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幸せとは

 ひとつ、整理しよう。

 アオイ様は西暦2020年病死 スマホというゲーム機?で乙女ゲームをしていた。

 転生をして、聖女として覚醒と同時に前世を思い出す。

 ゲームは2種類あって、1番目のゲーム舞台がイスカル国 2番目のゲーム舞台がオラージュ国。

 アオイ様が思い描くような、小説の通りには転生後の人生はうまくいってない。


 ルルことわたくしは、西暦2000年に事故にあい、私は負傷するが爺さんと孫を亡くす。

 その後は穏やかな人生を送り95歳で老衰。

 前世の記憶は、先に転生をしていた爺さんと孫のおかげで蘇る。

 少し早いが、この世界でも爺さんと結婚をしたばかり。


 そしてアオイ様の話では、オラージュ国での学園生活が舞台のゲームである。

 ディルバルド様は第二王子で王位継承1位。理由は幼少のときに兄を流行り病で亡くしているから。

 大好きで尊敬していた兄を亡くし、それを越えたいと無理に勉強や武道をがんばりすぎていた。

 また、幼いころに同じ年代から選ばれた公爵令嬢ルルと婚約していたが、ルルの傲慢で勝気の性格が彼とは合わず、彼女に合わせるのに疲れを覚えてきたところに聖女がやってくる。

 学園で聖女と関わるうちに、彼女の朗らかさにだんだん癒され惹かれていく。

 ルルは聖女を邪魔者扱いし、苛め抜く。それは危険なこともあった。

 我慢ならず、ルルに婚約破棄をし、聖女に求婚するという、、、、乙女ゲームである。


 アオイ様は、こういった婚約破棄のシリーズは王道で、とっても人気があるのだといった。

 わたくしは、アオイ様より年上、おばあさんなのでテレビゲームもしなかったからよくわからないといえば、ロマンスな小説だと言われればなんとなくわかった。


 ディルバルド様は、頭の中で整理中なのか額に手を当ててブツブツいって目を閉じている。

 対して、アオイ様は少し理解を深めたようで、落ち着きを取り戻し始めていた。


 「そうか、ルル様はすでに結婚されているし、ディルバルド様は王位継承者でもない・・・それじゃあ私の思うようなシナリオが、フラグがたたないわけだ・・・。」

 「その、シナリオ?が進まないとだめのでしょうか・・・ここはもうわたくし達にとっては住むべき世界、現実なのです。アオイ様は、あなたのための幸せを素直に探し求めればよいのだと思いますが・・・。」


 わたくし達によって、彼女の思い描く世界は壊れてしまっていたことに罪悪感を覚えた。

 でも、わたくしの言葉にアオイ様は真摯に向き合ったようだった。


 「ディルバルド様、この国の用意してくださった衣装はすぐ準備していただけますか?」


 ジャラジャラとアクセサリーを床に落として、アオイ様は立ち上がった。

 その眼には強い意志称えて。


 まだ頭の中の整理が追いつかない様子のディルバルド様も、ハッとして、すぐに用意させると言い残し走り去っていった。


 

主人公ルルの一人称が間違えていたので直しました。私→わたくし


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