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12:ヴェルナーとの再開※

あれから1ヶ月と少し


オーク討伐に向けてセロの街近郊から王国軍と貴族の軍が集まってきた


王国軍5000、貴族軍2800、傭兵1200合わせて9000人はセロの街近郊から集めらる最大の人数である


現在も王都からの援軍が向かっているが、いつオークの進行が開始されるかわからないため臨時作戦本部となった領主の館では、指揮官達による作戦会議が続いていた


「本日も作戦会議を始めたいと思います」

「傭兵ギルドから報告します。斥候の情報から推測されるオーク共の数はおよそ2万です」


会議場がにわかに騒がしくなる


「こちらの倍以上ではないか!」

「防衛に徹するべきではないか?」

「援軍はいつ到着するんだ?!」


収集がつかなくなりそうだがギルドマスターが一喝する


「鎮まれ!」


口を閉ざす指揮官達


「予想より数が多いがセロの街の防備も進んでいる。援軍がくるまで持ちこたえる事は出来よう」

「確かに2万とはいえ簡単には落ちませんな」

「しかり、王都から王国軍15000が向かっているはず。到着まで耐えればどうにかなりますな」

「うむ、楽観視は危険だが我ら指揮官の不安は兵達に伝わる。冷静になるべきだ」


冷静さが戻ったためギルド側の説明が続く



「オークは数が増えすぎたため、食料を求めて外へと向かっていると思われます。現在はゴブリンの領域を少しづつ侵食しながらセロの街に向かっています」

「どの程度でセロまで到達する予想かね?」

「ゴブリンの繁殖速度で考えると長くて2週間といったところです。傭兵ギルドのメンバーには現在ゴブリン狩りを禁止しておりますので少しは進行を遅らせられると思われます」

「ふむ、援軍は10日ほどで到着するはず。ギリギリと言ったところですか…」

「弓矢の量産も進めていますし、城壁からの攻撃でオークの数は減らせますから防衛は充分可能だと思われます」

「では、部隊の配置してですが………」


対策会議は続いていく…






「ハルトさん、ギルドマスターから指名依頼が入ってます」

「ギルドマスターから?」

「はい、街道でケルピーによる被害が出ているため討伐して貰いたいそうです」

「わかりましたすぐに向かいます」


街道沿いに進みケルピーの出現ポイントに向かう



「「うわぁー」」

「急ぐぞ!」

「はい!」


悲鳴が聞こえた方へ急いで向かうが、距離があるため間に合いそうにない


「はあはあ、不味いな」

「団長、サーニャを先行させましょう」

「そうだな、サーニャ!先行して時間稼ぎをしろ」

「了解……」


5分ほど走ると馬車が見えてきた


「おらっ!」

「牽制する…」

「おう!頼む」


サーニャともう1人が、ケルピーと戦っていた


「サーニャ待たせた、ソフィアとサイカは馬車の護衛。ミルクは俺とケルピーにあたるぞ」

「「了解」」


「助かるぜ!」

「ヴェルナーさん?!」

「あ?誰だ?」

「まずは倒しましょう」

「お、おう」


ケルピーを3人で囲み確実に削っていく


「ミルク足を!」

「え〜い」

「ブルォォ」


ケルピーを転ばす


「うめぇじゃねえか、うらっ!」

「トドメだ!」


首へと剣を刺しとどめを刺す


「助かったぜ」

「いえいえ、ヴェルナーさんお久しぶりです」


兜を脱ぎながら挨拶をする


「はあっ?!坊主じゃねえか?!」

「はは、そうです」

「まじかよ、分かんなかったぜ」

「ヴェルナーさんもオーク討伐に来たんですか?」

「おうよ、傭兵団の仲間と来る予定だったんだが別の街の防衛に回されてな。俺だけできたんだわ」

「そうだったんですね」

「護衛がてらきたんだが、まさケルピーに襲われるとわな。坊主らが来なけりゃ被害が出てたぜ、ありがとよ」

「あの、ありがとうございました」

「助かりました」

「いえ、被害は大丈夫ですか」

「はい大丈夫です」

「オークが増えてますし、大丈夫でしたら移動を開始しましょう」


現在の街道は安全とは言えない


「しかし、坊主は見違えたな。べっぴんまで仲間にしてよ」


ニヤニヤしながらヴェルナーが言ってくる


「これまで色々ありましたからね。ヴェルナーさんにも鍛えて貰いましたし、お陰様で充実してます」

「ははっ、良かったな」


ギルドに着くまで今までの事を話あった


「ハルトさんおかえりなさい。あ、ヴェルナーさんお久しぶりです」

「ただいま戻りました」

「ようカナエ、久しぶりだな」

「ケルピーはどうでしたか?」

「おう護衛中に襲われてな、坊主らに助けられたわ」

「討伐は完了しました」

「では、素材を預かりますね」

「よし、坊主飲みに行こうぜ」

「ははっ、お供します」



「坊主も隅に置けねぇな。女ばかり集めやがって」

「いや〜、独りじゃキツかったんで集めました」

「まぁ、正解だわな。よろしくな」

「「よろしくお願いします」」

「それで状況はどうなんだ?」

「今の所はオークの間引きをしていますね。総数は2万以上らしいですが、狩っても狩っても減りません」

「随分と繁殖力が高いらしいな」

「はい、異常ですね」

「王都から軍が来るらしいがまだ掛かりそうだしな。それまでは後手に回るしかねぇな」

「そうですね、肉の食い放題は有難いんですがね」

「他の街でも出回ってるな」

「お陰で金は貯まりしたよ」

「俺も金を貯めて武器を新調しねぇとな」

「買い換えるんですか?」

「今使ってる大剣は、傭兵始めたころに買ったから愛着はあるんだが、ミスリルを手に入れたからよ。ミスリルコーティングの武器が欲しいんだよ」

「コーティングですか?」

「ああ、刃にコーティングすれば切れ味がすげぇ上がるんだよ」


ふむ、ミスリルコーティングか…試して見たいけど手に入らないからな


「でも、鍛冶屋は忙しいと思うですが…」

「そうなんだよな、オーク討伐には間に合わんだろうな」

「ヴェルナーさん」

「あ?」

「俺のスキルで作れる思うんですが、試してみますか?」

「坊主が作れるんか?」

「ええ、この鎧や武器も作りましたからね」

「そうか頼むわ」

「わかりました。明日作りましょう」

「お、おう」

「俺が泊まってる宿まで来てください」

「ああ、わかった」


その後、たわいも無い話をしながら夜は深けた







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