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めでたしのその先に

転生しても愛する人と結ばれる。こんな幸せなことはない。

けれども、なんだかわからない役割ってものがあるみたい?

『悪役令嬢』?はて、それはいったい・・・困惑

 オラージュ国皇太子妃 ルル・オラージュ15歳。

 赤い瞳は父譲りのきりっとしたつり目。髪は夕日を思わせる赤いストレートロングを、いつもツインテールにしてお気に入りのリボンで結ってもらう。

 この国の学園に通う、ふつうの女の子だ。


 『人妻』であるということをのぞいて。




 衝撃的な早婚をしてはや数か月。

 今日はわたくしの学園に、なんと聖女という前世でいう巫女さんのような人が入学してくるのだそうだ。

 なんでも、オラージュ国にかかわらずあちこちの国を渡り歩き、その土地神に祈りを捧げて平安を祈るのだそうだ。

 彼女は幼少のときに聖女としての力が開花しており、出身国では一時第一王子と婚約が噂されたほどの美しい容姿をしており、その天真爛漫さからは計り知れない頭脳も持っているのだとか。

 そしてこのたび、このオラージュ国に安寧をもたらす祈りのため、一年留学をしてくるのだという。


 学園の正門前。

 白馬の皇子様と皇子妃様が、いつも通り相乗りで登校をしてくる。

 はじめは大騒ぎとなったが、皆の慣れもはやいものでその熱愛ぶりにやや引き気味だ。

 

 「では、いってまいりますわね、ジルバルド様。」

 「ああ、また夕刻に迎えにくる。」


 そう言って、この国の皇太子は城へ帰っていく。

 はじめは恥ずかしかったものだが、慣れた。昔からじいさんはああだった。

 どこへ行くにもついてきて、スーパーマーケットでは少々邪魔だった、と遠い前世を懐かしむ。


 学園では、弟のディルバルド皇子様と同じクラスだ。

 結婚したので、私からみても弟なのだが、そこは慣れない。

 じいさんと違って、頭は賢く、そしてその賢さを自分が面白いと思うコトにとことん使う、ちょっと歪んだ人なのだ。悪い子じゃない。その分、同い年の従僕ウィルが度が過ぎないように彼を見張っている。


 さて、今日は聖女様を拝める日だった!どんな人なんだろう、素敵な人なんだろうなあ~と浮かれていたところに、担任の先生とお待ちかねの彼女が教室にやってきた。


 「みなさん、かねてからお知らせしていました通り、この国に祈りを捧げる儀式を行うため聖女様が来られました。彼女も君たちと同じ15歳です、この国にいる間、仲良く勉学に励みましょう。」


 聖女の祈りの儀式は大規模だ。一年滞在する間の勉学はこの学園で行う。

 そして彼女がすっと教室に入ってくると、教室が歓喜にわいた。

 なるほど、すごい、、、きれいでかわいい!!心なしか彼女周りが光って見える。


 「あ、えっと、一年の間ですけれど、よろしくお願いいたしますね!名まえはアオイです。」


 ピンクがかった金の髪をお団子にして、お花の飾りがついている。

 白く滑らかな陶器のような肌に、まとめきれないおくれ毛がなびき、うなじを艶めかせる。

 すんだエメラルドグリーンの瞳は少したれ目で、愛嬌がある。

 わっと、男どもが喜んで、女の子たちはその可憐な様子に惚けるものや嫉妬をするもの様々だ。


 すると、彼女はわたくしの隣に座るディルバルド様を見て急に顔を笑顔にして走ってきた。


 「わ!わたし!あなたに会いたかったの!!」


 可憐な少女に、愛の告白よろしく挨拶をされた彼は、彼女を一瞥すると、


 「なぜです?私はあなたのことは聖女様として伺っておりましたけれど、よく知りません。一年学友としての付き合いもありますが、いきなりその態度は・・・」


 と、彼の従僕がバッとディルバルド様の口をふさぎ廊下へ連れて行ってしまった。

 確かに、この国の皇子と知らずに馴れ馴れしい態度だったかもしれいけれど、あのように冷徹になるなんて珍しいな、と思っていたら。


 「騎士のウィルまで・・・!!本当にここって・・・!!きゃあ☆」


 などと、冷徹に対応されたにもかかわらず、彼女は目の前で悶えていた。

 そして、わたくしのほうを見やって。


 「あなたが悪役公爵令嬢・・・ルルね・・・」

 可憐な顔から一転、恐ろしい形相でわたくしをにらむ。一体なぜ。


派生でおもってた話をちょいちょい書き足します。

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