表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/91

16: オーク大氾濫(2)※

オークの襲撃から5日後、王都から援軍が到着した


ギルドマスターの呼び出しにより、会議室に移動したが雲行きが怪しい


「皆集まったな。吾輩の事を知らない者は居ないと思うが自己紹介しよう。吾輩こそがアーゼンハルトである」


え?誰ですか?


自信満々に自己紹介してるけど…


「なあ、あれはなんなんだ?」

「団長、軍務局長の方ですよ」

「ふ〜ん」

「侯爵閣下で典型的な貴族主義者です」

「面倒くさそうだな」


小声でソフィアに確認していると、侯爵閣下にロックオンされた


「君は誰かね?ここは崇高なる会議の場だ、下賎の者がいていい場ではない」


立ち上がり貴族に対する礼をとる


「これは失礼しました、侯爵閣下」

「ふむ、最低限の礼は知っているようだな」

「自分は傭兵ギルド所属の……」

「ふん!下賎の輩の事など、どうでもいい。出ていきたまえ」


下賎の輩はお嫌いなようだ


「お待ち下さいアーゼンハルト卿。ハルト殿は、此度の戦いにおいて重要な役割を担っております」

「平民如きが役に立つ訳がなかろう!」

「先の戦闘では、ハルト殿が居なければ大きな被害が出たはずです」

「しかり、ハルト殿のお陰である」

「吾輩が来たからには傭兵など必要無い!」

「言い過ぎですぞアーゼンハルト卿!」

「黙れ吾輩は侯爵であるぞ!」


混沌としてきたな


「ふむ、傭兵は必要ないと言われるか」

「当然だ吾輩が連れてきた15000と、先に来ていた5000に、貴族の2800で、オーク如きすぐさま殲滅してくれるわ!」

「あいわかった、我々は失礼させて頂こう。行くぞハルト」

「あ、はい」


立ち上がり会議室を後にする



「どうするつもりですか?」

「要らぬと言うなら王国軍だけで戦えばいい」

「しかし…」

「我々のやる事は変わらん、民の為に出来る事をするだけだ」

「分かりました」



その頃の会議室


「アーゼンハルト卿如何するつもりですか!」

「言ったであろうオーク如き敵ではない」

「作戦はあるのでしょうな?」

「作戦?オークが来たら東の平原で決戦だ」

「決戦?何を馬鹿な」

「無礼であるぞ!」


「平原での戦闘など自殺行為です!」

「ぐっ!ならば篭城だ、城壁の上からオークを減らせばいい」

「それは先の戦闘と同じですな」

「ならばいいではないか」

「それもハルト殿の案でした」

「ふん、それぐらい誰でも思いつく」

「思いつくだけならばそうでしょうな、ですがバリスタやボーガンの作成までは出来ませんよ」

「そうだ大量のバリスタがあったではないか!」

「使うつもりですか?」

「あるのだから使えばいい」

「まだハルト殿に制作料を払っておりません」

「接収すればいい」


「何を言ってるんですか!そのような事をすれば、傭兵ギルドを敵に回しますよ!」

「協力は義務ではないか!」

「その協力を断った、いや踏みにじったのは貴方ではないですか!」

「ふざけるな!吾輩は侯爵であるぞ!平民如きの力など当てにはせん!」

「ではどうすると言うのです、バリスタもボーガンも使えずに防衛するのですか?」

「ふん、弓兵を5000連れてきている、オークに雨あられと撃てばいい」

「矢はどれほどですか?」

「2万だ」


「話にもなりませんな」

「なんだと」

「1人4発ですか?それでどうやって雨あられと降らせるのですか?」

「5000が一斉に撃てば、オークなど一網打尽ではないか」

「今回のオーク共は統率されており、固まっているとは限りませんぞ」

「モンスターに知能などない!」

「侮ってはなりませんぞ」

「五月蝿い!貴様らは吾輩の指示に従っていればよいのだ!」


アーゼンハルトは出て行った


「どうすればよいのだ」

「あれ程の無能とは…」

「王国軍が敗退すればこの街だけでなく、我らの領地も滅びますぞ」

「上層部は理解していないのだ、アーゼンハルト卿を送るなど危機感が無さすぎる」

「とにかく我らだけでも、傭兵ギルドと協力して防衛策を練りましょう」

「ギルドに使者を送ろう」




アーゼンハルトの暴走により、充分な対策が取れないままオークの本隊を迎え撃つ事になる



「来たぞ!オークの本隊だ!」

「城壁に上がれ!」

「弓の準備だ」

「おい!此方に矢が無いぞ!」

「こっちもだ、持ってこい!」

「何をやっているか貴様ら!吾輩の率いる軍ならば規律正しく動かんか!」


無能な指揮官が率いる軍は烏合の衆とかす



「こりゃ、無理だな」

「ハルト殿どうしますか?」

「俺に言われても…」

「前回の戦いで、市民だけでなく貴族からも信頼されているハルト殿に纏めて頂きたい」

「しかし…」

「このままでは街が滅びますぞ!」

「……分かりました」


ハルトは領主からの要請を受け、立ち上がる


「全軍に告げる!直ちにバリスタとボーガンの用意をしろ!」

「ハルト殿だ…」

「準備を!」

「急げ!」

「「おう!!」」


「貴様!なにを勝手に指示している!」


「アーゼンハルト卿、このままでは街を守れません」

「黙れ!だれに口を聞いている!」

「はあ…。誰か!アーゼンハルト卿がご乱心である、安全な場所にお連れしろ!」

「はっ!」

「離せ!貴様許されんぞ!えぇい、離せ!」


両側から挟まれて連れて行かれる




「ハルト殿準備完了しました」

「よし、全軍に通達。これよりハルトが指揮を取る、バリスタは上位種を狙え、ボーガンと弓は城壁に近づくオークに斉射。その他の兵は城壁を乗り越えようとするオークを防げ」

「「はっ!」」


「傭兵部隊は北門と南門に集合し指示あるまで待機。オークの数が減り次第敵両翼を攻撃せよ」

「「おう!」」




「ハルト司令官、敵距離2000」

「各持ち場の状況を報告せよ」


「こちら南東部配置完了しました」


「北東部も配置完了しました」


「中央部配置完了」


「北門、南門配置完了」


「敵距離1200」


急遽司令官になってしまったが仕方ない


アホなアーゼンハルトが悪い


「バリスタ構え!」


ドーンという音が響く、これは前回の反省を含め1回目がバリスタの発射準備、2回目が発射、3回目が弓と続く


「敵距離700」

「放て!」


轟音を響かせながらオークの集団へとバリスタの矢が迫る


「「ブヒーーー?!」」




「敵距離500」

「弓構え!」


「全員落ち着け、そう簡単には乗り越えられない」


バリスタが20m間隔に配置され、隙間には3mの壁を建てて投石や乗り越えてくる、オークを防げるようになっている


城壁の高さが約8mで、オークが巨体とは言え2mほどだから、屍が積み上がって踏み台になるまで時間がある


「敵距離400」

「放て!」



「敵距離300!」

「ボーガン構え!」



「敵距離200」

「放て!」


ここまでで通常種は3000ほどの数を減らした


弓では威力が低く、倒すには至らないが、全身の何処かに当たればダメージは与えられる



「敵オーク城壁に取り付きました」

「弓は下に向けて撃て!ボウガンはそのまま中央部に撃ち続けろ!」


どんどん数を減らして行くが、弓兵の矢が切れた


「弓兵は投石に切り替えろ!」


重量を感じないのを活用して、城壁の上に大量の石を運んである



オークの数を8000ほど減らした時に、動きがあった



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