25:ニアバス子爵の断罪※
王都へ出発当日
「野菜と穀物は詰んだな?」
「はい」
「ではヘリオス、留守を頼む」
「はっ、お気を付けて」
「ああ」
王都へ向けて、伐採して道を整えた場所を、ニアバス開拓地へと進んで行く
「団長、ニアバス開拓地はどうなってるんでしょうね?」
「王国軍が、事後処理をしたらしいが、今はどうなっているか分からないな」
「私達が行った時には、柵も無く簡易的な住居が、点々としてましたが…」
「住民も居なくなってるんだから、荒れ果ててるんだろうな」
「私達の戦いで住居も壊れましたからね」
「モンスターが、居着いてなければ良いがな」
3日野営をして、ニアバス開拓地へ到着したが荒廃していた
「酷いですね」
「モンスターに荒らされた後がある…」
「王都まで2日掛かるから、ここで野営をしよう。カレン達は野営の準備をしてくれ。ソフィア達は食料を出して食事の容易だ」
「「わかりました」」
しかし、この場所はどうするんだろうか?中途半端に拓けているが、拠点を作り直すなら地面を均さないといけないだろう
「準備出来ました」
「分かった」
「また、開拓するんでしょうか?」
「どうだろな、ニアバスが失敗しているから、貴族は手を出したくないだろう」
「ご主人様が任されるのでは?」
「勘弁してくれ」
「ハルト殿なら、小規模な拠点ならすぐに作れそうですが…」
「出来るが貴族にされるだろ」
「普通は貴族に成りたいものですが」
「面倒だな、今回の開拓で義理は果たしたから、次は断わるよ」
「私達は何処でも着いて行きますよ」
「ありがとう、しばらくは開拓地での仕事もあるし、のんびりとはいかないが王都で遊ぶとしよう」
「いいんですか?」
「1週間くらいなら大丈夫だろ」
2日後に王都に着いた、ため報告に向かう
「ハルト殿が到着なさいました」
「入れ」
「失礼します」
「うむ、良く来てくれた」
「ご無沙汰しております、国王陛下」
「開拓地の件は聞いている。良くやってくれた」
「いえ、第1騎士団の皆が、力を貸してくれたお陰です」
「もちろん働きに報いよう」
「ありがとうございます」
「でだ、ニアバス子爵の事は聞いているな?」
「はい、その事で陛下にお願いしたき、義が御座います」
「お願いとな?」
「はい、まずはこちらをご覧下さい」
「宰相」
「はっ、確認致します」
「これは……」
「どうした?」
「ご覧下さい陛下」
「うむ………何だこれは」
陛下と宰相が頭を抱えている
「これはどうやって、手に入れたのだ?」
「赤衣衆が持っておりました」
「赤衣衆が?」
「はい、ニアバス伯爵が、過去に赤衣衆の里を襲撃した犯人で、復讐のため伯爵の不正や犯罪行為を調べていたそうです」
「そやつらと取引したと?」
「いえ、現在の赤衣衆は、過去に助けられた者達が名乗っているに過ぎませんので、捕まえる必要はないと考えております。不正の告発もしておりますし、陛下に置かれましては恩情を賜りたく存じます」
嘘は言ってない
「…懐に入れたのだな」
「はい」
「分かった、今回の告発により、恩赦を与える事とする」
「ありがとうございます。着きましてはニアバス親子に対して、報復の許可をお許し願いたい」
「報復か……」
「仮とはいえ、領主に対して攻撃が行われたのです。個人としても傭兵としても黙っている訳には参りません」
「分かった。宰相、ニアバス子爵を捕えよ。伯爵についてはハルト殿が領地への攻撃を許すが、住民への被害は抑えよ」
「有り難き幸せ」
「うむ、では謁見の間へ移動する。官僚を集めよ」
「はっ、至急手配致します」
急遽謁見の間へと、官僚が集められニアバス子爵が連行されてくる
