3: スキルアップと新たなスキル※
あれからゴブリンを狩り続ける事数日、要領も分かってきたためヴェルナーさんは手を出さなくなってきた
「おう坊主、もうゴブリン狩りなら危なげないな」
「ありがとうございます、ヴェルナーさんのお陰です」
「明後日にはオーク狩りに付き合わされるな」
いやいや、貴方が言ったんでしょ…
「オークはゴブリンと違って分厚い脂肪があるから簡単には倒せないぞ」
「そうなんですね」
「ああ、借り物の武器じゃキツいだろうな」
ギルドから借りてるショートソードじゃ切れないか…
「まあ、剣術は伸びてきてるから身を守る事なら出来るだろ」
「確かにゴブリンは狩りやすくなりました」
「スキルレベルは上がったか?」
「え?」
「おいおい、ステータスカードを見てないのか?」
「あ〜、見てませんでした」
「かぁ〜、新人の頃はスキルが増えるのが楽しいんだがな」
「増える?」
「なんだそんな事も知らないのか」
「はい…」
「とりあえず見てみろ、今なら安全だからよ」
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ハルト22才
スキル
重量軽減LV2 New
触れてる物の重量を軽減する。またLVの軽減の中なら自由を重さを変えられる
LV3 40%
剣術 LV2 New
剣を使う技術があがる
ユニークスキル
造形
物の形を自由に変えられる
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「重量軽減のレベルが上がって、剣術が増えてます」
「おー、やったじゃねえか」
「ありがとうございます」
剣を振りやすくなっていた気がしたが、スキルレベルが上がっていたからだったのか
重さを変えられるなら軽くしないほうがいいな
軽いと切れないだろうからな
いや、待てよ…
当たる寸前で重さを増やせるなら、剣速は早いけど威力は下がらないなんてことが出来るのかな?
今は無理だろうけど
「それじゃ今日はちょっと奥まで行ってみるか」
「奥には何かあるんですか?」
「ああ、ゴブリンの上位種がいるな」
「上位種…」
「それなりに強いが、ゴブリンばっかじゃ腕は上がらないからな」
「わかりました油断せずにいきます」
「おうよ」
それから森を進むこと2時間、上位種の居る領域まで来ることが出来た
「ここら辺から出てくるぞ」
「了解です」
『ガサガサ』
「お出ましのようだな」
いつものゴブリンに混じって、毛色の違うゴブリンが居る
「ありゃゴブリンシャーマンだな」
「魔法を使うやつですか?」
「あぁ初級魔法しか使えねが、坊主にとっては遠距離攻撃を使って来る相手は初めてだろ?」
「そうですね」
「気ぃ付けろよ」
「ゴブリン5、シャーマン1ですね」
「坊主はシャーマンをやれ取り巻きは俺がやる」
「了解」
返事と共に2人は駆け出す
「おらっ!」
一撃でゴブリン2匹を切り裂くヴェルナー
「魔法撃つなら、狙いを付けさせないようにしないとな」
ハルトは走りながら剣を振りゴブリンを倒し注意を引く
『ギャギャ!』
シャーマンから火の玉が飛んでくるのをかわし、距離を詰めていく
「ぐっ!遠距離は厄介だな!」
森の中では足元には木の根や落ち葉などが積もっているため、転ばないように走るのは神経を使う
「坊主!木の影に隠れながら近づけ!」
ヴェルナーからの指示に従って、木に隠れながら魔法をやり過ごす
『ギャギャー!』
当たないことに焦れたのか、シャーマンが魔法を木に向かって撃ってきた
「よし!これなら詠唱中に近づける!」
重量軽減で全ての装備の重量を40%軽減させて、一気にシャーマンのもとへ駆け出す
「これで終わりだ!」
剣を振り、当たる寸前に重量を戻して剣を一閃すると、シャーマンが胴から真っ二つになる
「はぁはぁはぁ…」
短距離とはいえ、森の中を全力疾走したため息が上がっている
「おつかれ坊主」
「はぁはぁ…、キツかったですよ」
「厄介だっただろ?」
「ええ」
「弓なんかだともっと早く連射してくるからな、ゴブリンシャーマンの魔法くらい簡単にかわせるようになれよ」
「はぁ…」
