ぐっ!」
「撤退する!追撃を振り切れ!」
「ハルト殿!」
「このままではジリ貧です!」
「ちくしょう!!」
帝都を目の前に撤退したのは悔しいが作戦を立て直さないと勝ち目がなかった




