42:ハルトの失策※
東のゴブリン軍団を倒すために、王国軍と共に出撃した傭兵達は、後方に周り込むため帝都方面に進んでいた
「なあ、死神ハルト。本隊は居ると思うか?」
「分からないな。帝都が占領されてから、しばらく経っているから繁殖しているはずだ。5万が来たなら、帝都には30万以上は居てもおかしくない」
「そうだよな。帝都で繁殖してるはずだもんな」
嫌な予感はするが、今は目の前のゴブリンに集中するしかない
「後ろに回り込んだが、どうする?」
「斥候を出して本隊を探ろう。まだ王国軍が接敵するまで、時間はある」
「わかった手配しよう」
斥候出してから2時間たったが、まだ帰って来ない
「そろそろ、後ろから近づいた方がいいんじゃないか?」
「そうだな……。移動しよう」
移動していると、後ろから斥候が帰ってきた
「た、大変だ!」
「どうした?」
「お、お、お」
「落ち着け、水だ」
「ハアハア、帝都からオークの軍団が来てる」
「オークだって?」
「ゴブリンに追われたのか?」
「違う!2万は居る!」
「なんだって?!」
オークが2万なんて、厄災級だ
「ど、ど、どうする?!」
「2万なんて無理だぞ!」
「落ち着け、オークまでの距離は?」
「まだ30キロはある」
「余裕はあるな……」
「死神ハルトどうするんだ?」
「まずは、ゴブリンを殲滅しよう。オークが乱入したら不味い」
「分かった行こう!」
ゴブリンの後ろから、傭兵が攻撃を仕掛けるが、5万を簡単に倒す事が出来ない
「不味いな……」
「ハルト団長、オークが来るまで4時間しかありませんぞ」
「仕方ない俺が出る。クレイ隊長、指揮を変わってくれ」
「了解しました」
ハルトはゴブリンの中心に向かって走る
「邪魔だ!」
『ゲェ?!』
焦りから、思ったほど倒せない
「ハルト殿!」
「カルア伯爵!」
「オークが来てるんですか?」
「ええ、あと4時間も無いです」
「どうしましょう?」
「ゴブリンは倒せるでしょうが、疲労は取れないでしょうね」
「う〜む」
オークとの2連戦は、犠牲が出るだろう
『うぉーー!』
「なんだ?!」
「カルア伯爵!」
「どうした!」
「来ました!」
「オークか?」
「いえ!傭兵ギルドのグランドギルドマスターが、援軍を連れて来てくれました!」
「おお!」
「カルア伯爵。王国軍を下がらせましょう」
「うむ」
「防壁を作るのでオークに備えて下さい」
「分かった!」
援軍を得た事で、ゴブリンを退けたが、オークが来るまで時間が無い
「ハルト殿!間に合いますか?」
「ギリギリだ!」
「木材を運べ!」
「急げ間に合わないぞ!」
慌ただしく準備をしていると、グランドギルドマスターが現れた
「英雄ハルト、どう見る?」
「やられた!ゴブリンの厄災じゃない!」
「やはりか…」
「ダンジョンの氾濫だ。最悪、上位モンスターが来るぞ!」
「どうするべきか…」
「嫌な予感はしていたが、まさかダンジョンだったとは……。決死隊でダンジョンを攻略しようにも、付近がモンスターで溢れてたら近づく事も出来ない」
「まずはオークだが、王国軍は疲労が抜けてない」
「防壁で抑えながら、戦うしか無いが、それより不味いのはビーンズだ」
「まさか!」
「ああ、ゴブリン2万なんてものじゃない、何が来るか分からないぞ」
「くっ!覇王アイゼンはビーンズだったな」
「俺が勧めたせいだ……嫌な予感はしてたのに!」
「まだビーンズが危ないと、決まった訳ではないだろう」
「そうだな…」
ダンジョンの氾濫を、予期は出来なかったが、まだオークを倒せばビーンズの救援は可能だ
「しかし、帝国南部にダンジョンは無かったはずだが……」
「新しいダンジョンでは?」
「そんなはずは…」
「き、来ました!」
「オークか?」
「はい!」
「まだ、防壁は出来てないぞ」
「後方部分なら、回り込ませないようにすれば良いだろう」
「俺は続けるから、クレイ隊長に指示を任せる」
「わかりました!」
「儂も戻る」
『来たぞーー!』
『弓構え!』
『放て!』
『投石開始!』
戦闘の声や、音を聞きながらも作業を続ける
「もう少しで完成だな」
「ハルト殿!」
「どうした?」
「オークが来る前に、ビーンズから救援要請が来ました!」
「内容は?」
「ゴブリンの後から、リザードが1万です」
「どの程度なら耐えられるか…」
「ビーンズの城壁は、強度が低いため、伝令が来た日数を考えると、あと1日と持ちません」
「ギリギリだな」
「どうしますか?」
「オークの状況次第だな」
「よし出来た!」
急いでカルア伯爵の元に向かう
「カルア伯爵!」
「ハルト殿!」
「こちらは大丈夫そうですか?」
「問題ない!」
「ではビーンズに向かいます!」
「ビーンズに?」
「向こうに行かないと持ちません!」
「わかった!気を付けてな!」
「クレイ!ソフィア!俺はビーンズに向かう!」
「わかりました気を付けて!」
「行って下さい!」
「任せたぞ!」
「ミルク、サーニャ、サイカ、カレン頼むぞ!」
「「はい!」」
「皆も死ぬなよ!」
急がなくては行けないので、重量変化で空を飛んでいく
軽いと風に流されるため、重量の上げ下げを繰り返し、1回のジャンプで10キロを超える距離を飛ぶ
「間に合ってくれよ!」
ハルトが着くまで、あと6時間




