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27: ソフィアの決断※

決闘の2日後


「ハルト殿。決闘見事であった」

「はっ、有難うございます」

「血風旅団を相手に独りで勝つとはな」

「陛下に頂いた、クズ石の装備が役に立ちました」

「そうかそうか」


「しかし、ハルト殿のスキルは凄まじいですな」

「うむ、是非とも我が国の為に、力を貸して欲しい」

「必要とあらば、微力ながら力を尽くします」

「そこで、爵位を受けてくれんか?」

「爵位ですか…」

「国に縛られるのは嫌かね?」


「私は所詮、傭兵です。これまで国に尽くして来た方々を、差し置いて爵位を頂くのは申し訳なく思います」

「で、あるか」

「申し訳御座いません」

「よい、これからも良き関係で居たいのでな。無理強いは出来んよ」

「そう言えばハルト殿。ニアバス伯爵は、自ら出頭して参りました」

「そうなのですか?」

「はい、決闘の話を聞いて、昨夜王宮に隠居届けを持って現れました」

「彼奴も、自分の命が危ない事に気づいたのであろう」

「ハルト殿を侮っていたため、今更になって陛下に泣きついてきたのですよ」

「うむ、隠居では無く、財産没収のうえ伯爵家の取り潰しにしてやったがな」

「取り潰しですか」


「親子揃って悪事に手を染めていたのだ、当然の処置だ」

「元赤衣衆の報復については、どうなるのでしょう?」

「それは好きにすれば良いが、伯爵は恨みを買いすぎているから近いうちに死ぬだろう」

「ですな。悪事を働き、権力が無くなればどうなるかの、見せしめになるでしょう」


これは、カレン達が手を出す前に終わりそうだな


「一部の貴族主義者達には、傭兵に手を出せば命懸けだと理解させる事が出来ました。平民だからと侮って居たものは、震えているでしょうね」

「愚かな事だ、貴族など所詮、民に生かされている存在に過ぎないというのにな」

「いい機会に成りました」

「うむ、ハルト殿には感謝する」

「自分の為ですから」


「それで開拓地の事だが…」

「ハルト殿は、自身の領地にするつもりはありますか?」

「爵位はお断りたはずですが?」

「いえ、開拓地は、開拓した者が領地と出来る、決まりなのですよ」

「領地に…」

「代わりの代官を置いておけば、管理を任せる事が出来ますし、ハルト殿は国へ税を払えば後は自由に出来ます」


デメリットは、領地防衛の義務がある事か


「爵位を受けて頂ければ、国として支援出来るのですがな…」

「少し、考えさせて頂いてよろしいですか?」

「勿論ですとも」




話し合いが終わり、皆へと説明する


「伯爵家は、お家断絶のうえ、資産没収になった」

「お家断絶ですか…」

「カレンはどうする?」

「私は…」

「伯爵は、相当恨みを買っていたらしいからな。これからいつ襲われるか、分からない日々を過ごすだろう」

「そうですね、簡単に殺すより苦しむでしょう」

「では手を出さないんだな?」

「はい」

「わかった」


「団長、これからどうするんですか?」

「予定より日数が掛かっているから、開拓地へ戻ろうかと思っている」

「すぐに帰るのですか?」

「そうだな、2日後に帰るか」

「では、明日は王都を見て回ったらどうですか?」

「そうだなせっかくだからソフィアも一緒に行くか?」

「じ、自分ですか?」

「ああ、ソフィアには苦労を掛けてるからな」

「狡いです〜」

「私も牛肉食べ放題…」

「皆には、小遣いを多めに渡すから勘弁してくれ」

「次は私達もお願いします」

「わかった」



翌日


「それじゃあ行くか」

「お供します」


「武器屋に行くか」

「何か買われるのですか?」

「新しい武器が、作れないかと思ってな」

「何か案があるのですか?」

「ああ、ボーガンに、新しい機構を取り付けた武器だ」

「どんなものですか?」

「それは…「見つけたぞ!」連射式のボーガンだな」

「連射式?」

「無視するんじゃない!」


「なんだ?」

「貴様がハルトだな」

「そうだが?」

「ソフィア嬢を、解放してもらおう」

「自分ですか?」

「そうです。貴方の冤罪が晴れたため、奴隷から解放される事になったのです」

「ほう、良かったなソフィア」

「別にこのままでもいいのですが…」


「何を言っているのですか、騎士団長も心配しております」

「ソフィアを助けた騎士団長か」

「そうだ、さっさとソフィア嬢を解放しろ」

「解放と言われてもな」

「誰かは存じませんが、いきなり現れて団長を困らせるのは辞めて頂きたい」

「なっ!私は帝国騎士団で、貴方と一緒の所属だったザコスですよ!」

「?」

「お、お忘れですか?」

「申し訳ありませんが、騎士団には多数の騎士が居ましたから、全員の顔までは覚えていません」


「いや、流石に可哀想だろ…」

「ぐっ、わ、わたしの事は置いておきましょう。ソフィア嬢には騎士団長から帝国へ来るようにと、言付かっています」

「……、申し訳ありませんが、帝国に帰る事はありません」

「何故ですか?冤罪は晴れているのですよ!」

「今の自分は、クズ石の傭兵団の副長としての仕事がありますので、騎士団長にはよろしくお伝えください」

「クズ石の傭兵団ですと!」

「はい」

「まさかハルトと言うのは英雄の……」

「その、英雄ですね」

「なんと?!」



「クズ石の傭兵団って、定着してるのかよ…」

「はい、決闘時に国王陛下が発言されましたからね、王国中に伝わってますよ」

「まじかよ……」


「まさかソフィア嬢を買ったのが、オークロード討伐の英雄とは……。不味いぞ騎士団長になんて言えばいいんだ」


「ふむ、ソフィアは帝国に家族を残しているのか?」

「家族は自分が犯罪者になった時に、帝国から追放になったはずです」

「ソフィア嬢、大変申し上げ難いのですが、御両親は既に亡くなっています…」

「……そうですか」

「ソフィア…」

「大丈夫です、奴隷に堕ちた時に、今生の別れを覚悟していましたから」

「そうか」


俺から何を言っても、慰めにならないだろう


「ソフィア嬢を嵌めた子爵は、捕えられて獄中で死にました」

「最早、終わった事です」

「そうですか、帝国に戻る意思は無いのですな?」

「はい、今の自分は傭兵ですから」

「分かりました。ハルト殿も失礼な態度を取ってしまい、申し訳無かった」

「構わない」

「ありがとう御座います。それでは自分は帝国に戻り報告を致します。ソフィア嬢どうかお元気で」

「はい、ありがとう御座います」


帝国騎士は帰って行った

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