30: 帝国side※
帝国では、皇帝が激怒していた
「皇太子を呼び出せ!」
「どうされたのですか?」
「この親書を読んでみよ」
「拝見致します……これは…」
「すぐに連れてくるのだ!」
「かしこまりました」
皇帝の呼び出しにより、皇太子が応接室に現れる
「父上お呼びでしょうか?」
「貴様、王国へ使者を送ったそうだな」
「はい、ハルトとか言う傭兵からソフィア嬢買い、妾にするために送りましたが?」
「この愚か者がーー!!」
「な、なんです突然?!」
「貴様のせいで、王国と傭兵ギルドから抗議が来ておるわ!」
「なぜ抗議など…」
「何故だと?ハルト殿は王国の英雄で、オークロードを単独で討伐した傭兵だ。王国と傭兵ギルドにとっては、絶対に手放したくない御仁だ。我が国も危機があれば派遣して貰えるように、内々で要請している最中だったのだ。貴様のせいで台無しになったがな!」
「傭兵如きが…」
「王国に許可も取らず使者を派遣した挙句、ハルト殿を侮辱するなど馬鹿な事をしてくれたな。王国から輸入している食料もハルト殿が開拓している土地で取れた物だ。今回の事で食料の輸出が止められたわ!」
「なっ!そんな馬鹿な!」
「当然であろう。今まで帝国と王国は人類共通の脅威である大氾濫への対策を協力してやっていたのに、貴様は前回の大氾濫時に王国を攻めようとしていたな?」
「それは、王国が弱れば帝国が覇権を取れるではないですか」
「愚か者!過去の大氾濫で我らは学んだのだ!人類が争っていては滅ぶと!」
「ですが、大氾濫は起きたばかりです。数百年は起きないでしょう!今なら大陸を統一することも出来ます」
「ここまで愚か者だったとは……もうよい、皇太子としての権利を剥奪する」
「なっ!お考え直し下さい!」
「黙れ!」
「父上!」
「貴様の顔など………ぐっ!胸が…」
「父上?どうされたのですか?!」
「苦し…い……」
「まさか心の臓が…」
「医者を……」
「…………」
興奮した皇帝は、心臓発作により亡くなった
翌日、帝国の臣下が集まる中、新皇帝の即位が行なわれた
「皆よく集まってくれた。父上は昨夜、心の臓の病により亡くなった。よって余が新たな皇帝として帝国を導く事になる」
『皇帝陛下に忠誠を誓います』
新たに即位した、皇帝ハウゼン・ラ・ゼクノスは宣言する
「王国より食料の輸入が止められた。我が国に対する敵対行為である。よって王国に対して、抗議すると共に国境へ軍を派遣する」
「お待ち下さい。軍を派遣すれば、王国との緊張は一気に高まりますぞ」
「構わぬ。輸出を止められたなら奪えばよい」
「人類同士での戦争などいけません!大氾濫に対する備えである、軍を消耗するなどあってはならない事です!」
「黙れ!帝国の領土は食料の生産に向かないのだ。王国だけが潤沢な食料を得るなど許されん!」
「それは王国とて同じ事。新たに開拓をして食料の生産に成功しているのです。それを奪おうなどと……」
「そやつを連れ出せ!」
「お待ち下さい陛下!お考え直しを!」
騎士に連れられて退出させられる
「臆病者が。王国など、我ら帝国がその気になれば、すぐさま降して見せるわ」




