9話 意見の食い違い
『凪、今から行こうよ。彼の元へ・・・』
僕はここでフェランツを殺しに行くべきなのか?
だって僕はこんなにもこの転生を楽しんでいるじゃないか。
それは時には辛い人生だってあった。だけどそんなのは誰しも同じこと。
僕は今までの記憶が消えてしまうことが怖いのかもしれない。
経った一年ずつしか過ごさない人生だけど、だけどそれでも・・・
『凪?』
『僕はフェランツを殺すべきなのかな?』
『何言ってるの?凪・・・あたしの話しちゃんと聞いてたの?彼さえ殺せば貴女のこの忌まわしい能力はなくなるのよ!』
【忌まわしい能力】
沙希はそう言った。
僕は全然そうは思わないのに・・・
もしかして沙希は僕がこの能力を嫌なものだと思っているって思ってくれてるのかな?
『沙希は勘違いしてるよ。僕はこの能力嫌いじゃないし、それに・・・僕が殺すべきなのか?って聞いたのは、僕はこの能力がなくなってもいいのか?って意味なんだ』
『どういうこと?』
沙希は驚いた目で僕を見つめていた。
無理もないだろう。
この能力が僕にとって大切なものだなんて・・・
沙希は思ってもいなかっただろうから・・・
『僕はこの能力が好きだ。どんどんどんどん記憶が増えて、一年ごとに色んな人に会える。一年ごとに色んな性格になれる。こんな経験誰にも出来ない。僕は人と違う。それは嫌なことじゃない。嬉しいことなんだ』
『凪・・・貴女は勘違いしてるわ。そんなことが嬉しいはずないじゃない!貴女は人と違う。一年しか命がもたない。一年で死んじゃう・・・それが貴女は嬉しいの?もしこれから先貴女が人生を繰り返してるうちに大切な人が、大切なものが出来たら、貴女はきっと後悔するわ』
『沙希!』
沙希はそういい残して部屋を出て行った・・・
大切なものが出来たとき、後悔する・・・
大切なもの・・・




