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泣き虫ピエロ
真っ直ぐ歩きたくたって
正しくありたくたって
なりきれない
届かない
捨てきれない願い
思い描いた理想
それはいつもこの世に無い
鏡に映った逆さまの笑顔
結露を切り裂く指の跡
こんなの違うと爪を立てる
身体は正直に拒絶する
限界を迎えたとき
砕け散る音が聴こえた
息を飲む頃にはもう遅い
散らばった鏡の破片
こっちを見つめる 幾つもの
ピエロのような泣き顔に
「善人になりきれないくせに善人ぶるから」
容赦もなく吐き捨てた
真っ直ぐ歩きたかった
正しくありたかった
惑わされたくなかった
純粋でいたかった
優しくしたかった
立ち止まりたくなかった
もっと書きたかった
もっと描きたかった
役に立ちたかった
必要とされたかった
捨てきれない願い
思い描いた理想
完璧なんてあるはずもないのに
それでも探し続けてしまうのか
下弦の月の下を彷徨い歩く
きっと ピエロのような泣き顔で