29: 王国side※
宰相は、開拓地から王宮へと戻り、国王陛下に報告をする
「陛下、ハルト殿に会って参りました」
「うむ、ご苦労。それでどのような状況だったのだ?」
「報告にあったように、皇太子が独断でソフィア嬢を帝国へ連れ帰ろうと、使者を出したようです」
「訪問については連絡が無いようだが?」
「それも、傭兵との交渉程度なら、必要無いと判断したようです」
「だが、貴族の訪問は、事前に申請する決まりだろうに」
「内密であれば、問題無いと判断したのでしょうな」
「舐められておるな」
「そのようです。すぐに帝国に対して、抗議を行います」
「うむ、我が国の英雄に対して、この仕打ちとは許されん」
「傭兵ギルドにも、連絡をしておりますので、あちらからも抗議を行なわれるでしょう」
「愚かな事だ。ハルト殿の力を知らぬのか?」
「帝国までは、正確な情報が伝わっていないのかも知れません」
「ハルト殿がその気になれば、帝国は多大な被害を被るというのに」
「我が国としては有難いですが」
「そうよな。これで、ハルト殿が帝国に味方する事は無いだろう」
「そうですな」
「皇太子は野心家だと聞いておるが、どうなのだ?」
「はい、オーク大氾濫の時に、我が国を攻める準備をしていたと聞いております」
「人類の脅威に瀕して、他国を攻めるか…」
「現時点でも、我が国との貿易について口を出しているようです」
「食料を安くしろだったか?」
「はい、ハルト殿の開拓地のおかげで、我が国の穀物と野菜は格安で、王国各地に輸出されておりますので、民の食料事情は飛躍的に改善されています」
「有難いことだ」
「そのため、帝国への食料の輸出が開始されていますが、他国ですので3倍の値段にて輸出しています」
「当然だな。わざわざ安くしてやる必要も無い」
「はい。しかし、皇太子は余っているなら安くしろと言ってますので、今回の件を理由に輸出を止めようと思っています」
「それはいい、自らの失敗で食料を止められれば、帝国の民は皇太子の資質を疑うだろう」
「既に間者を放って今回の件を、広めさせております」
「いいぞ。我が国に喧嘩を売ったのだ、皇太子が引きずり降ろされるまで徹底的にやれ」
「かしこまりました」




