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年寄りなんです

 エリク王子の執着は恐ろしく、このままではアオイ様だけでなく周りの聖女を大切に育て、導いてくれる神殿にも危険が及ぶと思うようになった。

 そこで、イスカル国では誰も攻略をしないことに決めた。

 攻略対象者とも、その婚約者ともみんなの好感度を平均的にあげてしまえばよいのだと思いつく。


 だが、それでもエリク王子の執着がやむことはなかった。

 聖女としての務めを終え、次の旅立ちの時に国から婚約の申し立てをされた。

 しかし彼女がまだ幼いこと、聖女の務めもあり次代聖女も見つかっておらずその話は断ったのだ。

 そうして彼から逃げられたと思っていたのだが、国境沿いの森でエリク王子一派に囲まれて一度命をおとしたのだと語った。

 そこで、命尽きたと思ったとき、2柱の光の女神によって救われたらしい。

 

 女神によってこの国へ無事たどり着いたのだが、エリク王子の執着の闇がアオイ様を追いかけてきた。

 堂々とこの国に入り、彼女へ自身を連想させるアクセサリーを贈りつけて。

 

 このままでは、またエリク殿下に殺されてしまうのではないかという恐怖で、どうしたらいいのかわからなくなってしまったと、彼女は絶望の眼差しで俯いた。

 せめて、続編シナリオの攻略対象者とのルートに入ってしまえばもしかしてエリクルートを外れることができたのではないか?そう思い、日々焦っていたのだという。



 ディルバルド様は転生だとか、ゲームだとかそのような夢物語があるものかと半信半疑でいる。

 まだ、わたくしとジルバルド様の転生の話は弟である彼にも話したことはない。

 だが、アオイ様が思い描くシナリオやゲームを私も知らないのだ。

 子や孫に買い与えたファミコンのようなものなのだろうか・・・・


 うーん、と思い悩んでみたがわたくしもアオイ様の話に理解が追いつかないのだ。

 ならば、わたくしのことをアオイ様に聞いてもらって、彼女に判断をしてもらうのがいいだろうと思いなおす。


 「アオイ様、ディルバルド様、わたくしの話すことを信じてください。」


 そうして、わたくしとじいさん、孫の転生の話を二人に聞かせた。

  

 「アオイ様のおっしゃるとおり、わたくしは転生をしました。そして、ジルバルド様も・・・・」


 トラックの事故により、伴侶であるじいさん、孫の男の子を亡くした。彼らは謎の2柱の女神たちによってこの世界に先に転生をした。

 数年後、わたくしは穏やかに人生を終わる。

 自身は転生者としての記憶がなかったが、彼らとの日々でそれを思い出すことになる。

 わたくしはまた同じ伴侶とこの世界でも婚姻を結んだ。

 孫は光の女神たちによってどこかへ連れていかれたということ。

 そして、じいさんのここでの名まえは、ジルバルドという。


 と、そこでアオイ様が驚きの話をする。


 「え?!ジルバルド様?彼は幼少のころに流行り病でお亡くなりになったというエピソードがありました。ディルバルド様ルートで兄の在りようを懐かしむエピソードがありましたもの!」

 

 そして、アオイ様がさらに驚くポイントが。


 「西暦2000年?!ルル様のお亡くなりになったのは95歳!?」

 「兄上は、、、あれで中身が80歳越えてるだって?!」


 何気にディルバルド様のほうも驚愕の表情で固まった。


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