45:新兵器※
ビーンズ防衛から10日後
「もうすぐ着くな」
「ええ」
「しかし、これはとんでもないな!」
「死神ハルト。あんたヤバ過ぎるよ…」
「国を落とせるな」
「現状は俺しか使えないがな」
帝国の旧北部地域にある、王国の城塞都市ガンダルー
新しく名前を付けられたこの城壁都市は、ハルトによって城壁を築かれたため非常に堅牢な事で知られている
だが、たった今緊急事態が告られた事で、慌ただしく兵が動いている
「また、モンスターの襲撃ですかね?」
「オークを追い返したばかりだぞ」
「クレイ隊長!ソフィア隊長!カルア伯爵から緊急の呼び出しです!」
「わかりました」
「何かあったようだのう」
軍議が開始されると、信じられない情報が伝えられる
「斥候からの報告が来ましたが……。信じられませんが全長250mほどの、飛行モンスターがこちらに向かっています」
「は?250mだと……」
「なんだそれは!」
「まさかドラゴンなのか?」
「ど、ドラゴンだと?!」
「正体は分かっておりませんが、緊急事態なのは間違いありません」
「バリスタで対応出来るのか?」
「250mだぞ!効くわけが無い!」
「どの程度で、近付いてくるのだ?」
「恐らく、1時間後には上空に到達するかと」
「どうするばいいのだ」
「英雄ハルト殿が居れば……」
「居ないものはしょうがありません。避難をさせるか考えましょう」
「森に逃げるのはどうだ?」
「確かに、上空からなら見えないかも知れませんね」
「だが、避難は間に合うのか?平原で見つかれば抵抗出来ないぞ!」
「バリスタが効かないなら同じでしょう。複数に分けて移動すれば被害も分散出来ます」
「それしか無いか……」
犠牲を如何に減らすかに、意見が纏まっていくと、兵が駆け込んで来る
「も、申し上げます!」
「なんだ!」
「巨大物体は敵にあらず!英雄ハルト殿の、新兵器のようです!」
「ハルト殿の新兵器だと……」
「驚かせてくれる…」
皆が安堵していると、新たに兵が現れた
「失礼します!ハルト殿からの伝言です。新兵器で驚かせただろうが済まない。ガンダルーの近くに着地するので、皆に伝えて欲しい。との事です」
「ふむ、皆に伝えよ。ハルト殿の新兵器なので、心配しないようにとな」
「はっ!」
「しかし、ハルト殿はびっくり箱の様な人ですな」
「ガッハッハッ!どれ、見に行きませんか?」
「おお!それはいい!」
「行きましょう!」
会議室から移動した者達の目に、巨大な物体が宙に浮いている光景が映る
「あれはなんだろうな?」
「バリスタが付いてませんか?」
「本当だ」
「あれだけの巨体が空を飛ぶか……敵にしなくて良かったな」
「言わないで下さい。想像したくも無い」
「ははっ!ハルト団長は慈悲深いから大丈夫ですぞ」
「敵対者には容赦しませんが」
「国王陛下に改めて注意を促さねば」
「便利に使いすぎてますからな…」
ハルトの乗る巨体が着地すると、2000人程が降りてくる
「あれだけの人員を運べるのか…」
「戦争に使われたら大変ですぞ」
「ハルト殿なら、悪用出来ないように考えているでしょう」
「上手く使えば物流に革命が起きますな」
門へと迎えに出た所で、ハルトが現れる
「驚かせて済まない」
「いや気にしないで下さい」
「驚きはしましたがな」
「あれはなんですか?」
「まずは部屋に行こう」
会議室へと戻りハルトが説明する
「あれは気球船だ。上にある布、あれは布では無いが下から火を燃やす事で浮かせる事が出来る」
「そんな事が……」
「これが模型だが、火を付けると……」
「「おーー!」」
「浮いたぞ!」
「これは凄い!」
「作れそうですな」
「浮くのが分かってくれたらなら続きを話すが、あれを使ってダンジョンの探索に向かう」
「空中からなら安全と言う事か…」
「いや、ビーンズにはワイバーンが現れたから安全とは限らない」
「ワイバーンが?!」
「それは……」
「あの気球船には新型のバリスタを搭載しているし、ボーガンで狙撃も出来るので問題ないだろう」
来る途中で、飛行型のモンスターを相手にしたが問題無かった
「乗る人間だが、ダンジョンを発見した場合の為に、決死隊50名とダンジョンまでの護衛兼気球船の防衛の為に、2000人が乗るのはどうだろうか?」
「ふむ、防衛は気球船とやらのバリスタで行うのか?」
「気球船の下に壁を築いて、防壁とするので籠城になるな」
魔道具を搭載して、トイレの処理や光源などもしっかりと用意してある
「即席の砦になる訳か」
「先に帝都を見て貰えないか?」
「通り道だから大丈夫だ」
「では人員を選抜しよう」
「出発はいつ頃ですか?」
「5日後だな。最終調整をするのと休みが欲しいからな」
「わかりました準備しましょう」
「入り口は開けてあるから食料も搬入してくれ」
会議が終わったので、久しぶりに仲間たちと再開する
「クレイ隊長、ソフィア。留守の間は任せて悪かったな」
「問題ありませんぞ」
「大丈夫です」
「皆はどうしてる?」
「今は緊急事態の布告がなされたため、配置に付いていましたので戻る途中かと」
「そうか」
「団長〜」
「団長…」
「ご主人様!」
「ハルト殿!」
「「団長だ!!」」
「皆ただいま」
「「おかえりなさい!」」
「あれは何なんですか〜」
「乗れる?……」
「乗りたいです!」
「ハルト殿の新兵器とか?」
「まあ待て、ハルト団長は帰られたばかりだ質問攻めにするな」
「大丈夫だ。説明してやろう」
気球船の説明や、ビーンズでの事を説明していった
気球船の登場でした
最初から案はあったのですがこのタイミングで出してみました
250mとなってますが蒸気機関や電気が無いので手回しでプロペラを回す事で推進力を得ています
これは蒸気機関をハルトが作れない為ですね
前にも書きましたがネットが無いので蒸気機関の構造を知ることが出来ないので作れていません