初めてゴブリンシャーマンと対峙したハルトには、火の玉が迫ってくるのは恐怖に感じたが、ヴェルナーにはとっては余裕のようだ
「まあ、初めてにしてはよくやった」
ハルトの肩を叩きながら労ってくれる
「シャーマンの素材って使えるんですか?」
「ああ、シャーマンの肥料は魔力が混じってるからちっと高く売れる」
「苦労したかいはありましたね」
「まあな」
ハルトは後で知るがあまり変わらなかった
「さて坊主、今日で俺の指導も終わりだ」
「っ!、今までありがとうございました」
「おう、これからは1人だ」
「そうですね…」
「まあ、明日からはオーク狩りにいく事になるから気をつけろよ」
「はい」
「俺は明日には別の街に行くからよ、暫くはお別れだな」
「また会いましょう」
「おう、じゃあな」
最後にハルトと握手をして去っていくヴェルナー
「やだ、イケメン」
スキンヘッドだけど…
「こんにちはカナエさん」
「こんにちはハルトさん」
「1人になったので装備を新調しようかと思うんですが…」
「まだレンタル期間はありますよ?」
そうなのだ3ヶ月まで、2ヶ月半以上ある
「オーク狩りに付いて行くので、武器くらいは新しくしようと思ったんですよ」
「ハルトさんは荷物持ちなので、戦いに参加しないと思いますよ?先輩方も無理はさせないでしょうし」
そうなのだ、まだまだ未熟なハルトは、荷物持ちにしか役に立たない
「そういえばスキルは上がりましたか?」
「はい上がりました」
「でしたらスキルに合わせて武器ぐらいは、変えた方がいいかもしれませんね」
「そうなんですか?」
「はい、剣術スキルが上がれば、貸し出している武器だと釣り合わなくなりますから」
確かにその通りだな
シャーマンと戦ったし、またスキルが上がってるかもしれない
「確認してみます」
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ハルト 22才
スキル
重量軽減LV3 New
触れている物と指定した物の重さを、LVに応じて変える事が出来る
LV3 60%
剣術 LV3 New
剣術の技術が上がる
ユニークスキル
造形
物の形を自由に変える
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これは?
指定した物?
考えてる通りならかなり凄いんじゃないだろうか
『重量軽減→ショートソード』
「カナエさん、この剣を持って貰えますか?」
「はい、構いませんがどうしたんですか?」
カナエさんに剣を持ってもらった
「?!、なんですかこれ軽すぎますよ、すいませんハルトさん。すぐに新しい武器に変えさせて頂きます」
不良品と勘違いして頭を下げるカナエさん
「いえ!すみませんスキルを検証したかったんです!」
「えっ?」
「スキルがレベルアップしたので、試して貰いたかったんです」
「そうだったんですか、すいません早とちりしてしまって」
「こちらこそすいません、紛らわしいことをしてしまって」
お互いに頭を下げ合う2人
しかしこれでハッキリしたな。他人に持たせても効果があるなら仲間にも使える
「カナエさん、相談があるのですが」
「はい、なんでもお聞きしますよ」
「奴隷が欲しいのですが奴隷商の場所とおよその値段が知りたいんです」
「奴隷ですか……」
「問題がありますか?」
「いえ、傭兵の方は人数を揃えるために奴隷を所有する事が多いので問題はありません」
「そうですか」
「奴隷商ですが、ギルドから出て左手に行くと衛士の詰所があるので、右に曲がると見えてきます。値段ですが銀貨50枚から金貨100枚以上と幅があるみたいです」
「随分と変わりますね」
「犯罪奴隷や戦争奴隷は安くて、戦闘奴隷は高く、借金奴隷は本人の借金次第ですね」
「今だと金貨1枚は使えるので、1人は買えるかもしれませんね」
「はい、ただし安い奴隷は能力もそれなりだと思います。見るだけはただなので、奴隷商で相談してみるといいかもしれません」
「分かりました、すぐには買えないでしょうが、将来的に必要になるかもしれないので奴隷商で相談してみます」
「行ってらっしゃいませ」
「はい、ありがとうございました」
次回ハルトは奴隷を買うのか?