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17: オーク大氾濫(3)※

オークが8000ほど減った時、動きがあった


いや、悪い方にだ


「続けー!吾輩に続くのだ!」


アーゼンハルト卿の派閥に属する軍が、門を開けて出撃する。その数3000、いきなり出てきた軍にオークが戸惑うが、少数での突撃など無謀だ


「どうなってるんだ!」

「わかりません、拘留していたはずです」

「どうしますか?」

「見捨てるしかありません…」


無理に助ければ街に被害が出る


「せめてオークを近づかせないように、ボーガンで援護しましょう。伝令兵!ボーガンにアーゼンハルト卿の援護射撃をさせて下さい」

「了解しました」

「無能なら大人しくしていて欲しいですな」


アーゼンハルトが出撃してから、20分ほど経ったが3000の兵が400程しか残ってない


「ヒィィィ?!引け〜!引け〜!」


アーゼンハルトが城門へと引き返してくる


「あ、開けろ〜?!」

「アーゼンハルト卿無理です!」

「何故だ!吾輩は侯爵だぞ?!」

「今開ければオークが街に、なだれ込みます!」

「ふざけるな!平民の命より吾輩の命の方が重いに決まっている!」

「話にならんな」

「聞いているのか?!」

「全員無視しろ……」


アホの戯れ言など聞いている暇は無い


「オークの数が1万を切りました!」

「いい調子ですな」

「いえ、まだ上位種の数は多いです」

「こちらから討って出るのはどうですかな?こちらは倍の数になりましたぞ」

「いえ、まだ早いです」

「何故ですか?」

「こちらは数に優るとはいえ、7割は徴用された農民です。正面から当たれば大きな被害が出ます」

「ではどうしますか?」

「今しばらくはこのまま削ります」



「報告します、城壁を乗り越えられそうです!」

「壁の仕掛けを起動して下さい」

「はっ!」


予め壁に崩壊するように仕掛けを設置しておいた


「倒せーー!」


ドカーン!!