「陛下!何故、私がこのような扱いをされるのですか?!」
「分からぬか?」
「分かりませぬ!」
「では、ハルト殿こやつの罪状を話してやるとよい」
どうやら俺に任せてくれるようだ
「何故その傭兵がいるのだ!」
「黙れ!」
「ぐっ!」
騎士に押さえつけられる
「無礼だぞ!」
「静かにしろ!」
「ニアバス子爵。貴方は開拓をするに当たり、この様な条件を出されましたね」
「なにを…」
「開拓地へと移住すれば、5年間の税の免除、土地の習得自由。職の斡旋」
「何がいけない?」
「失敗した理由が、わかりませんか?」
「失敗などしていない!何者かに襲撃されたのだ!そうだ貴様が襲撃したのだろう!」
「失敗の理由ですが「無視するな!」土地の習得自由の為、商人などの金持ちが賄賂を送り、優遇されていましたね?」
「賄賂など受け取っていない!」
「こちらが、領主代行からニアバス子爵へ、金銭の受け渡しをされた書類です」
「に、偽物だ!」
「また、武力によって開拓地を占拠した、犯罪組織は禁制品の取引をしていました。無力な住民を使って、強制労働もさせていましたね」
「知らん!」
「領主なら、知らなければいけないでしょう。まあいいです、犯罪組織からも、賄賂を受け取っていた書類がこちらです」
「それも偽物だ!」
「しばらくすると、犯罪組織が賄賂を渋ったために、赤衣衆に依頼して襲撃させた書類がこちらです」
「な、なんで……いや、知らんぞ!」
「しかし、住民が逃げ出したため、口封じのために赤衣衆へ住民を殺すように依頼した書類がこちら。また、ニアバス伯爵の私兵で我が開拓地諸共、始末しようとした書類がこれですね」
「なんで持っているんだ?!」
「何か申し開きはありますか?」
「し、知らん!」
「ふむ、知らないと言う事でいいですね?」
「そうだ!」
「陛下、ニアバス子爵邸の、家宅捜索はどうなっていますか?」
「家宅捜索だと?!」
「少し待て」
陛下に、宰相が耳打ちする
「ニアバス子爵邸で、不正と犯罪の証拠が発見された」
「………」
「まだ言いたい事が、ありますか?」
「………」
「陛下、今回襲撃された者として、お願いしたき事が御座います」
「申してみよ」
「はっ、私ハルトとニアバス子爵の決闘を要請します」
「け、決闘だと…」
「良かろう、だがハルト殿はケジメの為として…ニアバス子爵は何を掛けるのだ?」
「助命でよろしいかと」
「あいわかった。決闘を承認する!」
『『おお!』』
「だが、ニアバス子爵が不利であろう。互いに5人まで助っ人を認める」
「勝てば、助かるのですか?!」
「うむ、二言は無い」
「有難うございます!平民如きが、殺してやる!」
「期待してますよ」
「後悔するなよ」
「決闘は3日後とする。双方、悔いが残らぬ用に準備せよ」
宿に戻り皆に報告する
「3日後に、ニアバス子爵と決闘する事になった」
「決闘ですか?」
「ああ、陛下はカレン達の意を汲んでくれた」
「私達の……」
「それからいい報告がある。今回の告発によって、カレン達に恩赦が出た」
「それって…まさか!」
「これ迄の行いが、許された」
「「有難うございます!」」
「そして、自らの手で敵を討つ機会を頂いた」
「陛下と、ハルト殿に感謝を」
「「感謝を」」
「俺を入れて、6人での決闘になったから好きに、いたぶるといい」
「私達で5人ですか」
「ああ、誰が出るかは任せる」
「分かりました」
「決闘前に装備を作るぞ」
「私達にもクズ石の装備を貰えるんですか?」
「ああ、俺達の団の象徴になってるからな。ソフィア、赤いマントを買って来てくれ」
「分かりました」
「じゃあ、作るぞ」




