女戦士が着痩せするタイプだと分かった時の男勇者の反応
私は童貞の勇者。
なので女の人は苦手なのだが、最初旅に出る時、何故だか女戦士が仲間になってしまった。
女戦士の名はクリス。幸いなことに彼女はシャイな性格で、頭には顔も隠れる程の兜、体は一部の隙もない程に銀色の鎧で覆われており、最近の流行りは無視した肌色無しの銀色の乙女。
お互い無口なので会話をすることはしなくて良いし、彼女は俺の前で兜と鎧を脱がないので、素顔を一度も見たこと無かった。
しかし、チビの女魔法使い見習いのチロルを仲間した時のことであった。
「クリスちん、兜取った方が良いよ。ちょっと怖いよ。」
余計なこと言いやがってと思った。
もし可愛かったら、どうするつもりだよ?目を見て話せなくなるからね。
チロルちゃんの言われるがまま、クリスちゃんは兜を脱いだ。
その結果、俺はロクにクリスちゃんの顔を見れなくなった。
清楚系美人のポニーテール女子とか、嫌いな男子居ないですよね?・・・本当に勘弁して欲しいよ。
それでもなんとかやって来たんですよ。俺は本当に頑張りました。
あの日までは・・・。
あの日、俺らは火山地帯を歩いており、暑くて堪らなかった。俺なんか割りと軽装の勇者だから我慢できたんですけど、クリスちゃんは顔を真っ赤にして汗ダラダラ流して、メッチャキツそう。
「大丈夫?」
「だ、だだだ・・・はぁはぁ・・・大丈夫でふ。」
ダメだこりゃ、「でふ」は危険シグナル出てますわ。どっかで休憩しようと思っていたら、またここでチロルが言い出したんです。
「もう鎧を脱いじゃえば?アタチの魔法のカバンに脱いだ鎧を入れちゃいなよ。」
おいコラ、チロル。ふざけんなよ。これでお前アレだったら大変なんだぞ?もう俺どうにかなっちゃうよ。
「ほ、本当ですか?・・・勇者様、少しだらしない姿になっても宜しいでしょうか?」
「へっ?・・・俺は別に・・・大丈夫です。」
くっ、突然話しかけられて、コミュ症の俺が上手く話し掛けられるかよ!!
「ありがとうございます。それではすいませんが、後ろを向いていて貰えますか?」
「は、はい。」
俺は後ろを振り向き、クリスちゃんが兜と鎧を脱ぐのを待った。
その間、ドキドキしっ放しでどうにかなりそうだった。
しかし、俺は考えてみた。彼女は戦闘中よく胸の鎧で攻撃を受けていた。その防御力は強固であり、ほぼノーダメージで仰け反ることもなく、次の攻撃に転じていた。つまり、それだけ鎧の装甲が分厚いということであり、そこにはオッパイの付け入る隙など無い筈だ。
つまりはクリスちゃんは貧乳!!
ふっ、我ながらナイスな考察だ。これなら童貞の俺でも耐えれるかもしれん。
「もういいですよ。」
おっと、クリスさんが鎧を脱いだらしい。油断せずに行こう。女の柔肌が見えるだけでもショック死するかもしれない。
そうして俺が振り向いた。そんで結果から言って度肝を抜かれた。
「クリスちんのオッパイ超デカい♪」
「チ、チロルさん、あんまりからかわないで下さい。」
そ、そうなんだよ!!デカ過ぎるんだよ!!
タンクトップとホットパンツ姿になったクリスさん。大問題なのはタンクトップからハミ出す程の爆乳であったという点である。どうしてあんな爆乳が鎧に収まってられたんだ?
胸の防御力の点は俺の考察の間違いだった。クリスさんは薄くて軽くて硬い鎧を着ており、胸に攻撃を受けた際に攻撃は鎧で受け止め、衝撃はあの爆乳で和らげていたわけだ。なるほど、合点がいった。
「ど、どうしました?勇者様。」
「い、いえ別に・・・なんでもありません。」
「そうですか?」
ちょ、直視できん!!横目で見ることも憚られる!!だって横からハミ出てるもんよ!!もうこれは兵器だ!!
仕方なく下を向くしか出来ない俺。
どうしたものか?こんなダイナマイトバディが側に居たら、このまま旅を続ける自信も無くなってきた。
「勇者様!!危ない!!」
クリスさんの声にハッとして前を向くと、火山地帯ということもありサラマンダーが凄い勢いで襲い掛かって来ていた。
しまった。これは今から動いても間に合わない。魔王退治も無し得ぬまま、オッパイにオドオドして殺されてしまうとは・・・トホホである。
「お守り致します!!」
突然サラマンダーと俺の間にクリスさんが割って入ってきた。
早い。普段の不動のパワーファイターのクリスさんとは思えない早さであった。どうやら鎧を脱いでスピードが上がったようだ。しかし・・・。
"プルルン!!"
揺れている。あれだけ早く動けば揺れるわな・・・鼻血出そうだわ。
「やぁ!!」
自分の胸の状況など知らない彼女は、思いっきり剣を振るった。剣は見事にサラマンダーを真っ二つ、素晴らしい剣技だ。だが目下、俺の目線は一転集中。
"プルルン!!プルルン!!"
揺れる、揺れる・・・くぅ、耐えろ耐えるんだ。
「お怪我はありませんか?勇者様。」
そうして心配そうに、こちら振り返るクリスさん。
その時、とんでもないことが起こった。
揺れに揺れたせいで、タンクトップから彼女のオッパイがこぼれたのである。その時の俺の衝撃たるや、ハンマーで頭をガァン!!と叩かれるより凄まじいモノだった。
「勇者様どうなされました?」
不思議そうな顔をするクリスさんだったが、俺は彼女がやらかしてしまっていることを指摘出来ず、鼻血を吹き出して仰向けに倒れた。すでに童貞の耐えられるキャパをオーバーしていたから気絶も仕方ない。
はい、綺麗なピンク色でございました。