オーク達に直撃する


「後続が乗り越えてくるぞ!火を掛けろ!」

「下がれ!下がれ!」


さらに壁の上に設置していた油が撒かれたので、火を付けてオークを焼き殺し、近寄れないようにする


「上手くいったか…」


城壁に取り付いた上位種も火に巻かれている


「これで残り7000ほどか。よし、北門と南門に5000ずつ移動させろ」


後は両翼から挟み込んで殲滅するとしよう


オークを牽制しながら時を待つ



「移動完了しました!」

「よし、鐘を鳴らし出撃させろ」


鐘がなると北門、南門から傭兵部隊と軍が出撃する


「両翼にオークが引き付けられているボーガン部隊は援護しろ」


傭兵部隊率いる軍の勢いは無視できない。未だ動かないオークの本陣はとりあえず無視をして、前衛部隊を壊滅させる


「城門前のオークは引いたな、討って出るぞ!兵2000を残し集合させろ」

「了解、城門に集結させます」


両翼から圧力を掛けられたオーク達は、街に構って居られなくなった


「開門!」

「了解!開門!」



「続けー!」


先頭切ってオークへと攻撃を仕掛けていく


「蹴散らせ!」

「我が子爵家の力を見せろ!」

「これ以上王国軍の恥を晒す訳にはイカン進めー!」


後続からも、次々とオークを蹴散らしていく


「上位種には1人で当たるな複数人で囲め!」

「ボーガン隊射撃用意!」


オークを凹の形で追い込んでいく


40分ほどで前衛部隊を壊滅させる事が出来た


「隊列を組み直せ」


だが、未だにオークの本隊は動きを見せない


「ハルト殿どうしますか?」

「動きを見せないのは不気味ですね」

「そろそろ夕刻です、街に引き返して様子を見ますか?」

「そうですね…」


動きを見せない以上、無理に突っついても痛い目を見るだけだ、ここは一旦街に引き返そう


「後退します。殿は傭兵部隊にお願いします」

「了解!後退の指示を回せ」


街に引き返す間は、オークの攻撃を警戒したが無事に街へと辿りついた


「交代で休憩を入れる、指揮官は会議室までくるように伝令を!」



会議室に集まった指揮官達で、今後の方針を話し合っていると伝令兵が入ってきた


「報告致します!アーゼンハルト卿の生存を確認、街へと移送中ですがどういたしますか?」

「ふむ、こちらにお連れしろ」

「了解しました」


「悪運が強いですな」

「まあ、戦場を混乱させたのですから、責任を取って頂きましょう」


しばらくすると、兵に連れられてアーゼンハルト卿が現れた


「貴様ら、覚悟は出来ているのだろうな!」

「覚悟とは?」

「総大将である吾輩を軟禁し、勇敢にもオークを撃退せしめたにも関わらず、門を閉ざし吾輩を危険に晒しおったではないか!」


「何を言ってるのですか、無策で戦闘を開始しようとしたばかりか、兵を満足に御しきれないので指揮官から降ろさせて貰ったのですよ」

「勝手に決めるな!吾輩は国王陛下より軍の指揮を任されているのだぞ。貴様らは国家に弓引いたのだ、その首落としてくれるわ!」

「現場においては指揮官の過半数の承認があれば、司令官の解任が可能です」

「ふんっ!吾輩が解任されるはずがないであろう」

「ではこの場で採決を取りましょう」

「良かろう」


自信満々で言ってるな


「では採決を取ります。アーゼンハルト卿を司令官から解任する事に賛成の方は挙手をお願いします」


アーゼンハルト卿以外の全員が挙手をする


「ば、ばかな?!」

「おわかりかな?」

「この街の危機に貴方では乗り切れないと、皆が思っているのですよ」

「何かの間違いだ!」

「お認めにならなくても結構。アーゼンハルト卿をお部屋へお連れしろ」

「離せ!無礼者!」

「ふん!貴方には戦後責任を取ってもらいますぞ」


散々文句を言いながら引き摺られていったが、誰も気に止めていない


「それでは、ハルト殿が司令官でいいと思う方は挙手をお願いします」


これまた全員が挙手をする


「ありがとうございます。最善を尽くしこの街を守るために頑張らせて頂きます」


席を立ち一礼しながら宣言する


「それではハルト殿、明日以降の作戦はどうしますかな?」

「はい、オークの本隊は動きを見せていません。よほど自信があるのか、何かの要因で動けないのか判断が付きません」

「確かに不気味ですな」

「街で防衛に徹しますか?」


「遠くからでも分かる程の巨体でしたからね、キング以上の可能性があります。ギルドマスターはどう思いますか?」

「うむ、キングであれば何度か見たことがあるが…、あれはロードの可能性が高い」


「恐れていた事態になりましたな」

「城壁で抑えられないのですか?」

「過去にキングが小国を滅ぼしたという記録がある。セロの街は新しい街とはいえ1国の城塞に勝るかというと…」

「やはり討って出るしかありませんか」

「オークの軍勢はおよそ2000、対してこちらはいまだ20000の兵力があります。防衛に5000は残しても15000なら倒せませんか?」

「ロード相手では数など意味を成さないだろう。精鋭を選抜して当たるべきだ」

「では、俺が精鋭部隊を率いてロードを倒します」

「ハルト殿は司令官ですぞ、前に出て戦うなどと…」

「いえ、ロードに対抗するにはこの武器が必要です」


腰の剣を叩く


「うむ、ハルトの言う通りロードの頑丈な皮膚には、普通の武器は効果が無いだろう。鉄さえ切り裂く剣が必要だ」

「ギルドマスターが言われるのであれば、そうなのでしょうな。モンスターに関しては誰よりも詳しいですからな」

「ギルドからは銀翼の鷲を出そう、今回参加している傭兵団で実力も実績もトップだ」

「軍からは第1騎士団を出しましょう」

「ありがとうございます」

「では通達致します」



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